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スタートアップエコシステムを加速させるコミュニティ「Snack」で生まれたご縁

スタートアップコミュニティスナック「Snack」(以下、Snack)。スタートアップといえば渋谷・六本木・五反田…というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、赤坂見附に位置する「Snack」には多くの起業家・経営者・投資家などが集まります。

株式会社AGENT SUCCESSの代表・野村 真央は、Snack立ち上げ初期から運営に関わり、現在も交流の場として活用、Snackでの出会いをきっかけに仕事の幅を広げています。

今回は、Snackのママでありコミュニティーオーナーの藤村彩乃さんにインタビューをしました。Snackがどんなお店なのか、これまでにどんな出会いを紡ぎ、スタートアップエコシステムとしてどのように機能していくのか、お話を聞きました。

Snackコミュニティーオーナー
藤村 彩乃
大阪府出身。2016年6月より16人目の社員としてNET jinzai bank(現・forStartups)に転職。日本の成長産業における採用支援・起業支援などを行う。2021年10月、赤坂にSnackをオープン。

お酒の場だからこそ出る本音をビジネスに繋げたい

——Snackのコンセプトを教えてください。

藤村さん:スタートアップコミュニティスナック「Snack」は、起業・投資・事業提携・採用などのきっかけとなることを目指して運営しているスナックです。スタートアップで働く人だけではなく、スタートアップで働きたい方、起業をしたいと考えている方、VC・CVC・エンジェル投資家、大手企業の新規事業に携わる方など、スタートアップとアクセスしたいと考えている方でしたら来ていただきたいと思っています。

——「スタートアップコミュニティ」というと、一般的には勉強会やオフラインでの交流会を連想しますが、なぜSnackという場を作ろうと思ったのでしょうか?

藤村さん:私は2016年にスタートアップ業界の転職支援等を行うforStartups(入社当時・NET jinzai bank)に入社しました。当時、ありがたいことにスタートアップの経営をする方々と飲ませていただくことがあり、「昼間の会議室で膝を突き合わせて話すのももちろん大事な意思決定に繋がるけれど、お酒の場で腹を割って話をした結果、決められることもある」というのを目の当たりにしてきました。

良いことも悪いことも、双方が自己開示をしたことで「じゃあやってみようか」と踏み切れることもあるのだと知り、「お酒の場」とスタートアップを掛け合わせれば、業界にとって価値のある意思決定が増えるのではないかと思ったのがSnackの構想のきっかけでした。

藤村:また、スタートアップにいる方々はお酒の場でも基本的に明るい会話をしている印象が当時からあり、例え愚痴であったとしても「こうすればより良くなるのにね」とポジティブな帰結をすることが多いなと思っていたので、そういった意味でもスタートアップの方々と語り明かす会食の場は好きでした。

バーじゃなくスナックの形式を取ったのは、名刺交換だけして終えるのではなく、ちゃんと“交流”を生みたかったからです。ボトルを入れていただいて、席に座って、少なくとも1時間前後はその空間にいるというのがスナックという場の基本的なスタイルなので、そこは個人的にこだわったポイントです。そこに一人、また一人と新しいお客さんがやって来ると最初は知らない方同士でも自然と仕事に関する深い話をするようになり、新しく出会った人との深い繋がりを生めるのではと考えました。

——野村さんはいつから、どのようなきっかけでSnackと関わりを持っているのですか?

野村:Snackが立ち上がったころ、藤村さんがWantedlyで運営メンバーを募集していたんですよね。ひとつはコミュニティスナックの運営、もうひとつはスナックで開催するイベントのオーガナイザーのような募集だったと記憶しています。

年齢が一緒だったのと、新卒からずっと人材紹介をしているという共通点から、話してみたいなと思いました。それでWantedlyで連絡をしたら「お店に来てください」と言われまして。当時はコロナ禍だったのでオンラインでのコミュニケーションばかりだったのですが、お店に来てくださいというのは、「ちゃんと店を見て知ってください」ということなのだろうなと思ったんですよね。それが藤村さんとの出会いです。

——その後、どのような形で関わることに?

野村:最初はHR関連のイベントの運営担当として関わり始めました。イベントは盛況で時には40名近く集まることもありました。先程も言ったようにコロナによる規制がなくなるかなくならないかというタイミングだったので、まだまだオフラインでのイベントが少なかったこともあり、定例化していきました。

それもあってか、他にもイベントを主催する方が増え始め、HRという切り口だけでなく人事やCSといった職種に特化したイベントにも開催されるようになりました。自分の関わっていた立ち上げ期間を経て、今もSnackでイベントが開催され続けていることは純粋に嬉しく思いますね。

藤村さん:今では若手の交流会イベントだけではなく、株主総会や投資家・起業家の方々の忘年会などを行う場としてSnackを使ってもらえることも増えました。イベントという形だと若手が多く集まりがちでしたが、より経営に近い立場の方にそれが伝わり、残り続けていることが良かったと思っています。

Snackでの出会いをきっかけに、昇進や事業提携が生まれる。

——Snackにいらっしゃったお客さん同士は、どのような会話をするのでしょうか。

藤村さん:やっぱり8割くらいは仕事のお話ですね。「何をされているんですか?」から始まり、名刺交換をして、Facebookで繋がったら「あ、この人共通の知り合いですね。じゃあもしかしたらこの人も…」。そんな会話が広がっていくことが多いです。全く繋がりがない場合でも、お互いの仕事について説明して、場合によっては「じゃあ今度御社に遊びに行ってもいいですか」なんて会話に発展することもあります。

野村:初対面だと挨拶と表面的な会話で終わってしまうことも多いかもしれませんが、何回かお店で会っている間柄になれば、最初は深い話をしていなかったのに、次第に採用の話や事業提携の話など真面目な話になっていくこともありますよね。カウンター同士でたまたま隣り合った人たちからそういう会話が生まれているのを見ると、その偶然の出会いや意思決定の早さがスタートアップの醍醐味であり、面白いなと感じる瞬間でもあります。

藤村さん:Snackを経営してきた3年間で、いろんな面白い出会いに立ち会ってきました。たとえば、若手の方が瞬く間に出世していった話があります。とあるイベントに参加した当時24歳でスタートアップに勤務していた方が、そこにいたスタートアップを経営する方と話し、アポイントメントを獲得したんですよね。そうしたら、その一件の商談をきっかけに彼は営業成績が急激に伸び、すぐに最年少役員になり今ではCOOとして活躍しています。

野村:あぁ、あの彼ですね(笑)。出会いのきっかけがイベントで、そこからキャリアップをしていると思うと僕らとしても嬉しいですよね。あとは、Snackで経営者と転職希望者が出会って、採用に繋がっていくケースもありますよね。

僕に転職相談をしてくれていた方がいたのですが、話を聞く中で「これは藤村さんにも相談してみるのがいいんじゃないか」「Snackに来ているあの社長さんがたしかこんな方を採用したいと話していなかったかな」と思い当たり、一緒にSnackに遊びに行ったんですよね。そしたらすぐに経営者さんを紹介してくれて、とんとん拍子で転職が決まっていきました。

Snackで出会うと、従来の転職活動とは違って最初からスタートアップの社長とオフラインかつお酒が入った状態でしっかりと話せるので、双方にとって良い体験なのではないかと思っています。企業について深く知ることができるし、社長から直接ビジョンを聞くと、その熱量に圧倒されつつもすごくワクワクできるんですよね。

企業の魅力と求職者の人柄、どちらも取り繕わずダイレクトに伝わるからこそ、Snackで話した次の会を改めて設定してもらって、私も面談だと思って案内していたのですが即日内定が出たこともありました。

藤村さん:日頃からたくさんの経営者さんやスタートアップで働く方と話しているので、この会社にはこんな人が合いそうだ、この経営者とこの子は気が合いそうだ、というのは身に染み付いています。Snackだからこその“マッチング精度の高さ”は、ある気がしています。

スタートアップを盛り上げる“同志”として成長し続ける

——野村さんはすでに、初期に任されていたイベント運営者としての役割は終えていますよね。それでもSnackに通い続けるのは何故ですか?

野村:ここに来ると、自分だけでは接点を持てないような人たちに出会えるからです。前職のWARCでスタートアップへ転職エージェントをしていましたが、当時僕が関わっていたスタートアップと、Snackで出会うスタートアップは、また違ったビジネスや属性の方が多く、そこに面白さを感じています。だから今でも、ここに来ると良い意味で "知らない方ばかり”です。

あとは純粋に、ここに来ると自分の事業に広がりがあるからです。先ほどお話したように、Snackと関わることで生まれる人材紹介の事例もありますし、人材紹介の立ち上げや新しいテーマを模索している企業があれば、人材紹介のコンサルとしてお手伝いすることもあります。Snackには、自社の事業を進めるための足がかりがたくさんあるんですよね。AGENT SUCCESSのメイン事業である人材紹介のコンサルは、イベントや個別での紹介を通じて3件受注が決まり、人材紹介の方は3件全てがSnackに関連したご支援になってます。

——今後、SnackとAGENT SUCCESSはそれぞれどのような未来を目指していくのでしょうか?

藤村さん:世の中に、企業が主体となって創るエコシステムは多数存在しています。それこそがビジネスだと思うので、当然といえば当然なのですが、それだけではなく、ゆるくお酒を飲んで談笑しながらみんなでそれを創る未来があっても面白いんじゃないかって思うんですよね。

お酒の場というラフなコミュニケーションを取りつつ、関わる人みんなのビジネスと人生が前に進んでいる座組みを作り続けたいし、持ち続けたい。Snackを立ち上げたのもその思いが起点になっているので、これからも変わらずそういう未来を目指し続けたいと思っています。

あとは、10年後、20年後に、互いのメリットを理解した気心の知れたビジネス仲間が増えていたらいいなとも思うんですよね。ただの“仲良しこよし”ではなく、スタートアップを盛り上げる、“同志”のようなイメージで、一緒に未来を創っていければと思っています。

▲店内の様子。
右奥に写るボードには、スタートアップで働く人たちからのメッセージが書き込まれている

野村:Snackという場を通じて転職希望者とスタートアップの両方に「人材紹介業」のメリットをちゃんと享受した上で、転職活動を進めてもらいたいと思っています。

これは転職エージェントの存在意義の話にも繋がるのですが、極端に言うとSnackで経営者と候補者の方がたまたま出会って直接繋がって採用の話になれば、それだけで転職活動って進められるじゃないですか。実際に、「企業からしたら紹介料払わなかった方が良かったんじゃないか」っていう意見をいただくことがあります。

でも、その人が転職したいタイミングと、企業側が人を欲しいと思っているタイミングが合うとは限らないし、何も知らなければすれ違うことの方が多いです。その些細な感情の機微を読み取り、あえてセレンディピティを生み出すことができるのは自分たちのようなエージェントが存在し続ける意義だと考えています。

ここで生み出したご縁をスタートアップの成長に繋げ、スタートアップエコシステムを加速させる一助になれたらいいなと思っています。Snackは会員制のスナックですので、一度覗いてみたい方は私までお声がけください!

株式会社AGENT SUCCESSとは:人材紹介事業の立ち上げ支援及びコンサルティングを行う人材会社です。業界の経験を活かし、本質的で社会貢献性のある人材紹介を実現するためのお手伝いをさせていただきます。また、業界の負を解消し、企業・候補者・人材紹介それぞれにメリットのあるサステナブルな紹介方法を採用しておりますので、新規事業で人材紹介を立ち上げることにご興味ある企業様はお気軽にお声がけください。

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