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@CaféVermeer 喫茶ベルメにて

喫茶ベルメの隅で、いつものようにアキラの話に二人が頷いているのが見えた。
「だから大学院だと思って、あと五年だけバンド続けてみようや。死ぬつもりで」
二人は相槌を打つ。

生ぬるい救急車の音が通り過ぎた。

「僕に異存はない」アキラの隣で僕が言う。
三人の視線が僕を素通りしていく。

アキラは怪訝な目で二人の顔を見た。
「おまえら今、何か言ったか?」
二人は同時に首を横に振った。

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