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お金では買えない豊かさ。映画「海よりもまだ深く」
★★★★★(満足度:五つ星)
<あらすじ> かつて小さな文学賞に輝いた売れない作家は、三行半を突きつけられた妻子と再び暮らすことを願っている。“復縁のきっかけ”を画策するが意図しない方向に進んで行ってしまう。
貧乏と貧困は違う。
小説の取材と称して探偵事務所で働いていますが、実際は養育費はもちろん水道光熱費さえ払えない貧乏生活。借金してまでギャンブルをする主人公はその日暮らしの毎日で、家族との復縁なんてとても望めない状況ですが、この男は毎日を生き抜いてしまう“豊かさ”を持っているんです。
豊かさとは、人間関係もそうですし、小説家という夢を持ったり、悪知恵を働かせる器用さとか、憎めない人柄など、色々あるのですが、この男は「貧困」ではないんです。「貧乏」なだけなんです。
貧困とはお金がないと生きられない人
貧乏から努力して抜け出す方法を考え実行することはできます。反対に解決方法を知らない、考えられない人は、お金がない=貧乏の連鎖。つまりそれが貧困です。
少し極端な解釈の仕方ですが、様々な報道で、金銭的な格差を富裕と貧困という表現をすることを多く見かける中で、この映画をみて「貧困」の定義を自分なりに考えて見たくなりました。
当然、お金に恵まれた環境で生まれた人と、そうでない人で優越はあるでしょう。しかし、この定義ではお金を持っていても貧困になりえます。
お金では買えない豊かさ
派手なCGや爆発もありませんが、お金では買えない豊かさという文脈でとても「リッチな映画」です。
生活感が溢れている日常描写のリアリティや、キャラクターの会話はまるで落語を聴いているかのように何度も見ても飽きません。
映画の設定と同じ、この夏にオススメの1本です。
映画「海よりもまだ深く」はNetflix(ネットフリックス)で鑑賞できます。(2017年7月現在)