見出し画像

「得意料理は?」に対する最適解

書くことを続けるために、毎日、原稿用紙7枚分の文章を書こうと決めた。題して、「2800」第5弾。
サムネの画像は、夫の日課、日めくりカレンダーにイラストを書いたものから日々拝借。

たわいもない雑談のなかでもたまに聞かれることのある質問、「え、じゃあ得意料理なに?」、はい来ました。どきーっとなります。皆さん、なんて答えていますか。

私はいつもとっさに料理名が浮かばずに、そもそもあの料理を作ろう!と思って料理をすることがなかなか無いものでして、「えっと、まあ、冷蔵庫の余りもので、名も無き料理を、、、」と最後のほうは消えかかった声で答えます。すると「うわ、いちばん料理できる人の回答じゃん」などと言われてしまって、ちがう、ちがう、それをアピールしたいわけじゃないのに、「いや、そんなことなくて、、」なんて謙遜したら、もうその言葉を待ってました!みたいな雰囲気が出てしまっているような気がしてきて、焦り、家に帰って、う、うわーーーと言いたくなるようなことがこれまでに幾度となくございました。

どうにかして、料理できますよアピールをプンプンに匂わせる事はなく、とはいえ料理は意外にもする方ですので、それをそれとなく相手に伝えることはできないでしょうか。ここで考えてみましょう。

「グラタン」
これはさすがに、あざとくないですか?もうまるで、エプロンをかけて玄関の前でその相手を出迎えているじゃないですか。「ハンバーグ」「生姜焼き」「肉じゃが」あたりも同様です。なんか、なんか、嫌です。性格の悪い私は、ほんとに料理してるのかと、勘繰ってしまいそうなほどです、すみません。そうじゃない回答が、私は聞きたいんです。

「カレー」
これはちょっと好きです。意外にもこだわりなどに個性が出ますので、会話が膨らみそうです。隠し味はチョコなんだよね、チキンはヨーグルトに漬け込むと柔らかくなるの、なんて、私も次は言ってみようと思います。なんだかちょっと鼻につきますね。好きな料理に「カレー」と答える男性が私はなんだか好きです。だからきっと、この会話が弾む人は、気が合いそうな気もしますので、とてもいい線をいっている気がしてきました。

「炊き込みご飯」
んあー!結構いいかもしれません。私は好きです。ええ、なんの具材入れるの?どんな配分で作ったら美味しい?などと聞きながら、もう食べたい。前述の料理に比べ、特別食べたい!と強く願うことはないけれど、食卓に出てきたら絶対にテンションが上がります。こちらから要望しなくてもそれが食卓に出てくることを想像したら、もう一撃です。あれれ私、何目線なんでしょうね、一体。

私の得意料理は、実は、考えてみたのですが、「カボチャスープ」です。どうですか、あざといですか。でも炊き込みご飯と同じように、「カボチャスープ作ってほしい」とはなかなか言わないかもしれないけれど、食卓に出てきたらちょっと「おー!今日は豪華だな」と思ってしまいませんか?しかも、実は、作るのがとってもとっても簡単。今年の冬はもうすでに4度ほど作りました。あ、それとなく料理してますよをチラつかせるつもりが、堂々とアピールしてしまいました。ハズカシイ。

しかしよく考えますと、カボチャスープから会話は広がるのでしょうか。ノリのいい人が「ハロウィンか!」なんて言って笑ってくれたらいいのですが、たいていの場合、「カボチャスープ…?」となりますよね、きっと。さらに相手によっては、(用意してる答えだなコレ…)とも思われかねませんよね、しかも。それはまずいです。うわーとなるやつです。

答えが出ませんでしたので、試しに夫に「得意料理なーに?」と聞いてみました。

「ホットケーキ」


えっ、えっ、かわいい、、、、
料理できるアピールは出来ないかもしれないけれど、なんか、なんかかわいいですよね、女の子が「ホットケーキ」って言っているのとてもよくないですか、ポイントは「パンケーキ」ではなくて「ホットケーキ」です。「ホットケーキ」であることで、なぜか、家庭的なイメージが湧きますよね。

しかもツッコミどころ満載。
「それ料理に入る?」
「休みの日とかテンションあがるじゃん、作ったら」
た、たしかに。なんかいい。
自分をしっかり持っている感じもしますので、なんだか好感が持てます。

そう言いながら夫は今朝、お餅入りのホットケーキを作ってくれました。正月に余った餅を消費する方法を探していて、レシピにたどり着きました。ホットケーキに餅を入れると、その名のとおりモッチモチになりまして、冷めても美味しいのです、とても。重力に逆らう力がありますので、分厚いホットケーキもなんのその。ビジュアルも爆発、というわけですね。

「お餅をまぜるといいんだよー」
なんて豆知識を添えて、「もち?!」「お餅はなにで食べるのが好き?」なんて会話が膨らみそうです。

とてもいい回答が見つかりました。
あざとすぎませんが、程よくかわいい「ホットケーキ」。
これからこの回答を積極的に使っていこうと思います。ほんとは「カボチャスープ」だよ、なんて思いながら。必殺技は実践にとっておきましょう、なんてね。

先日、珈琲館にチョコたっぷりのホットケーキを食べに行きました。想像以上にチョコたっぷりで、頭にずこーんとくるような甘さが久しぶりで、とってもとっても大満足、その日は一日大変ご機嫌に過ごしました。ムカムカした日はぜひ、珈琲館の「とろける濃厚チョコソースのホットケーキ」を。この時代に「パンケーキ」じゃなくて、「ホットケーキ」を続けているところに、なんだか好感が持てます。

ほんとはグラタンも、ハンバーグも、生姜焼きも、肉じゃがも、「みなみの得意料理だよねー」と夫に言ってもらえるように、今年はもっとたくさん料理したい。来週は引っ越し。キッチンが広くなるのでお皿にもこだわりたい。名前がある料理にも臆することなくチャレンジしたいものです。

「ぶり大根」「ロールキャベツ」「きんぴら」なんて、「まあ簡単なものしか作らないけどね」なんて頭につけて言ってみたいものです。

そうそう、私たち夫婦は、挑戦心だけはありますので、昨年のクリスマスはピザを5枚も作りました。具材モリモリやりたい放題のクリスマス、とても楽しかったです。7年目にもなりますと、クリスマスのネタも切れてきそうです。

「私が作れるようになったらすごいなって思う料理ある?」と聞いてみると「パエリア」とのことでしたので、今年も果敢にチャレンジしていこうと思います。カラフルなごはんっていいよね。私は目から幸せを感じるタイプですので、見た目にもこだわって、カフェみたいな料理を作れるようになりたいなぁーと思います。

「得意料理なに?」を探す旅はまだまだ続きそう。
小さい頃、「お母さんの好きな手料理はなに?」と聞かれて「焼きうどん!」と答えた話を母にしたら、「もっとオシャレなの言いなさいよ!」と言われたのを思い出しました。たしかに、今なら、なんか分かるかもな、その気持ち。私のカボチャスープは母直伝。今は得意料理になりました。おわり。2800字ぴったり!

いいなと思ったら応援しよう!

深瀬みなみ
よろしければ応援お願いします。後悔させないように、これからも頑張ります!

この記事が参加している募集