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風そよぐ 鼻腔くすぐる 秋のかほり

赤黄色の金木犀の香りがしてたまらなくなったので


先日、京都市京セラ美術館への行き道、疎水沿いを歩いていたら心地よい甘い薫りがしてきた

金木犀の香りだ

金木犀の咲く木にはたくさんの小鳥がとまっていて木が揺れるほどだったので、『甘い香りがするから大人気ですね』なんて言いながら、足を止めることなく美術館にいそいそと向かって行った

動くと汗ばむものの、風が爽やかに吹くと金木犀が薫る季節となっていた

つい最近まで道に咲くお花や木々の変化で季節や四季を意識することもなかったのに一丁前に、なんと風情のある大人になったものだろう

自分で言う

子どもの頃、カメラのフィルムが入っていた小さなプラスチックのケース(こんなん今あんのかな?)に公園でむしった(時効ね)お花を詰めて”香水“なんて言って匂いを嗅いでいたのは覚えているけれど、それが秋の出来事だったという認識はなかったし、本当につい最近まで金木犀が香る季節なんて意識したこともなかったような気がする

あの、大好きな曲があるにも関わらず

ススキと、おそらく杉玉(喫茶店なのに?)
ポスト投函帰りの喫茶店をパシャっとな
何だか秋を感じる1枚でしょ


朝晩も急に涼しくなって金木犀の香りを嗅いでしまったら“何年経っても思い出してしまう“じゃないのよ

赤黄色の金木犀の香りがしてたまらなくなって
何故か無駄に胸が騒いでしまう帰り道

フジファブリック『赤黄色の金木犀』



『フジファブリックSINGLES2004-2009』の1ページ

こうしていつまでも、15年前(かな?)までの在りし日の声を姿を“まぶた閉じて浮かべて”聴くことも動画を眺めるたりすることは出来る

なーんて

何をどうあがいても、今日はひときわ切ないのう。。。

真夏の熱を冷ますかのように、燃えるような彼岸花が枯れ、秋桜や金木犀や赤や黄色に染まりゆく葉は何とも落ち着いて見えてしまう

冷たい冬を真っ裸で乗り越えて、春になると新芽を出し、暑い陽射しのもと青々と生ききった葉っぱも、秋には燃え尽きるように真っ赤に染まって土に還れたなら良いのにな

燃え尽きて落ちる前、泣いたり怒ったりのように真っ赤に見えるのはやるだけやった証なのだ

常緑樹もあるよとか、落葉しない木もあるよ、とかは言わないで〜

今夜だけは。。。

次また生命が吹き込まれた時はもっともっと色濃く輝く葉っぱとなって茂ることを夢見る事が出来るように、また力を蓄えて何度も何度もやり直そう

なんなら次は、風に乗ってどこまでも自由に飛んでいけるような何かだったらもっと良いだろう

生きていれば何でも出来るし何にでもなれるし、どこにだって行ける

今夜は去年、一昨年のように泣き明かしたりは絶対にしない

なぜならこうして、ちゃんと悔しさや悲しみを隠すことなく吐き出しているから

きっと今夜はぐっすり眠れる



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