見出し画像

専門調査員の給料事情

 専門調査員を視野に入れている人向けに、給与事情について具体的に紹介しますね。 

前提条件・概要

本題に入る前の前提条件ですが、アフリカ某国在住、配偶者と同居です。地域によって給料や手当にかなり差が出ますので、あくまでアフリカだったら大体こんなかんじという風で読み進めて欲しいです。
 
給与事情をまず要点から述べますと、家賃補助+配偶者手当を含み、額面は100-110万程度となります。この金額から11%程度税金が引かれ、手取りは95-100万程度です。家賃を支払った後の正味手取りは55-60万円程度となります。
 
専門調査員の応募条件は、①(原則)修士号②語学力の2つのみで、業務経験は必要ないです。このことを考慮すると、かなりいい条件であるように思います。また、家賃補助と低い税金控除額により、可処分所得は会社員時代の1.5倍になりました。

細かい話…
 

下のスライドを見ながら読み進めてもらうと理解しやすいかと思います。 

毎月自分の銀行口座に振り込まれる給料ですが、主に家賃手当、配偶者手当、国内+在外報酬の3種類に分けられます。

まず、家賃手当に関しては、国によって上限額(単位はドル)が決まっていて、家賃がその上限以下であれば全額補助となります。逆に、家賃が上限を超えてしまった場合は、上限を超えた額は自腹となります。僕の場合は月額35万円程度もらっており、アフリカなら基本3LDK、場合によっては共用のプールやジムが付きます。都内のタワマン位の価格ですが、幻想を抱いてはいけません…。値段に品質が見合っていないため、水漏れや停電は日常茶飯事です…(そして施工が甘いため、扉はちゃんと閉まらない)。
 
配偶者手当に関しては、誰か家族が一緒に暮らす場合にのみもらえます。
 
そして基本給ですが、国内報酬と在外報酬に分けられるます。国内報酬はどの国の専門調査員として赴任しても一緒であり、大体16万円程度と非常に少ないです。一方、在外報酬は国によって大きく異なり、アフリカの場合だったら大体30-50万円程度ですかね。僕の場合は約40万円程度でした。
 
家賃手当+配偶者手当+基本給(国内+在外報酬)が毎月口座に入る金額であり、僕の場合は約100万円程度でした。
 
ただし、悲しいことに、払うべきお金というものが存在します。

図の真ん中で示している通り、まずは家賃を支払う必要がます。家賃は全額もらっていますが、為替の手続き上どうしても中間手数料を支払う必要があるので、スライドには記載していないものの、毎月1万円程度余分に支払っています。この段階で100万円から家賃分35万円が差し引かれ65万円残ります。

 そして、税金も当然払います。日本で働く場合と違って住民税は払う必要がないため、健康保険料と年金を支払う必要があります。大体、額面の10%が自動で差し引かれますので、65万円から税金10万円分マイナスとなり、手元に残るお金は55万円です。 

最後に、簡略化のためにスライドには記載していませんが、ボーナスが年2回合計50万円程度発生します。なお、残業代は当然全額支給されます。

類似職種との比較 

専門調査員は、国際協力におけるエントリーレベルの職種(駐在に限る)と比べると比較的高給であると言えるでしょう。個人的なイメージとしてはこんな感じです。

JICA企画調査員>JPO(P2レベル)>大使館 経済協力調整員>専門調査員>>草の根委職員=UNV>NGO駐在員>青年海外協力隊

まとめ

個人的な考え方として、国際協力を仕事にするとはいえ、ある程度職能に応じた給料をもらうべきは思います(したがって素晴らしい活動をしているNGO職員の給料事情が何とかなってほしい)。僕のような考え方や価値観を持っている人にとって、専門調査員は一つの選択肢になりうるかと思います。ぜひマガジンの他の記事もご覧あれ。