#19 お金について意識するべき10の習慣
「新しい時代のお金の教科書」が1話無料で読めるマガジン。前回は「信用主義経済に到達するためには、あなたや私が人間以上の存在になる必要がある。」という話でした。
今回は、21世紀の方程式とその具体的な実践方法を見ていきます。編集後記は「いちファンだった女子大生が、編集チームに入るまで」について。
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私達はお金とどう付き合っていけばいいのだろうか
さて本書はこれまでお金について体系的に語ってきました。みなさんはもうお気づきかもしれませんが、今後はお金単体を稼ごうとするのではなく、その裏にある本質、つまるところ信用に着目し、時間主義経済、記帳主義経済、信用主義経済など様々な形で変化する経済社会を生き抜いてゆく必要があります。
ここからは、「お金」の周辺で通貨になりうる存在、時間や、信用、知識、ネットワークなどについて整理し、本書の最後にお金について身に付けたい習慣をご紹介します。
まずは21世紀の生き方の方程式について説明します。図をご覧ください。「信用」を中心に構成される21世紀の生き方の方程式は、健康を前提とした時間資源を、ネットワーク・知識・信用の形成へと振り分け、「コト(つながり・物語)」を中心とした財を形成し、創造(貢献)へとつなげることで形成されてゆきます。
もう少し説明しましょう。
まず資源として投入するものの中心は健康(余裕)です。健康が時間を生み、時間が知識と信用、ネットワークを作ります。それを通して、財ができ財を継続的に生み出すしくみ、すなわち事業が創造されます。事業は可視化されたエネルギーであるお金を生みます。お金は予防医学や先端医療、食材や良好な人間関係という形で健康の資源となります。健康はミッション/パッションを生み、それは継続的な価値を産み出す仕組みである事業の源泉です。
私達の投資や意識の中心はまず健康に向かうことになります。健康についてはこれまで医学部に行くかTV番組かという極端な二者択一しかありませんでしたが、普通の人が健康への正しい知識を持つ機会がもっと増えてくるはずです。
お金について意識するべき10の習慣
さて最後になりました。
お金についての10の習慣を述べて本書を締めくくりたいと思います。
1、購買意思決定の「1,2,3ルール」を意識しよう。
「1」は、一度に買うのはたった一つであり、「2」は、購入判断は1回目でせず2回目以降にして、冷静に考察する時間を作る、「3」は、3つ以上のものを「比較」せよ、というルールです。この「1,2,3ルール」を遵守するとまず無駄な出費が減ります。
2、Don’t make money, Create Credit(カネを稼ぐより、信用を創る。)
お金とは、信用を数値化したものに過ぎない。お金を稼ぐことでなく、信用を創ることに注力しましょう。
3、お金にうまく色をつけよう。
お金自身はニュートラルな存在であり、お金に色をつけるのは常に人間です。みなさんはお金について親や親戚から、または学校でいろいろなことを教えられ、価値観を植え付けられてきたかもしれません。まずはそれを忘れましょう。お金はニュートラルなエネルギーにすぎません。お金についての先入観を捨て、うまく色をつけましょう。
4、お金以外のコミュニケーションツールを使おう。
お金は便利な道具です。しかし同じ道具ばかり使っていると心身のバランスも社会的なバランスも取れなくなってしまいます。お金以外のコミュニケーションツール、つまり言語・共感/想いやり・価値観を使いましょう。
5、お金をうまく流せるようにしよう。
お金の流れに気を配り、ペイフォワード(社会・将来へお金を渡すこと)をしましょう。お金は稼ぐは才覚、使うは品格と言います。お金を使うのは難しいものです。大きなお金を使うには構想力と行動力、その前提となる好奇心の三つが必要となります。また、いくらお金を使っても他人はある程度までしか動かせません。最後はその人の品性によります。
6、いくらお金を持っているか? ではなく、誰とつきあっているかを意識しよう。
いくら持っているかよりも、どう在るか、何をするか、の方がより重要になる時代です。自分の矜持・才能・価値観を明確に意識し、そのコンセプトを外見・主張・行動と一貫させましょう。
7、お金でお金を増やすことはやめよう。
お金はアミノ酸と同様、それ単体では存在しえません。「想い」や行動と結びついた時に価値を生じます。お金単体を増やすことを考えず、それを価値創造の一要素として扱いましょう。
8、価値を生み出し貢献してゆくギバーとして生きよう。
仕事とは才能を貢献に変換する作業です。自分の個性を再発見し、「才能」と「貢献」に焦点を当て続けていきましょう。
9、価値の方程式を意識して信用を積み上げよう。
価値=( 専門性+ 確実性+ 親和性)/ 利己心であり、言い換えれば「誠実さ(integrity)」「コミットメント」「力量(スキル)」「成果」の4つの要素から生まれます。
10、時間を意識しよう。
時間は21世紀のもっとも大切な資源です。自らの時間単価を上げるのは当然ながら人生の総時間を増やすためにも健康への知識と意識を高めていきましょう。
(本文:山口揚平)
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<編集後記>
今回のメッセージは「21世紀の生き方の方程式は、健康から生まれた時間を、ネットワーク・知識・信用の形成へと振り分け、「コト」を中心とした財を形成し、創造へとつなげることで形成される。」でした。
今回もここまでお読みいただきありがとうございます!本書も今回が最後です。
編集秘話では「いちファンだった女子大生が、編集チームに入るまで。」についてお話しします。
「ライターになりたい。本の編集がしたい。」同じ夢を持つ人たちの中でも、いろんなタイプが居ます。その人たちの中では、大学生で著者の会社でのインターン生というちょっと異質な関わり方ですから、何の参考にもならないかもしれないけど、この本ができるまでの私視点の物語をちょっとだけ綴ってみます。
山口揚平について初めて知ったのは、2016年の夏ごろ。WEBの対談記事でした。
ふと気になって、「10年後世界が壊れても、君が生き残るために今、身につけるべきこと 答えのない不安を自信に変える賢者の方法」を読み「具体と抽象の幅が半端じゃない…!どんな経験と思考をすれば、こんな風になるんだろう?」と感動したことがきっかけでした。
「社会に構造的な変化をもたらすリーダーたちを支えるために、自分の能力と時間を使いたいな。」と思っていた私は、山口の体系立った一貫性のある思索に感動し「力をつけて、絶対いつか一緒に仕事をしたい…!」と思ったのでした。
「一緒に働くためには、まずはどんなことを普段考えているのか知らなくちゃ。」と山口のあらゆる本や原稿を読み、ときに写生したりしながら、この人が何を大切にし、どんなキャリアを経て、何を考え、これから何を創ろうとしているのか、知ろうとする日々が続きました。
そうして何かのタイミングで「きっとお返事はないだろうけど、本の感想を送ってみよう。」と思い立ち、facebookで山口を検索してメッセージを送ったのでした。
山口さんの本を読んで感動しました。あらゆる物事の本質が体系立っていて、論理的なのにどこか優しい本に出会えて、本当に嬉しいです。(みたいな内容だったような…。)
当たり前ですが返信もなく数ヶ月が経った後。唐突に「ありがとうございます。」とお返事が返ってきて。
嬉しくなった私は勢いで「いつか、一緒にお仕事をさせていだける日がくればいいなと思っています。」と返したところ
僕のやっている会社は今アソシエイトを募集しています。働けますよ。
と返ってきて、とてもびっくりしたのを覚えています。
そこから数ヶ月後には、京都でやっていたことすべて置いて(そして休学して…笑)、東京に向かいました。
何もできない状態だったので、打ち合わせの議事録、コンサルティング案件のリサーチやWEB連載の記事の作成などを何から何までやりました。
この頃は本の編集などは全く意図していなかったのですが、山口に同行するうちに、山口の特性がぼんやりと見えてきたのです。
「山口が持つ有機化する思考力は、大切な誰かとの出会いや経験がなくては活かされない。山口を必要とする友人が居て、初めてアウトプットがある。そしてそのアウトプットは大切な友人の方たちへのあたたかい気持ちが、いつも流れている。」
山口が綴る文章や、言葉、提案書に、誰かへの敬意と愛情が現れていました。(「なんて純粋な気持ちなんだろう」と涙が溢れてくるほどでした。)
それと同時に、直接的に人と関わり、伝えることが苦手なようにも見えていて「山口の誰かに対するあたたかい気持ちは、10のうち5、くらいしか伝わっていないのではないか。」とも思い始めていました。
「山口が尊敬している(そして大半の方が日本を牽引していらっしゃる…)友人のみなさんとその周りにいらっしゃるみなさんに向けて、書かなければ。その知は、多くの人にとっても有用だ。」と、何にも能力がないままで、山口が本を出すサポートをしようと決めたのでした。
そこから、出版チームに入れてもらい執筆が始まりました。講演の文字起こしを行い、文脈を補足して…山口とともに、章立てを組み直し、メインになる図を作り、修正したり加筆したりしながら進めていきました。そうしてできたのが「新しい時代のお金の教科書」です。
もっと、後半の部分を詳細に書けたら。装丁や出す時期などをもう考えられたら。プロモーションも、もう少しサポートできたら。
など、反省するところ、改善したいところなどはたくさんありますが、まずは出版するところまでこぎつけられて、本当によかったなと思います。
山口の天才性は、「世の中のあらゆる動きにつながりと物語を見出して、それを広く伝えていくこと」。これからも、山口の知をあらゆる形で還元していけるよう、私もそして弊社も力をつけていきたいなと思います。
これからの山口にも、ご期待ください。
ここまで読んでくださった皆さま、本当にありがとうございます^^。noteでの連載は初めてだったので、いろいろとわからないなりに進めてきましたが、購入してくださるみなさまや読んでくださるみなさまの反応が励みになりました。
これからも、私と一緒に山口の思考に期待し(時に意見し)応援してくださるととても嬉しいです。
(編集後記:大西芽衣|BMP広報部)
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