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種蒔き
小さい頃から本を読むことが楽しみで、今に至ります。
私に昼寝をさせたかった母が、読んでくれたことがきっかけです。
自身も子育てしてみて思いました。
・・・お母さん、ごめん
私、全然寝なかったね。
むしろ
もっと読んで!を連発したね。
「 次これ読んで! 」 と言って
誰かが置いていった分厚いコミック誌
嬉しそうに持ってきた時はゾッとしたよね。
そのうち、字が読めるようになって
家にある本をどんどん読みはじめました。
手当たり次第、といっていいでしょう。
私は末っ子でしたが
兄2人のために揃えられていた図鑑、絵本、読み物、こども向けの雑誌、
マンガ… などが縁側の近くの本棚にありました。
そして
居間には文学全集、画集なんかもあったので
読めるものがなくなった時には、画集をめくっていました。
本をひたすら読めたあのとき、
わたしにはたくさん時間があったのか
時間を忘れるほど読むことに没頭していたのか
いずれにせよ
至福の時間を過ごせていました
時間の流れがゆっくりとしていました。
だんだんと
読書に時間を注げなくなり
それでも
本を読むことをやめないのは
ページを開くと
時間の流れが変わるから
幸せなあの頃に戻れるから
だと思います。
母が蒔いてくれた種
芽を出し花開き
いつか一人でもいい、誰かを笑顔にできたらなぁ。