難易度調整の落とし穴
「ゲーム内容が伝わったうえで離脱されるならいいじゃない」などと無責任なことを書きましたが……。
ちょっと待って! もしかしたら、単なる理不尽に難しいだけのクソゲーになってしまっているかもしれません。
・作者は仕様を知り尽くしている
作者にとって「ちょっと簡単かな?」と思えるゲームは、初見プレイヤーにとっては「めちゃくちゃ難しいわボケ!」という難易度だったりします。
なぜか? 作者は仕様を知り尽くしているからです。
まずは間に合わせでも装備を揃えよう。
敵はこんなん出てくる。こいつらが出てくるとやばいから逃げる。
主人公はLv5になると強い魔法を覚える。
武器はここで拾えるこれが強い。回復アイテムはいっぱい買っておこう。
実はボスには状態異常の麻痺が効くので楽。
そろそろこのダンジョンも出口が近いな。
作者はぜんぶ知ってます。
そして、「未知の世界を冒険する」というゲーム体験を提供したいのであれば、そのすべてを事前に教えるというわけにもいきません。
そういったことを手探りでひとつずつ理解していくのが楽しいのですから。
また、仮に一気に説明したとしても初見プレイヤーには覚えられるものではありません。
「未知の世界を冒険する」というゲーム体験を表現したいのに、作者にとってはどうあっても「既知の世界」になります。
そのため、「作者がプレイして面白いと感じるゲーム」と「初見プレイヤーが面白いと感じるゲーム」には誤差が生じてきます。
作者の理想とするゲーム体験を、作者自身は味わうことができない。
悲しい物語ですね。
「すべての仕様を知ったうえでプレイするのが前提のゲーム」でないのなら、この誤差には十分に注意を払わなければなりません。
・ならばどうする?
繰り返しにはなりますが。
まずは感覚として、作者にとって「ちょっと簡単かな?」は、初見プレイヤーにとって「めちゃくちゃ難しいわボケ!」である可能性が高い、というのを念頭に置きましょう。
「簡単すぎるかも?」くらいでちょうどよかったりします。
このあたりはなかなか作者一人だけではどうにもならないものです。
友人などの初見プレイヤーにテストプレイをしてもらいましょう。
そしてSkypeやDiscordなどの画面共有機能を使ってその様子を眺めるのです。
色んなところで詰まると思いますが、あえてアドバイスはせず腕組みを続けます。
さすがに数分単位で詰まりすぎと感じたら助け舟を出しますが、その際には「どうして詰まったか」を確認しましょう。
なにか想定外の勘違いをしているかもしれません。
(もちろん、そのあたりはあとで修正します)
このへんはやっぱり実際にやってもらわないとわからないですし、やってもらうのが一番よいです。
・「え、でも友達おらん……トモ……ダチ……」
うーん(困惑)。
そうですね。たとえば「ゲームクリエイターズキャンプ」という企画がありました。
こちらは、大勢の作者が集まって、一つのチャットルームみたいなところで相互に企画書を読んだり、β版をプレイして意見を言い合うフィードバックをやっていました。
似たような企画が今後もあるはずです。
そういうのに参加してみるのもよいでしょう。
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