「なぜ今、SATOYAMAなのか?」〜世界からも注目を集めるSATOYAMAと、日本の伝統のつながりとは〜
「私が勤めている会社、実は山を持っていて…」という話を友人や家族にすると、必ずと言っていいほど「…...何の会社だったっけ?」と問われます。
株式会社和えるは、「日本の伝統を次世代につなぐ」ことを目指して、2011年に誕生しました。伝統産業の職人と共に、赤ちゃんから大人まで使えるオリジナルの日用品を届ける“0歳からの伝統ブランドaeru”をはじめとした、伝統を次世代につなぐ仕組みづくりに取り組んでいます。
そして、創業10周年を迎えた2021年には、秋田県にて、地元の方がお世話できなくなり荒廃してしまった山林を譲り受け、“aeru satoyama”の最初のフィールドが誕生しました。
では、一体なぜ一企業の和えるが、山を求めたのでしょうか?
自然の恵みから生まれる、日本の伝統産業品
木、漆、こうぞ、みつまたetc…
伝統産業品の多くの原材料が、山をはじめとする自然界の恵みから生まれています。職人さんとの出逢いによって、文化の原点は「自然」であることに改めて気づかされました。
しかし、日本の伝統産業の原材料の多くは、海外からの輸入に頼っているのが現状です。漆はその依存率が特に高い状況で、現在では国産漆はわずか3%程度。国内で使用される漆の約97%が中国産です。
日本の伝統を次世代につなぐためには、原材料供給の問題を解決する仕組みが必要だと感じた私たちは、「山を育み豊かな生態系を蘇らせる」ことに挑戦しようと決めたのです。
世界から注目を集める日本の”SATOYAMA”
日本の里山は、“SATOYAMA”としてSDGsの観点で世界から注目されていることをご存知でしょうか。
きっかけの一つは、2010年開催のCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)だと言われているようです。
「自然と人間の区域を分けることで自然を保護する」西洋的な思考と異なり、「自然と人間がお互いに影響し合いながらも、バランスをとって“共存・共生”していく」という東洋的な思考があります。後者を実現しているのが、まさに日本の「里山」なのです。(参考:世界が注目する「森林保全」 という日本文化)
里山と共存する「よざえもんさん」
そして、自然と共存・共生しておられる方が、“aeru satoyama”の位置する秋田県五城目町にいらっしゃいます。代々林業を営んでおられる、山遊びの達人「よざえもんさん」です。“aeru satoyama”を共に育んでくださる重要な人物でもあります。
ー“100年先の子どもたちにも、豊かな景色と土壌を残したい。”
このような想いで、森林保護のための間伐や、放棄された田んぼを蘇らせる活動もされています。また、子どもたちと触れ合うのが大好きなよざえもんさんは、田植えや稲刈り、ホタル鑑賞、焼き芋、雪遊びなど、四季折々のイベントを開催して来られました。
私たち和えるは、このような「美しい日本の自然、そして四季の移ろいを楽しむ心」こそが、日本特有の伝統文化を生み出した大きな理由だと考えています。
そう、和えるが里山を育もうと志したのは、伝統産業の原材料供給のためだけではないのです。
「日本の自然」こそ、「日本の伝統文化」の源
日本の気候風土に育まれた自然こそ「日本の伝統」であり、その自然があるからこそ、四季折々の暮らしや有形無形の文化があります。つまり、里山が消えてしまうと、日本の伝統の火も消えかねないのです。だからこそ、「日本の里山と、そこで受け継がれてきた先人の智慧を次世代につなぎたい」と、私たちは考えています。
“aeru satoyama”事業とは?
“aeru satoyama”事業は、秋田県五城目町で活動中の「楽しく、伝統が次世代につながるSATOYAMAを育む」プロジェクトです。もう一度、「人間と自然が共存する里山」を育み、日本の伝統を支える自然の力を蘇らせたいと考えています。
取り組みの一例としては、国産漆の供給量を増やすために、荒廃した山林を再整備し、うるしの植樹を始めています。
また、山そのものの魅力に加え、よざえもんさんのように山を知り尽くした「先人の智慧」を活かすことで、いわゆる都会にある遊園地とは異なる「新しい形のテーマパーク」を創り上げたいと考えています。
その第一歩として、森の音楽会・お宝山菜探し・山の雪遊び・森の探検ツアー等、美しい日本の自然が息づくSATOYAMAだからこそ楽しめるイベントを計画しています。
秋田県・五城目町って、どんなところ?
“aeru satoyama”のある秋田県・五城目町は、農業と林業を中心とする農山村で、人口約9000人の小さな町です。
秋田空港までは、札幌・東京から約1時間、大阪から1時間20分。五城目町は、秋田空港より車で約45分の場所に位置します。
かつては流通の拠点として栄えた町で、約500年以上もの間、旬の幸を楽しむ「朝市」が受け継がれています。製材、家具、建具、打刃物、醸造業などの職人産業も息づいています。
また、雪解けから流れる水源は、ホタルが舞うほど清らかで、美味しいお米や野菜、日本酒などが作られています。
しかし、過疎化や高齢化が進み、地域の山林を受け継ぐ担い手不足により、耕作放棄地が増加しているのも事実です。和えるでは、そのようなお世話が難しくなった土地の取得を継続的に続け、荒廃した山林を再生させていきたいと考えています。
限定100人の山守会員を募集中!
“aeru satoyama”を、和えるやよざえもんさん、五城目町や全国から集う仲間たちと共に育んでいきたい!または経済的に応援したい!という方を募集しています!
◯こんな方に、おすすめ!
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“aeru satoyama”の山守会員にご興味をお持ちの方は、下記よりログイン、申請をお願いします。
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どのような形で“aeru satoyama”に関わるかは、みなさま次第!
五城目町でのイベント参加を楽しみたい!商品開発等に関わりたい!なかなか五城目町に足を運ぶのは難しいけれど、経済的に応援しつつ見守りたい等、ご自身が「楽しい」とお感じになる形にて、山守会員として“aeru satoyama”を応援していただけますと幸いです。
みなさまのご応募を、和える、よざえもんさん、五城目町の仲間たち、一同楽しみにお待ちしております♪
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《 aeru satoyama 事業に関連する記事 》
・サステナブルビジネスマガジン『オルタナ』vol.63にて、ギンザのサヱグサ代表三枝 亮さんとの対談(2021年1月8日)
・国土交通省のウェブマガジン『Grasp』の特集「vol.26伝統の灯を消すな!無形文化遺産」〜後編〜にて代表矢島へのインタビュー(2021年2月)
・共創型コミュニティプラットフォームのShare Villageによる代表矢島へのインタビュー(2021年5月)