【ショートショート】 『リベンジトリートメント』
平成も景気の良い頃、日本橋にあった美容室『江ノ島』にはカリスマ美容師オサムがいました。彼は田舎者には安い悪質なトリートメントを売り、不当な利益を得ていました。
結婚式をひかえた里美がこのマガイモノを購入。そのために婚礼当日、二次会のビヤガーデンでにわか雨が降った際に、彼女の髪は散りぢりになってしまいます。恥ずかしさから里美は自殺し、母親はオサムを呪いました。
すると『江ノ島』の従業員が次々と不幸に見舞われ、やがてオサムも呪いにかかり…
三遊亭圓朝作『鏡ヶ池操松影』「江島屋騒動」として知られる噺を自然対数乃亭吟遊が改作いたしました『リベンジトリートメント』の一席、これを以て読み終わりと…
え? どんな災厄があったか詳しく言えって?
はあ。じゃあ言いますけど、『江ノ島』の従業員はパーマ液アレルギーに、オサム自身はなんと、くせ毛になったという。げにおそろし…
…え? 怖くない?
いやあ。怖いでしょ。