罪悪感と背徳感の狭間で
いつも昼食には菓子パンを2個食べている。菓子パンとは甘いパンのことである。
最近まで、パンを2個買うとしたら、1個は菓子パンにしても、もう1個は惣菜パンにしなければいけないという固定観念があった。
惣菜パンこそが食事であり、菓子パンはデザートないしおやつであるというような。
どうして、そんな固定観念を持っていたのかは分からない。親の教育の影響だろうか。
思い返せば、小さい頃からお昼ご飯にはしっかりとした食事を摂るように教えられてきた。
おかずとご飯、あるいはサンドイッチといったようなバランスの取れた食事が基本だった。
だから、パンを買うときも、惣菜パンを選ぶのは当然のことのように思っていた。
しかし、ある日ふと気づいた。自分が本当に食べたいのは甘い菓子パンだけで、惣菜パンは無理に選んでいたのではないかと。
その日から、菓子パンを2個買うようになった。
最初はやはり抵抗があった。菓子パンだけを買うことに対して、どこか罪悪感を感じていた。
食事としてのパンを買わないことに対して、どこか背徳感もあった。
だが、実際に菓子パンを2個食べてみると、満足感は予想以上だった。
甘いパンの幸福感に包まれながら、昼食を楽しむことができた。
固定観念に縛られず、自分の本当に食べたいものを選ぶことの大切さを実感した瞬間だった。
もちろん、バランスの取れた食事は大切だ。
しかし、時には自分の欲望に正直になることも必要だと思う。
罪悪感や背徳感を感じながらも、菓子パンを2個食べることの喜びは、何物にも代えがたいものだ。
これからも、自分の気持ちに素直に、時には固定観念を打ち破って、新しい選択をしていきたいと思う。