システムSEにご用心
例によって内容としては主にフリーゲームの個人制作者向けのものです。
「序盤はどうあるべきか」とか「ゲームのクリア率は市販ゲームでも半分を切るのが普通」とか、そういう話をしてきました。
そのうちで、まだ話していなかった重要な要素があります。
「音」です。
・うわ! デフォ決定音だ!
実際にゲームを手に取ってもらうきっかけは、サムネであったりタイトルであったりキャッチコピーであったり、誰かのレビューであったり宣伝であったりするでしょう。
それらもとても大事なことではありますが、「ひとまずプレイはされた」という前提で話を進めます。
さて、ゲームを起動します。
そのとき、プレイヤーははじめてそのゲームの「音」を耳にします。
「キュピャィィィィィィィィンン」
「RPGツクールMV」デフォルトの決定音です。
僕からすると、この時点でそのゲームの評価は大きく下がります。
デフォルトだからではありません。
めちゃくちゃ耳障りだからです。
(デフォで用意されているものでも「Decision2」はまだマシ)
やたら長く(2秒もある!)、やたら甲高い。
ゲームをプレイする上で何度も何度も聞くことになる音なので、これは本当につらい。
「いうても、そんなん気にするのツクールに慣れたプレイヤーだけなんじゃないの?」
そうかもしれません。
ですが、わざわざ無名のフリーゲームをプレイしようなんて人は、だいたいツクールに慣れ親しんだ酔狂な方々です。
いわゆる「アーリーアダプター」ともいえるでしょう。
そういった方々が「なんだこのゲーム面白いぞ」と話題にして、ようやくツクールをまったく知らない人にも届いたりします。
で、「システムSEなんて気にしないよ」みたいな人でも、意識していなかったり言語化していないだけで音そのものは聞こえているわけです。
ツクールデフォの音に対して露骨な不快感は示さないまでも、気持ちいい音に対しては「なんか楽しい」くらいには感じるはずです。
そして、この「なんか楽しい」という感覚は一瞬で伝わります。
ゲームシステムの面白さを理解するまでは短くても数分はいるでしょう。
音の楽しさは操作して、レスポンスがあって、その一瞬です。
その一瞬を逃す手はありません。
・で、どんな音がいいの?
いきなり予防線を張るようでなんですが、音響については専門ではないので個人的な好みで書きます。
カーソル音や決定音など。
まずなにより短い(0.1~0.2秒)ことです。カーソル音の場合は0.1秒以下でもよいかもしれません。
また、高い電子音よりは硬質で低めの音などが好みです。
たとえば「キーボードのタイプ音」など。
「カタカタカタ...ッターン!」とかっこよくENTERキーを押してみた経験はありませんか?
あの音はゲームのシステムSEにもそのまま使えます。
また、「本などのページをめくる音」も気持ちのいい音です。
そのまま、ページ送りの音として採用できるはずです。
あるいは「ペンで書く音」。
セーブのSEとして使えると思います。
そして鳴る頻度がそこまででもないような、
「重要なアイテムを発見した」「新たな仲間が加わった」などというときには、やや長めのジングル音などを使ってみましょう。
・はずれSEは要らないよね
宝箱を開けました。
残念! 中身は空でした。
「ブッブー」
ただでさえ中身が空でつらいのに、なぜSEにまで追い打ちをかけられなければならないのか……!
基本的にシステムSEは気持ちよくなってもらうために使いましょう。
「残念ながらそれ操作不能なんですよ」と伝えるためのブザー音や、戦闘におけるダメージ音などであれば必要ですが、あえて不快な思いをさせる必要はありません。
・で、そういう音素材はどこで手に入るの?
フリー素材だと「くらげ工匠」さんがオススメです。
システムSEに関してはこちらの素材をよく利用させていただいてます。
また、「On-Jin ~音人~」さんは生活音などが非情に豊富です。
いっそ有料素材に手を出す選択肢もありです。
音・辞典 VOL.1[アニメ・ゲーム効果音]
音・辞典 VOL.5[RPG&ホラー/ゲーム効果音]
あとは値は張りますが、「MotionPulse」は本当に素晴らしいSEが揃っています。
「え! フリー(無料)ゲーム制作でお金を!?」
ま、まあそのへんは趣味です。
誰も彼もにそこまですべきとはいいませんが、そこまでする価値はあると思っています。
それほどまでにSEは重要なのです。
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