リアルのび太誕生!
私はもう、「良い意味で」息子のことは諦めております。
「普通」「一般的」「常識」そのような、今では我が家で死語と化した概念に囚われている時もございました(遠い目)
しかしっ!うちの息子には、どんな手を使っても効きませんでした。
「アイガモを飼いたい」「無理」「なんで?」と聞き返され、答えられない私は逆に追い詰められ、息子に言われました。
「自分で自分の首しめて、どーすんの?」とすごく優しく。
私の頭の横には「敗北」という吹き出しが出ていたでしょう。
息子は本を読み漁り「マンションでも小さな田んぼを作るのは可能で、鴨の飼育もやりようによっては・・・」と、今度は主人に熱心なプレゼンです。
こういう時、「無理!」の一言で終わらせずに冷静に、
・マンション規約でベランダでは変えないこと」
・これ以上、生き物植物が増えたら、現実問題として世話ができないこと
などなど、夫は説明できるのです。すると息子は納得しました、なんとか。
ですが翌日は「うなぎ、飼いたい」「無理!」
あ〜、また言ってしまった。「無理→なんで?→常識で考えて→常識って何?」
この無限ループに本気で泣いたこともあります。
「もう勘弁して!」と私の中のイライラ閣下が現れると、安定剤を飲んでしばらく横にならないとダメだった2年前の自分に比べれば、強くなったもんです。
息子は駄々を捏ねているわけではなく、純粋に「飼いたい」のだと、今ならわかるからです。
普通は無理だと思うことでもやりたいのが息子であり、時にやってのけたりするんです。普通じゃないですからね。
普段なら、ちゃんと説明して代替え案を出せるのに、ここのところ連日の無理難題でした。
もしかして、学校で何かあって、そのサインを私に出しているのかな?
愛情を確かめてるのかな?そんな風に思えてきました。
すると、イライラ閣下は「タンジュン閣下」に変わります。
色々疑問を呈するのは本を読む証拠だし、やりたいことを遠慮せず、親に言えるのは、親子関係に嘘がないからだと思うし。
やりたいことしかやらないし、勉強も宿題だけ、超適当にやっつけ仕事だけど、
笑ってることが1番だよ。
何もこちらが「命令」しなければ、彼の情緒は安定するし、落語ばかり聞いてゲラゲラ笑ってると、「ちったぁ、勉強しろってんだ」となぜか私も落語口調になるけどさ。
食べたスーパーカップの箱とか、置いたままでイライラするけど、それは旦那の真似であって、私のせいではないし。
まるでのび太だな、と思ったとき、思いついたんです。
のび太にしてあげよう!
アイガモもうなぎも無理だけど、のび太なら素養たっぷり、変身可能。
すぐにベッドマットをリビングに持ち込み、ドラえもんその他のぬいぐるみで周囲を囲い、その横にはちゃぶ台代わりに、ハイキング用の組み立て式テーブルを設置しました。
ちゃぶ台の上にはもちろん、スーパーカップです。
写真にはスーパーカップ写ってませんけど。
帰宅した息子は大喜びで、散らかしまくりました。
あ、あ、あ〜イライラ閣下がやってくる〜と心の中で叫びましたが、これを見て吹っ飛びました。
※画像はイメージです。
言ったセリフが「あ〜暇って最高!」
まるで、普段が習い事や勉強で忙しいような口ぶり。
習い事も全部やめて、家庭学習もやめた。
「僕は登山の妨げになることはしない」と要は勉強放棄宣言までした。
だから私は従って、何も言わないことにした!
その結果がコレです。
大丈夫なんだろうか、この子は。。。今度は「フアン閣下」の登場です。
チラッと、チラッとですよ。
息子のノートを見ました。
そこには「育てたいリスト」が書いてあり、理由もちゃんと書いてあり、いつ頃に種まき、収穫、とまで詳細に書いてありました。
収支の計算もしてありました。消費税を入れずに計算しているアホ。
思ったんです。
例えリアルのび太でも、こうしてやりたいことがたくさんあって、終わったものから、線を引いている。
これからもっと増えて、線で消して、そうやってやりたいことやって「リアルのび太」として生きるのもいいではないか。普通じゃないんだし。
調子に乗って次のページを見ると「頑張りたいリスト」おっ!
やはり、勉強のことは一切書いてありませんでした・・・。
こうして私は、毎日、自分の中のいろんな「閣下」登場に悩まされるのですが、
結局は「あの子の人生だしな」と楽観的に考え、あののび太ポーズをするのでした。
息子と同じじゃないか!
久々の「息子と同じじゃないか」シリーズ長編でした。
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