編集者に却下された僕の「モテ論」を聞いて欲しい(後半)
「あなたのSDTは何ですか?」と聞くと高い確率で「優しい人」という答えが返ってくる。その前に「SDTって何ですか?」と聞き返されるのだけど、もちろん、S(好きな)D(男性の)T(タイプ)の略である。ちなみに逆はSJT。注:J(女性)
モテ学における3Sを習得した男子が、実際に恋愛市場で戦って行く際に必要なのが3Gである。すなわち、「ジェントル・ギャップ・強引さ」の略である。
我が日本男子の決定的な弱点にまずジェントルマンシップがある。かねてから私はこの紳士たる心構えを義務教育に加えるべきだと主張しているのだがいまだに実現しない。コマとしては、小5~6あたり、女子だけが体育館に集められて生理の講座をしているあたりがよいだろう。私の記憶ではその時間、男子は教室でプロレスをして誰かが怪我をするというおちになっているからだ。
ジェントルマンシップを難しく考える必要はない。英国生活(1.5ヶ月間)のくせが抜けない私が言うのもなんだが、基本的に、これは極論すれば「ドア・イス・花」のことである。つまり、女性のためにドアを開け、椅子を引き、花をきちんと持っていくことである。当然ながら一般男子にとっては花などというしろものは、路傍の石ころにすぎないが、女子にとって花は金塊ほどの価値を持つ(違う?)。いずれにせよ恋愛市場において花束5000円の投資リターンは、かのウォーレンバフェットさえもをはるかにしのぐことだけは断言できよう。
ちなみに、一人っ子政策の結果、恋愛過当競争となっている上海では、たとえ友人であっても女性と会うときには花を持参するそうである。
次のG、ギャップというのは、意外性そのもののことであるが、そもそも恋の本質は謎解きであり、それはすなわち相手の内に秘められた差(ギャップ)を紐解く過程にほかならない。そういう意味で、2つ目のGがギャップというのは当たり前ともいえる。恋という
甘い果実を産み落とす典型的なギャップには、脱いだら意外と筋肉質、いつも気弱そうな彼が店員の粗相に対し毅然とした態度をとる、普段は役立ちそうもない男子が災害時に機敏かつ的確な判断をする、こわもての彼氏がメガネをはずすとつぶらな瞳が可愛い、いつ
もシャツとジーンズで出社してくる同僚が大事なプレゼンの日にスマートなスーツで決めてきた、愛想のない部長だが休日出勤の時、子供を連れてきて優しいパパの姿を見せた、など本当にきりがない。さあ、今日からあなたもギャップを作り出そう!色白なあなたは
アフリカへ行け。色黒の君は囲碁かフルートを始めるといい。
最後のG、強引さは、もっとも難しい概念である。女性とは、一言でいうならば、「王子様に連れ去られたいお姫様」であり、お姫様であるがゆえに男子は紳士でなければならず、かつ、女性は「連れ去られる」という受動的行動を必要とする存在なのだ。女子の求め
る強引さについて参考になるのは、月9でのキムタク(なぜかキムタクはどんなドラマでも同じキャラである)、映画「偏見とプライド」でのヒューグラントである(そういえば彼もいつも同じだ!)
さて、基本の3S、応用の3Gと述べてきたが、物事にはまだまだ上があるのは言うまでもない。剣を極めた武蔵が活人剣に到達したがごとく、モテ論を極めてゆけばいずれあなた(男子ね)にとってSJTは、SDTへと逆転するかもしれない。それもまた人生の醍醐味といえよう。(続く?)
追記 この文章はすべてフィクションであり、私を含むすべて実在の人物とは関係ありません。