「ゲゲゲの鬼太郎」のリフレイン
夏といえば、怪談…。稲川淳二さんの季節です(笑)。
怪談だけでなくお化け屋敷、妖怪などのイベント、ホラー映画も含めて、日本国中に“怖いよ~”の大合唱(?)。生来のビビリである私は、一切近づきませんが…。
私には理解できない、いわゆる「怖いもの見たさ」。でも、つまるところ、一種の「快感」なのでは? と思うようになりました。
たとえば、お化け屋敷で「キャーキャー」と叫んで逃げまどううちに、日ごろの鬱屈した感情が発散されて、なんかスッキリした…と。
「快感」であればこそ中毒性があり、また行きたくなるのでは──そんな分析はさておき、怪談とは「怖さや怪しさを感じさせる物語の総称」(ウィキペディア)。日本古来のものを限定して呼ぶこともあるそうな。
「日本三大怪談」といわれる四谷怪談、皿屋敷、牡丹灯籠はほんとうに怖いですよね。中学生のころ「四谷怪談」の映画を観たときはしばらく夜中にトイレに行けなかったもの。
怪談にくらべて妖怪のほうはいま、キャラクター化が進んでいるようで、子供たちには親しみやすい存在なのだとか。
同じマンションに住んでいる知り合いの3歳と4歳の姉妹も「鬼太郎」を知っていました。もちろん、アニメ『ゲゲゲの鬼太郎』の影響です。
水木しげるさん(2015年没)の功績は大きい。
コロナ以前のインバウンド需要が絶好調のとき、鳥取県境港の「水木しげるロード」へ行きましたが、全国各地に溢れていた外国人観光客(特に欧米の)の姿をまったく見かけなかったのが強烈に記憶に残っています。
いまはどうか知りませんが、欧米の観光客には「砂かけ婆」「一反木綿」「子泣き爺」などは「はぁ?」でしかないのかも。
どの国や民族にも妖怪のような存在はあるでしょうが、日本ほど多彩な妖怪を生み出した国や民族はいないと思います。
水木しげるロードを歩いていると、自然と『ゲゲゲの鬼太郎』の歌がスラスラと出てきてびっくりしました。
ゲッ ゲッ ゲゲゲのゲー
朝は寝床で グーグーグー
たのしいな たのしいな
おばけにゃ学校も しけんもなんにもない♪
『ゲゲゲの鬼太郎』は1960年ごろから漫画誌に登場、テレビのアニメや映画にもなり、高校生だった私も初期のシリーズ作品をみていたのです。
ゲゲゲの鬼太郎(オカリナ カバー) (youtube.com)
(宮村将広さんの独特の演奏)
科学技術の進歩によってたいていのことは合理的に説明、解決できるようになりました。けれども、そういう社会はつまらない、息がつまると。世の中は人知の及ばない、偶然に支配されているし、個人の不思議な体験も確実に存在するわけだから。
怪談、妖怪のほかにホラー、オカルト、心霊、都市伝説などいろんな「怖い!」が氾濫する理由かも…。しかし、こうした分析をあざ笑うかのように、私の脳内には“おばけの歌”がリフレインしています。
みんなで歌おう ゲゲゲのゲー♪