ある復帰勢の『咲うアルスノトリア』の雑感【満天星夜を相手のゴールにシュゥゥゥーッ!】
ニトロプラス原作、グッドスマイルカンパニー配信、NextNinja開発のスマートフォンゲーム『咲うアルスノトリア』の配信開始から約3か月が経過した。
自分はというと、あんなエラソーなnoteを書いておいてアルスノを一ヶ月半放置していた。
…だって『ウマ娘』面白いんですもん。出会うウマ娘みんなみんな好きになっちゃうんですもん。僕の推しはマチカネフクキタルです。メイショウドトウ実装まだですかねサイゲさん。
本題に戻す。
そんなウマ娘に首ったけの僕だったが、ふとアルスノを起動した際に開催していたイベント「なぜなぜ放浪譚」をきっかけに、ちょっと興味が再燃してアルスノに戻ってきた次第である。
そうすると、前回のnoteを執筆した際には見えてこなかったアルスノの面白さや、前回のnote執筆後の公式の改善への動きが見えてきたので、それを文章化すべく再び筆を執ろうと決意した。
というわけで、またまた個人的な『アルスノ』評を述べていきたいと思う。
前回のnoteと併せて、これからプレイしようと考えているプレイヤーの参考になれば幸いだ。
あくまで「個人的」なのであんま鵜吞みにはしないでね。
内容の説明に際して、他のスマホゲームとの比較が多くなることに注意。
◆戦力が充実することで見えたバトルの面白さ
前回のnoteではサラッと褒めて流してしまったバトル部分の面白さだが、あれからネット上の情報を参考に様々なペンタグラムやシジルに触れたことで自分なりに戦略を立てられるようになり、マニュアル操作の面白さがより見えてきた気がした。
特に、このゲームの現状のエンドコンテンツと言える「巨大ボス」を倒せた時の喜びはひとしおだった。
「一部ペンタグラムの秘術は高速で多段ヒットするため、ボスの動きを拘束できる」というのがキモで、これを利用してボスの行動を遅延させ、その間に回復・バフなどを行ってボスの高火力な攻撃からパーティの状態を立て直したり、連続で秘術を打ち込んで一気に大ダメージを狙う、などの連携が決まると爽快感がある。
…だが、「巨大ボス」戦における戦略性は一部の強力なシジルで成り立っている、とも感じる。
その原因が、敵の使ってくる必殺技「秘術」。敵はHPの下にある「秘術ゲージ」がMAXになると、こちらと同じ「秘術」を使ってくる。中ボスはともかく、「巨大ボス」「守人」「騎士」などボスクラスの敵が使ってくる秘術は「撃たせたらゲームオーバー」といっても差し支えない威力・攻撃範囲を誇り、敵の秘術にどう対応するか、というのがこのゲームのボス戦最大の肝となっている。
現状、現実的に敵の秘術に取りうる対抗手段は3つだ。
1.「氷結」「麻痺」などの状態異常を敵の秘術にタイミングよく重ね、秘術発動を阻止する
2.BREAKゲージをゼロにして敵の動きを止め、秘術発動を阻止する
3.秘術を撃たせる前に倒してしまう
一番簡単なのが1で、このゲームでは敵の秘術発動中に「氷結」「麻痺」など、相手の動きを止める状態異常をかけると秘術の発動がキャンセルされる。
これで敵の秘術を阻止することで被害を避けよう、という一番ラクな対処法なのだが、現実的に無課金~微課金で手に入るペンタグラム・シジルでこの方法を行うのは厳しい。
無課金~微課金で入手可能なペンタグラム・シジルでの「氷結」「麻痺」付与方法を列挙すると、
となるが、確率を見てもらうと分かる通り、どれも微妙に信用が置けない。これがスパロボだったら10人が10人、即「必中」を使っている。
だが、信用の置けないこれらの「氷結」「麻痺」の使い手と一線を画するのがSSRシジル「Brilliant toast」「満天星夜を瓶詰めにして」。
前者は麻痺、後者は氷結を付与するのだが、どちらも確率90%。これを先述の「氷結」「麻痺」シジルと併せて釣瓶撃ちするか、これを複数用意できれば、確実に相手の秘術をキャンセルできる。
逆に言えば「Brilliant toast」「満天星夜」を持っておらず、持っているフレも確保できなかった場合、ボス戦では最大確率50%の「ドーイヒェ」「グランットゥ」を祈りながら釣瓶撃ちするしかない。
このため、「ボス戦に挑むなら、まずtwitterでフレンド募集している親切な上級者を探すか、野良フレンドリストに『Brilliant toast』『満天星夜』を持っている人が出るのを祈るしかない」という状況になってしまっている。
さらなる問題として、「満天星夜を瓶詰めにして」はガチャに常設されているものの、「Brilliant toast」は巨大ボス「オスドゥーノゥ」の最大難易度クリア時に確率でドロップ、と初心者~中級者にとってはあまりにも高いハードルを超える必要があり、前回のnoteで述べた
「強敵を倒すために『進化』させたいが、それをするには強敵を倒さないといけない」という矛盾と似たような、
「オスドゥーノゥを倒すために『Brilliant toast』が欲しいが、それはオスドゥーノゥからしか手に入らない」という新たな矛盾をはらんでしまっている。
2は、秘術を撃たれる前に敵のBREAKゲージをゼロにして秘術発動を未然に防ごうというもの(通称「ブレイク」)。公式でも「BREAKゲージを削ると大きなメリットがある」ことが強調されており、BREAKゲージをゼロにする(ブレイクする)と
・敵が無防備になる
・味方ペンタグラムのスキルが無条件で再使用可能になる
・敵に与えるダメージに上昇補正がかかる
という豪華な恩恵が得られる。
しかし、多大なメリットがあるだけあってブレイク達成は簡単なことではなく、ボスクラスの敵は漫然と殴っているだけではブレイクできない。BREAKゲージへのダメージが大きいシジルを意識的に使ったり、BREAKゲージを削ることが得意なギフト「ブレイカー」をパーティに入れるなど、戦闘開始前からしっかりブレイクを意識する必要がある。
だが、前回のnoteでも語ったとおり現状ガチャの渋さ故に狙いのペンタグラムを入手することは難しく、初心者はブレイクを組み込んだ戦術にたどり着きにくいのが現状だ。
しかも、ブレイカー系ペンタグラムの数は前回のnote執筆時から増えて4体となったものの、
「現状入手不能なリトルゴエティア」
「3章まで進めて常設ガチャ(ストーリー迎典)への追加フラグを立てる必要があるメラル」
とそのうちの2体は入手性に難があり、初心者がブレイカーに出会うための壁をより高いものにしてしまっている。
3は、上級者いわく「最終的にこれを目指すことになる」らしいが、未だ自分には手の届かない領域の話なので割愛する。
このように、巨大ボス戦はエンドコンテンツとはいえかなり門戸が狭いものになってしまっている。
「エンドコンテンツなんだから難しいのは当たり前」というのは一理あるが、現状のアルスノはペンタグラムを進化させるために巨大ボス戦を避けては通れないわけで、それなのに
「ペンタグラムを進化させたかったら、『Brilliant toast』『満天星夜』を持っているフレンドをまず確保してください」
というバランスになってしまっていることに対しては疑問を感じる。
◆前回挙げた3つの問題
前回のnoteでは、
【演出が微妙】【育成が地獄】【最悪の闇鍋ガチャ「迎典」】
という3つの大きな問題点をピックアップした。
この問題点は、稼働から3ヶ月を経て改善されているものもあれば放置されているものもある。
◆演出はまだ微妙
演出は、戦闘・ストーリーともに地味なままだ。
日本だけでなく海外からも素晴らしいグラフィックのスマホゲーがどんどん攻めてきている(最近だと『ブラック・サージナイト』『パニシング:グレイレイヴン』『sin 七つの大罪X-TASY』とか)このご時世、ビジュアル的な魅力をほんのちょっとL2Dでふよふよ動くだけのキャラクターイラストに頼っているのは冗談抜きでヤバいのではないかと思う。
戦闘システム的に戦闘に派手な演出を差し込みにくいのは仕方ないとして、NextNinjaには『アズールレーン』を見習って、ホーム画面でのキャラクターの各種L2Dに力を入れてもらいたい。
それにホラ、エロいとバズるぞ。『ラストオリジン』とかそうじゃん。
このドスケベ博覧会がよ…
◆育成の諸問題はいくらか緩和
本題に戻す。
育成の厳しさは、各種イベントによる育成素材の配布や、突発イベントの「臨時係活動」でいくらか緩和された。
特に、自分が復帰するきっかけの一つとなったイベント「なぜなぜ放浪譚」や、「臨時係活動」で行われた「ペンタグラムの魂・欠片の配布」という思い切った施策はよかった。
一方、イベントの育成アイテム配布は各種スキル解放用の「タリスマン」や前述のペンタグラムの魂・欠片、シジルのクールタイム短縮に使う「刻の魔筆」などに限られており、初心者に需要が一番高いであろう、進化用の素材やレベルを上げる「成長の林檎」にはノータッチと絶妙にケチくさい面も目立つ。
このため、魂・欠片集めの労力も相まって「新しいペンタグラムを育てよう」という気になりにくく、新規に入手したペンタグラムを実戦投入するにも時間がかかる。
◆ペンタグラムの入手難度は緩和
開発スタッフの「課金しろ」という思念が透けて見えるような激渋ガチャそのものに変わりはないものの、イベント「幽霊塔事件」でのペンタグラム「フルカネルリ」の無償配布、新規向けログインボーナスでのペンタグラム交換チケットの配布など、サービス開始当初に比べるとペンタグラムの入手手段に関してはかなり改善された。
ログインボーナスでのペンタグラム交換にブレイカーが不在という微妙な不親切さは気にかかるものの、これは素直に「よくできました」と言いたい。
◆総評
前回のnoteから2ヶ月という短い期間ながら、『アルスノ』スタッフが問題点をきちんと把握し、改善しようとしていることは伝わってきた。
しかし、「進化」そのものがやりこみ要素に片足を突っ込んでいるいびつなバランス、貧弱なグラフィック・演出関連、激渋ガチャなど無視できない大きな問題点はそのままであり、今後これをどうにかしない限りは、前回のnoteの総評で書いた
「決してつまらなくはない。でも胸を張って『面白い』『おすすめ』とは言えない地味なゲーム」
の域からは抜け出せないと感じた。
先にも述べたとおり一定のハードルさえクリアすれば戦略性の高いバトルを楽しめるし、前回のnoteで述べた通りストーリーには読ませる部分もある。
それだけにこれらの欠点は惜しい。
なんで、あの拝金主義を煮詰めたようなガチャ、やっぱやめにしません?
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