順風満帆?だった、あの頃の話
サラリーマンとして働いていたあの頃、自分の未来にはどんな不安もないように思えていました。毎月決まった日に給料が振り込まれ、肩書きも少しずつ重みを増し、将来的には管理職として活躍する姿が自分の中で鮮明に描かれていたのです。
「自分が管理職になったら、こんなことをやりたい!」
「部下にはこう接するべきだ!」
そんなことを、後輩たちに偉そうに語っていた日々が、今となっては懐かしく思い出されます。私には確信がありました。「自分は管理職に向いている」。そう思い込んでいたのです。
上司との衝突、そして挫折
サラリーマン生活の中では、時に上司と衝突することもありました。上司が提示する方針や判断に納得できないことがあり、そのたびに意見をぶつけました。当時の私は、自分が間違っているとは微塵も思わず、むしろ「上司の方がおかしい」と信じて疑いませんでした。
しかし、会社という組織の中では、正しいかどうかよりも「調和」が重視されるのが現実です。衝突を繰り返していた私にとって、上司との関係は次第に悪化し、仕事はやりづらいものになっていきました。どんなに「自分の方が正しい」と思っていても、組織の歯車が噛み合わなくなれば、その先は険しい道のりです。
そして結局、私は会社を去ることになりました。それは、転職というよりも、逃げるような形でした。
二度目の挑戦、そしてまた同じ過ち
転職先では「次こそはうまくいく」と自分に言い聞かせ、新しい職場に馴染む努力をしました。環境も新しく、期待感に満ち溢れていました。しかし、人間というものは簡単には変わらないものです。
仕事を進める中で、同僚や上司への不満が募ることがあり、それを隠しきれない性格が再び顔を出しました。たとえば、「もっとお客様に対しての提案は、こう考えればわからんか?」と感じる場面で、歯に衣着せぬ言葉を口にしてしまう。自分では正直さだと思っていても、相手にとっては批判と受け取られることもあります。
そうして、転職先の会社でも人間関係の溝が広がり、結局2年ほどで退職。再び、自分の選んだ道を断念することとなりました。
独立への挑戦、そして苦悩の日々
現在、私は不動産エージェントとして独立しています。独立という道を選んだ背景には、「誰にも縛られず、自分の力で道を切り開きたい」という思いがありました。しかし、現実は想像を遥かに超えて厳しいものでした。
毎月の安定した収入はなく、仕事の成果はすべて自分次第。取引先に提案を持ち込んでも、独立したばかりの自分に対する信用は薄く、「以前の会社に戻ったほうがいいんじゃないか」といった態度をされることもありました。
深夜、一人で机に向かいながら、資料を作る手が止まることがあります。「自分は何をしているのだろう」と考える時間が増えました。思い描いていた独立後の未来とは程遠い現状に、不安ばかりが募ります。自分の決断が正しかったのか、何度も自問自答を繰り返しました。
支えとなる存在、そして恩返しへの決意
そんな中でも、私を支えてくれる人々がいます。独立した私を応援してくれる取引先の方々、励ましの言葉をかけてくれる友人たち、そして何よりも家族。その存在が、どれほど大きな支えになっているかは言葉に尽くせません。
これまで、私は多くの失敗をしてきました。サラリーマン時代には上司や同僚と衝突し、転職先でも人間関係をうまく築けず、ついには独立して不安と戦う日々を送っています。それでも、自分を信じてくれる人がいるという事実が、私をもう一度立ち上がらせる原動力となっています。
「自分にできることを精一杯やる」
この言葉を胸に刻みながら、どんなに厳しい状況でも、前に進むしかないのです。
不安の中に見える光
今の状況は、決して楽観視できるものではありません。それでも、この苦しみを乗り越えた先には、きっと新しい未来が待っていると信じています。多くの失敗を経験してきたからこそ、そこから見えてくる景色があるのではないかと感じています。
今、私にできることは、なりふり構わず全力で目の前の課題に取り組むこと。それが少しでも、支えてくれている人々への恩返しになると信じています。
成功への道は、決して平坦ではありません。しかし、失敗を糧にし、感謝を力に変えて、今日も私は前へ進みます。たとえ絶望の中にあっても、胸の奥に秘めた思いを糧に――いつか振り返ったときに「この道は間違っていなかった」と胸を張って言える日を信じて歩み続けます。
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