#022 『何があろうとも僕はアフリカの民主化を支持する』|ベッシー・ヘッドの言葉|Novel
1960年代のボツワナの農村。
農業開発のために英国からやってきた白人青年ギルバートの政治観は稚拙で、事実と結果にしか興味がない。熱い思いを持ったギルバートは、当時のアフリカの民主主義運動に疑問を抱く。民主主義は、それなりに発展した国のものであり、アフリカに必要なのは人々に衣食住を与える独裁政権だとまで言ってしまう。
南アフリカから亡命してきた元ジャーナリストのマカヤは、いつも無口で穏やかだったが、この時だけは敵意むき出しの表情でゆっくりこう語る。
アパルトヘイトを生きてきた彼にとって、このシンプルな言葉がどれほど深い意味を持つのか、わずか数行だけで強烈に表現されているシーンである。
この南アフリカの青年マカヤは、同じく元ジャーナリストでボツワナに亡命してきたベッシー・ヘッドそのものでもある。この作品には、そのような強烈な思いがちりばめられている。
作家ベッシー・ヘッドについてはこちらのマガジンをご参照
メインブログ『あふりかくじらの自由時間』
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