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成長のきっかけ:娘たちへの手紙
杏珠に、今日は鶏むね肉のステーキを作ってもらっています。杏珠はずっと一人で料理を作りたいと言っていて、今日はそのチャレンジの日となりました。杏珠がこれまで作れた料理は卵焼きだけで、それもおばあちゃんに手取り足取り教えてもらったもの。家族からは「ママより上手にできるようになっている」と褒められる一方で、私にとってはやや複雑な思いがあります。
でも本当に再現性が高く、上手にできるようになりました。
今回は自分の食べたいチキンステーキを作ることに挑戦し、クックパッドを見ながら一から自分で仕上げることを宣言しました。私が手伝ったのはニンニクを半分に切るところだけで、あとはすべて杏珠が一人で仕上げました。焼くだけでなく、下味をつけ、小麦粉を叩き、じっくり弱火で仕上げ、柔らかくジューシーな仕上がりになりました。家族全員が大絶賛し、本当においしかったものの、味は少し薄かったとのこと。初めてにしてはかなり上手でした。
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もしも杏珠が卵焼きを作った経験がなかったら、このチキンステーキに挑戦することもなかったでしょう。卵焼きが上手にでき、家族が喜んでくれたことで、ますます喜ばせたいという気持ちが湧き、新しいチャレンジに踏み出すことができたのです。
これは仕事においても同じことが言えるでしょう。まず第一に、誰かに喜んでもらいたいという気持ちがあってこそ新しいことにチャレンジできるし(自分のためだけにチャレンジできる人はなかなかいません)、第二に、基本のことができるからこそ、もっと難しいことに挑戦したくなるのです。
スタッフを育成する際には、このバランスを大切にし、適度なサポートを提供することが本当の意味でのスタッフの成長につながると感じました。