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「水の都の護神 ラティアスとラティオス」について語りたい 前編


こんにちは。afです。

以前からこの記事を書きたい!と考えていたのですがなかなか踏み切れず時間も取れずで今頃になって着手しました。

早速ですが本記事ではタイトルにもある通り


「水の都の護神ラティアスとラティオス」


について語って行きたいと思います。

あらかじめご了承していただきたい点が2点あります。

・この文章は筆者が映画を見ながら書きなぐっているということ。

・DVDではなく以前放映されていた「推しポケモン映画ナンバーワンはキミにきめた!」を見ながら書いているということ。

2点目に関しては、もしかしたらカット部分があり本作にしっかりと言及できない可能性があるということです。抜け落ちている点がありましたら申し訳ありません。


この記事をオーディオコメンタリー感覚で実際に映画を見ながら見ていただけたら幸いです。それではさっそく見て行きましょう…とその前に、本作の基本情報をおさらいしておきましょう。


2002年、遡ること18年前です。当時の私はまだクソガキでしたが映画館に見に行った時のことは覚えています。あの日覚えた感動は今でも私を突き動かす原動力となっています。本作の情報はなんとなく頭に入ったのではないでしょうか?では今度こそ映画を見て行きましょう。



アバンタイトル


石塚運昇さんのナレーションとともにポケットモンスターの世界が紹介されるこのアバン、私めちゃくちゃ………好きなんですよ。

ワクワクしませんか?ポケモンの世界があってそこに住む少年サトシがいて…そしてこれから非日常が始まる、たまらんのですよ。これ以降の映画でこう行ったアバンが見れなくなってしまうんですがポケモン映画の開幕はこれでしょ!と私は心の底から思っています。


アルトマーレの伝説


物語を読み解く上で重要なおとぎ話です。このシーンの絵のタッチ、切り絵っぽくていいですよね。おそらくリオンが読んでいる本の挿絵かなんかなんでしょう。

このおとぎ話に登場するラティオス、ラティアスが本作で登場する兄妹の先祖です。そしてここに登場するおじいさん、おばあさんもまた、ボンゴレ、カノンの先祖ですね。

二つの一族は太古より深い関わりがあった、ということです。

邪悪な怪物が抽象的な表現で、その実態がなんなのかは分かりません。悪魔やらモンスター的な何かなのでしょうか?アルトマーレのモデルとなったヴェネツィアは幾度となく他国から襲撃を受けていた歴史があります。それは人によるものですが、

邪悪な怪物という表現は人間という存在、「悪しき心を持った者」の隠喩なのかもしれません。

その後街に邪悪な怪物が現れることはなくなった=「こころしずく」という武器?を手に入れたことで結果的に敵なしとなった、とも考えられます。後に邪悪な怪物とも取れる二人組が街を襲うわけですけど


ここで流れるbgmは「伝説(アルトマーレ)」という曲なのですが、これを何倍速かにすると「ラティアスとラティオスのテーマ」になる……!…と思ったんですがそうでもない。エンディングの「ひとりぼっちじゃない」に近くなります。作曲は共にcobaさんです。


ザンナーとリオンが初登場します。姉妹で性格の違いがはっきりと見て取れますね。ザンナーは宝石等、美しい物にしか目が無い、対してリオンはもっとこう…テクノロジー的な深い部分に興味がおありのようです。というかリオンめっちゃ賢いよね。車の改造も自分でやったのかな… 

この姉妹の目論見があんな大事件を起こすだなんてこの時は視聴者も思ってなかっただろうし、彼女らにとっても想定外だったと思いますが…


オープニング〜水上レース


タイトル時の曲毎年違うんですが本作ではちょっと神話っぽいような厳かなテイストですね。作品ごとに特徴があるので注意して聴いてみると面白いです。

アルトマーレの水上レース、物語のモデルになったヴェネツィアでも似たようなものが実際にあるらしく、「レガッタ・ストリーカ」というボートレースだそうです。

本作ではそれを水ポケモンを用いたレースに置き換えています。水上サーフィンみたいで楽しそうですよね。このレースも後に鍵になってきます。

サトシの掛け声とともにレーススタート、同時にオープニングテーマが流れます。OPの「めざせポケモンマスター2002」は本作の劇伴の多くを手がけるアコーディオニストcobaさんによる編曲です。オシャレですね。爽やかで初夏の風を感じるような、物語の始まりにはぴったりの曲です。

そしてこのレースシーンのカメラワーク。めっちゃ動く。本作ではこういった3D表現が随所で見れます。

ラティアス、ラティオスがここで初登場します。彼らはガラスのような体毛を屈折させることで姿を隠すことができます…が特殊な装置を用いて熱を感知してしまえば一発でバレます。普通そんなことしないけど。

また本作の描写から分かるように、ポケモンや赤ちゃんには存在が感知できるようです。(心が汚れてしまった私たち大人には見えないのです。)


忘れていましたが水上レースに参加していた昨年の優勝者ことロッシさん。毎年ポケモン映画で声優を務めている山寺宏一さんが演じています。彼はこの街に住むゴンドラ乗り、つまりゴンドリエーレみたいですね。優勝したカスミ含む一行をゴンドラに乗せてくれます。イケメンだなあ。

何気に彼のポケモンであるホエルコ先行登場ですかね?…と思ったけど前作である「セレビィ時を超えた遭遇」の同時上映作品「ピカチュウのドキドキかくれんぼ」で既に登場していました。


クレープ店へ、謎の少女との出会い


カスミが優勝商品で手に入れたアルトマーレグラスのメダル、これもやはりモデルとなったヴェネツィアで有名なヴェネツィアングラスが元ネタと思われます。このメダルめちゃくちゃいいですよね…プラスチックのチャチなやつでよかったので商品化して欲しかったなあ

ラティアスとラティオスの像の柱もヴェネツィアに似たようなものがあります。ヴェネツィアでは翼の生えた獅子が柱の上にあります。この有翼の獅子はヴェネツィアの旗や紋章、街のいたるところで見れるそうです。ラティラティ同様街のシンボルというわけですね。

怪盗姉妹のハイテクメカが登場です。あんなドリルみたいなプロペラでどうやって飛んでるのか謎だしそもそもどっから仕入れたのかそれとも開発したのか…(リオンなら案外作れてしまいそうですが)このメカも重要な要素になります。

サトシはクレープ店へ駆け出すあまり、うっかり相棒を置き去りにします。相棒は水を所望していたようですがそこに気づかないサトシ少年。そこに手を差し伸べたのは「謎の少女」でした。

…正体はラティアスなんですけども。サトシも偉いですね、クレープよりも相棒を優先して駆けつけてきました。ラティアス、サトシに興味津々ですね。年頃の男の子ってそんなに珍しいんでしょうか。あと顔が近い。そしてサトシも大して動じない。普通に考えたらこの美少女がポケモンだなんて思いませんよね。


この場面でのbgmは「謎の少女(迷宮)」です。いわゆる謎の少女シリーズの序曲?ですね。この曲から「謎の少女、再び(迷宮)」「カノン」へと続いていきます。作曲はcobaさんでこのシリーズのモデルらしき曲があります。「花市場」という曲です。よく似ています。cobaさんについてはまた後で語ります。


謎の少女を救いに…


リオンの「女の子に化けてるってことは〜」という発言から察するに、ラティアスだけでなくラティオスも変身できる可能性が窺えます。

とはいえ劇中でラティオスが変身して違和感なさそうなキャラ…いる?ボンゴレ?というか変身する必要を感じていないのかもしれないですね。ラティアスはまだ幼く好奇心旺盛ですし、年頃の女の子に化けて街をお散歩したいのかもしれないですね。(物語上ラティアスのみ変身してた方が面白いですし)

ラティアスの危機をピカチュウが察します。サトシも追いかけます。ここでちゃんと蛇口を捻って水を止める描写が細かくていいですね。

ここでサトシがラティアスを助けに入り、同時に怪盗姉妹を怒らせたことで、結果的には秘密の庭の場所が特定されます。しかし、状況的に助けがなかった場合強引にでも場所を吐かされていた、もしくは拘束されていた可能性があるのでここでのサトシくんの行動は正しかったのでしょう。

サトシはラティアスの手を引いて路地裏へと逃げ出します。街の迷路のような構造のおかげで撒くことに成功しますが、同時に道に迷います。ヴェネツィアの迷路のような路地の特徴を自然に物語に取り入れていていいですね。ここで今度は私の番と言わんばかりにラティアスがサトシの手を引いて駆け出します。劇中にはこういった対比が度々登場しますがこのシーンはその一つです。

サトシの「どこ行っちゃったんだろ…」からカットが変わり広場前の像がアップで映ります。これラティアスの像なんですよね。あとさりげなくこのカットが切り替わるところで流れるこのbgm、なんとサントラ集に未収録なんです、なぜだ。


大聖堂へ


大聖堂に到着する御一行。早速メカにマークされてます。この大聖堂にもモデルがあり、ヴェネツィアにはサンマルコ大聖堂があります。

さらっとボンゴレさんが登場しますが、彼は前述した通りおとぎ話の老夫婦の一族の末裔であり秘密の庭の管理人、ゴンドラの修理職人で大聖堂のガイドもやってます。色々やりすぎですね。ガイドを務めているのは末裔である故古代装置の管理もしているからでしょう。エンディングでも装置の修理の指揮をしています。中の人はあのグッチ裕三さんです。

大聖堂のステンドグラス、よく見たらおとぎ話の絵が元になってますね。街ではあの話が浸透してるのでしょうか。タケシは何も感じていないようですが。

聖堂と太陽の塔はラティ一族への感謝の意を込めて建造されたようです。

ただし、装置に関しては平和のためとボンゴレは語っています。平和のため、と語っていますがそれに伴うリスクがあることに関しては触れていません。使い方も分かっていないと言っていますがもちろん嘘でしょうね。街の歴史における闇の部分には触れない、知られないよう徹底しているのでしょう。

聖堂は何度か改装工事があったと言われていますが装置は初めから街の一番目立つ場所にあったようです。このことからまず装置が建造され、後にそれを囲うように聖堂が建てられたと考えるのが妥当です。裏がありそうですね。


謎の少女、再び


ここでまた謎の少女が再び現れます。ですがこちらラティアスではなくカノンです。帽子が見分けるポイントらしいのですが、んなもん当てになりません。それはラストシーンではっきりと断言できます。

カノンは絵を描くのが好きな少女で、ボンゴレの孫娘です。似てませんね。瞳の色とか遺伝しなかったのでしょうか。

(彼女が使ってる折り畳みイーゼルを中学の技術の授業で作ろうと思い挫折した思い出が筆者にはあります。)

カノンの家族は劇中でボンゴレしか登場しません。運河沿いのゴンドラ修理場兼家で二人で暮らしているということでしょうか。両親の存在が気になります。またボンゴレの妻、つまりカノンの祖母の存在も不明です。

祖父と孫という家族構成は稀な気がします。この家族構成になった理由も島の歴史と関係があるのでしょうか?それとも事故や病気等で亡くなったのか…このあたりの描写が劇中にほぼないので考察の余地がないのですが、カノンはボンゴレを「おじいちゃん」ではなく「おじいさん」と呼んでいます。随分とかしこまった呼び方じゃないですか?事実カノンはボンゴレに対して度々敬語を使っています。これは単なる風習かもしれませんがここにカノンの家族の謎を読み解くヒントがありそうです。

カノンの中の人は折笠富美子さんです。あたしンちのみかん役が有名ですね。アニポケでもカルネ役を演じられています。


再び謎の少女を見つけたサトシは後先考えず少女の後を追いかけます。ここで「謎の少女、再び(迷宮)」が流れます。劇中屈指の名曲です。


秘密の庭へ


曲と映像が見事にリンクしていて一気にこのあたりから作品へ引き込まれます。特に路地裏の迷路から藤棚のトンネルのあたりは本当に異世界に迷い込んだ気分になります。サトシが街の核心部分に触れていく瞬間でもあります。

ですがそこをしっかり追尾メカが捉えていたようですね…

ラティアスが案内していたのはサトシだけじゃなかったというわけです。

ちなみに結構有名なネタだと思うのですが、街の特定の場所にこれまでの劇場版4作品に登場した伝説のポケモンが隠れています。ミュウツー、ルギア、エンテイ、セレビィですね。知らなかった方は探してみてくださいね。

あとここでも対比がありましたね。カノンとラティアス、二人ともサトシと橋越し向かい合います。カノンは困惑というか憤りすら感じてますが、ラティアスはサトシを待ちわびていたかのような雰囲気です。しかも穏やかな笑みを浮かべて。


…というか本当にいちいちラティアスの仕草可愛すぎませんかね…?サトシを待って足踏みしてるシーンgifで一生見てられるんじゃないかな…


アルトマーレの伝説


ラティアスの導きで秘密の庭にたどり着いたサトシとピカチュウ。なんと美しいのでしょう…そして、なんとだだっ広いのでしょう…こんな広い敷地あったら普通バレるがなって思ってしまいますが笑

この庭左右対称に見えて実は非対称です。大木の生え方が互い違いになってたり池があるのも多分入り口?から向かって左だけでしょう。

庭のいたるところにある置物、警報装置なんですね。ですが随分と古典的な上にガバガバです。気配や空気の流れで装置が作動し音がなる仕組みのようですが、反応するのは基本的に生物(一応少しだけメカにも反応していた)で音がなるまでにもラグがあります。つまり「かがくのちから」には通用しないのです。よく今まで平和だったな…

侵入者に気づいたラティオスがサトシたちに攻撃を仕掛けます。さすがジェット機並みの速さですね。ピカチュウの10万ボルトもかすりません。そしてカノン、ボンゴレと皆さんが揃いようやくサトシがラティアスの正体を知ります。いや、ちょっとくらい違和感感じろや!鈍い男ですね。それでこそサトシくんなわけですが。


これまでのポケモン映画ではなかった挿入歌が流れます。MADOKAさん「Secret Garden」という曲ですね。歌詞は英語ですが日本語訳もあるのでそれも踏まえて聴いてみてはいかがでしょうか。とても前向きになれる曲です。

MADOKAさんはアニポケでもEDテーマを歌っています。「君の胸にLaLaLa」という曲です。本作と重ねて曲を聴いてみるとなんだかグッときます。


ラティ一族のステルス能力変身能力に次ぐ第三の能力、それが「ゆめうつし」です。超能力で片方が見ている景色をもう片方の周辺人物と共有することができるすごい力です。

劇中では3度、この力を使う場面があります。

どれも物語上重要な場面で現れます。そして覚えていて欲しいのはこの能力意外と体力を消耗します。

カノンが冒頭にあったおとぎ話のおさらいをしてくれます。その内容を描いた石版が庭にもあるのです。そしてバラバラになって解読不能な石版、こころのしずくの真の使い方を描いた石版が敷かれています。

なぜわざわざバラバラにしたのか、なぜ彼らはこころのしずくを護っているのか。

映画を最後まで見た皆さんならお分かりかと思いますが、装置を部外者に簡単に作動させるわけにはいかない理由があるからですね。装置を作動させるにはキーであるこころのしずく、動力源であるラティ一族が必要不可欠です。リオンはその情報を掴んだわけですね。

装置をいつボンゴレの先祖らが作ったのかは謎ですが、過去に使ったことが何度かあるのは確かです。ボンゴレの言動、表情から察するに彼は過去のこと知っているのでしょう、街の負の側面、装置の起動によるリスクやその全てを。


ここから物語は大きく展開していきます。




長くなりそうなので一度ここで区切り、次回の後編でこの記事を完結させようと思います。ここまで読んで下さった方はありがとうございました!

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