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2024年5月10日の気づき Part1

オープニング

今回は、5月10日に東京で行われた「Liquid 2024」「TORANOMON HILLS TALKS Vol.2」に参加して、気づいたことを言語化して、記事にしていきます。

ちなみにPart1としたのは、書きたいことを書き続けていくと、とて〜も長くなったからです。そのため、「Liquid 2024」にフォーカスを当てた記事(今回の記事)と、「TORANOMON HILLS TALKS Vol.2」にフォーカスを当てた記事(Part2を 絶賛作成中です!)とを、分けてみました。


Liquid 2024

このイベントの詳細については、下記のタブから見てみて下さい。
このイベントに参加しようと決めたのは、基調セッションに株式会社雨風太陽の高橋博之さんが登壇されるということで、すごくお話を聞きたかったからです。そのせいか、長い記事になってます笑

基調セッション

このセッションでは、印象的だった話がいっぱいあったが、ここでは3つにまとめてみる。

まず1つ目は、博報堂の取り組むライドシェアの姿勢の話である。
特に、地域づくりにおける「広がる」「広げる」の違いについてで、言語からの解釈というアプローチが非常に新鮮だった。さらには、地域内で自ずと「広がる」のか、外部の力によって「広げる」のかで、今後の持続性、持続可能性についても変わるのではないかという話にもつながっていて、すごく興味深かった。
さらに、地域に来た以上は退路を断つという姿勢という部分では、住民票という障壁が現状あることや、 効率を重視したやり方だけでは見えない「地域」の特性についても触れられていて、これは郵便局だからできるアプローチでもあること、さらに、その方法に気づけない・辿り着けない地域の人々もいることを留意しておく必要はあるという話には強く納得させられた。
また、登壇者さんの取り組みにように、地域づくりを推し進めるとはいえ、地域の人々が判断できる余地や余白が必要という考えが述べられた部分では、一方通行なやりとりや中央集権型の進め方はできない、これからは難しくなるということを考えさせられた。

2つ目は、「自分たちの暮らしを自分たちでどのように創るか?」という問いを人々が持てるかどうかがカギになるという話である。そこでは、この問いは「どのように生きるか?」というより根源的な問いにも繋がっていることに気づけたし、この問いに対して民主主義の起源から考えるというアプローチもあることをお話しされていて、すごく面白いというか、興味がそそられた。
さらには、街の土台が整備されていない状況では、街の未来を語ることは難しいことや、住民の方々が「選択する」ことのパワーについても洞察する重要性があるのではという発見も得られた。
また、【地域の総活動量は、30/365日や75/365日来てくれる人を集めることで決まる】という発想が出てきて、これは初めて聞いて、定住人口だけが活動量でないこと、関係人口が大事であることを改めて確認できたし、だからこそ二拠点居住や多拠点生活を整備することが重要になっているという話の流れで、実際、国会でも議論されるぐらいの熱を帯びている話題であることや、この場合住民票と選挙権との連動という点がさらなる課題になっていることを知ることができた。

3つ目・関係人口は【都市と地域との関係人口】と【地域内での関係人口】という2つの意味合いを持っている話である。前者が一般的に用いられる意味だから、後者の存在はこのとき初めて知った。そして、その視点はコミュニティの維持において必要であると考えたし、関係人口というプレイヤーが、公(Public)か私・民(この場合、PrivateよりCivilの方が適切かもしれない)かの違いが、意味合いのずれをもたらしているのではと解釈した。さらには、後者の場合、Feel→Doのあり方とも言えるし、郵便局の強みでもあると言えるのではないだろうか?とも考察した。
また、〈関係人口は水を得た魚〉という格言が、【人材は公共財である】という流れで出てきて、定住人口という囲い込みでの獲得は時代遅れになっているし、水という関わりがないと生きていけないという比喩で用いていると考えた。この格言から、「人工の概念を変える」という高橋さんの熱意を感じられた。

他にも、〈一億総観客時代〉になっている話で、お話を聞いていくにつれて、この場合は「観客」というか「傍観者」な感じがしたことや、インフラ復興の際に、「一直線で進める」のか「点を作って進める」のかという話で、地域の復興では後者の方が優れているという考え方があることなど、本当に数多くの気づきを得られた。
また、高橋さんは、地域の都市化が様々な課題を引き起こしている現状を憂いていて、その中で「一流の田舎」と「三流の田舎」という対比についても述べていた。その流れで出てきた、〈右に倣え、東京に倣え〉という形になっている都市が、三流の田舎であるはずなのに、日本の田舎像として認識されている現状や、一流の田舎は、東京との差異、隙間を生かしているという話には、強く共感させられた。

最後に、このセッションのまとめを〈「ものさし」「尺度」の持ち方を見直す、転換させていく〉としていた。
このまとめに触れるときに、登壇されていた高橋さんと増田さんとの接点になっているという話があり、【「頑張らない岩手宣言」を全国規模にアップデートしていく】という内容は、すごく興味深いものだった。

最後には質疑応答もあり、そこで気になった部分についても残しておく。「能登半島震災のボランティアとして活動したことで、文化がなくなってしまうことについて考えるようになった。そこで、文化とはどういう形で残していくのか?」という質問で、それ対する解答には、①文化は自然を生かしたものがだから、なくなっていくことも前提になっていること、②文化は遺伝情報以外の形で残っているもの、という解釈で、さらに、それらは残していくのか、残っていくのかという新たな問いも立てられていたこと、③種をどのようにして残していくのか。営みを通してなのか、アーカイブするのか、という手段の話、といった思考を深めてくれる要素があった。特に1つ目が衝撃的で、改めて文化を残す、後世に伝えることの意義について考えさせられた。そこから、いかなる方法で残すのではなく、残す意義をまずは伝えていくことが大事ではないかという仮説が生まれた。


テーマセッション「共助」

このセッションは、限界集落などの「自治体」がなくなっていきつつある現代匂いれ、どのようにして地域の人と連携をとって、消滅から助かるかが語られていた。
その中で、「ローカルコープ」のお話がとても興味深いものだったから、以下にまとめてみる。

「ローカルコープ」とは、登壇者の一人である光保謙治さんの紹介の中で出てきた月ヶ瀬地域での3つの取り組みのことである。
1つ目は、共助型買い物サービス「おたがいマーケット」である。各地域に1つは拠点が大抵ある、日本全体で24,000コの拠点がある、日本郵便の特色を生かした面白い取り組み。この、郵便局が地域の拠点になるという発想はすごく新しい気づきだった。
2つ目は、ゴミを再生資源にする「めぐるステーション」という取り組みである。みんなが再生可能なゴミを特定の場所へ持っていくことで、売却時に得る収益を地域経済のさらなる資金にしているとのこと。この取り組みには地域の人々に手触り感を提供するという側面もあるとのことで、これは双方向の地域活動につながっていると考える。さらには、手間暇を加えることで様々な資源・益を増やしているという話は、3/8の高橋博之さんの話につながっていると感じた。
3つ目は、自治会館をコミュニティの場所という色を取り戻す取り組みである。地域再生のために新しい何かを造るのではなく、今あるものを新しくするという視点は、持続可能性という側面でも重要だと考える。

さらに、この取り組みは自治体を「現在の」自治体として維持すべきか?を問うことや、DX化や規模の縮小化を通して自治のあり方を見直したことで生まれたものでもあるという話があった。そこでは、地域の人々がそのマーケットに集まってもらえることを同意の要項に盛り込んでいることで、外部が来て勝手にやっている取り組みではないことや、儲けは地域のプレイヤーさんに回す、還元するといった、地域の人たち主体で地域を回すガバナンスが必要であること、このトップダウン形式ではない形式での取り組みは、これからもっと重要であるのではないかと感じたことなど、たくさんの気づきを得られた。

また、【地域で生きる】ことについて触れられた話があり、すごく考えさせられる内容だったから、大きく2つの学びを記していく。
1つ目は、「生きる博物館」としてローカルを活性化させるというアプローチがあることである。このアプローチは、外部の人々を予備集めるトリガーにもなるし、内部の人々が主体的に取り組める場所になる、という話は、初めての気づきであったこともあり、何か自分の取り組みにも活用できるのではないかと考えた。
2つ目は、【現代は、生き残るためには、外部の人々を積極的に入れていかないと地域も回らなくなっていることを、その地域の人々も認識・自覚しつつある時代になった】という話である。そこでは、現代の保険のあり方は、過去の人々が地域内で取り組んできたことのスタイルが変わっただけだということや、「自治」や「敬う」という言葉の意味について定義することなど、「確かにッ!」って思わされることが多々あった。

あと、ちょっと話が逸れるが、このセッションには月ヶ瀬の郵便局局長も登壇されていたり、登壇者同士のコミュニケーションが活発であったりと、すごく温和な雰囲気でお話が進んでいた。

最後の質疑応答にて、質問内容は忘れてしまったが、家入一真さんのコメントに衝撃を受けたので、ここに残していた。
【まずは現状を知ることで、20-30年後を変えることができる。
農家として動いてみて、流れていく風景が、発見や気づき、学びという自分ごとできる情報になっている。】
このコメントから、「まずは行動してみること」の重要性を再確認させると同時に、自分がしている活動・アクションと向き合える機会になった。

5月の半ばに訪れた三千院での一枚。
(撮影者:自分)

テーマセッション「食」

ここでは、まず登壇者の一人である友廣裕一さんの取り組みで気になったことを残しておく。

友廣さんは、シーベジダブルという会社の共同代表で、海藻の食文化を普及しようと尽力している方で、彼の紹介の中で「海藻の食文化は、日本が世界の最先端を走っている」というお話が出てきた。沿岸部で生まれ育った自分からすると、かなり身近で当たり前のようにあったことが、すごく貴重なもので、価値のあるものであったことに驚かされた。特に強く衝撃を受けたのは、海藻は和食以外での食文化が見られないことからも分かるとおり、日本独自の食文化が進化したことで今にまで引き継がれているということである。

このセッションでも「関係人口」についても触れられていて、ここでは、街を復興させるという観点での話がメインになっていた。
その話の中では、〈地域×テクノロジー=持続可能性の価値〉という式や、「何もない街であってもできることがある」という熱意や姿を次世代の人たちに伝えるのが大人たちの仕事であるという考え方が出てきており、これらの発想はもっと広がってほしいし、まだまだ自分のできることがあることを気づかされた。

また、友廣さんは尾鷲郵便局との連携も行なっているというお話があって、尾鷲と関わりを持っている人を色んなケースで見てきたこともあって、そんな方が県外にも案外多いことにびっくりした。そこから、尾鷲は色んな地域活性化に取り組んでいる人が集まる非常に価値の高い地域なのかなと思った。

最後に、【適正価格で提供することの重要性】の話で触れられていた、すごく興味深い現状の潜在的課題について記していく。
その課題とは、【自分たちの価値を低く見積もってしまう】という日本人の性格や世論の空気である。その課題もあり、現状の日本では、安いものが消費の対象になっていて、うまく品質管理されていないという問題なども露骨になっていて、その結果、高品質なものは輸入品に頼るという消費活動になっていることや、国内のプロダクトの価値が上がっていないことなどが、この話では警鐘のように述べられていた。その流れで、適正価格の水準を挙げることも触れられていたが、心の中には一つの疑問が生まれた。
それは、「寺社仏閣の参拝料の適正価格ってどれくらいなのだろうか?」ということである。この話を聞くまで、色んな寺社仏閣を訪れることが好きな自分は、参拝料はタダの方がありがたいが、せめて500円ぐらいがいいと考えていた。でもそれではその寺社仏閣の価値を下げてしまっているのかなと思わされた。
よかったら、どれくらいがいいかコメントに書いてみて下さい。


クロージングセッション

このセッションでは、全体の流れの振り返りや、今後の郵便局の動きなどが紹介されていた。その中で、特に印象的だった話を3つ挙げる。

1つ目は、【「自尊心」の成長や養成には「他者の存在」がとても重要である】というまとめである。
また、これは自分が大学で学んでいることの中で出てきた、レヴィナスや鷲田清一の「他者」や「顔」の話に繋がると考える。
『〈ひと〉の現象学』という本で、説明されていたのが印象的だったので、サイトのリンク貼っておきます。

2つ目は、郵便局が持っている「毛細血管」のようなネットワークで、地域の隙間や社会の隙間を埋めていくという郵便局のミッションのような考え方です。
これは、社会課題や地域課題に目を向けて取り組んでいくことで、社会の隙間を埋めていく、という姿勢とも解釈できる。
下記のタブには、日本郵政としての取り組みが紹介されているので、良かったら訪れてみて下さい。

最後の3つ目は、郵便局の特性についての話である。ここでは、その特性を【とにかく多様性を持っていること】だと語っていた。
さらに、日々の生活や日常の流れが「宝物」であるという認識を持っていることや、郵便局には守れるセーフティネットという側面もあることが述べられていて、今までの郵便局に対する見方が変わり、郵便や金融以外の新たな社会的な関わりをいつかは持ってみたいなぁと思った。


エンディング

まずは、高橋さんの話を聞きに来た甲斐があったと言えるぐらい、いい内容の話を聞けたし、顔見知りの方との再会もできて嬉しかったし、と今回のイベントに参加できて本当に良かった。

今回の記事は、なかなか完成にまで時間がかかってしまったうえに、だいぶ文章量の多い、長いものになったから、読むのが大変なものになってしまったと思いますが、そのぶん、このイベントでの気づきや想いをたくさん込めました。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
良かったらスキ!等頂けたら幸いです。
オープニングでも触れた通り、この日(5月10日)には、自分の行動の幅を広げるのにいいきっかけとなったイベントがあったので、続編という形で記事を出していきます。なので、その記事が投稿できたら、その時も宜しくお願いします。

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