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私の純猥談 超々短編「秘密基地」

少し草臥れたラブホテルが、僕らの秘密基地だった。
会うと必ず求め合って、ボロボロになるまで罵り合った。
罵り合った後は、また不確かなものを確かめる様に、強く抱き合う。
投げやりの恋は、いつでも未完成のままだった。
変色した壁紙、鼻につくセブンスターの香り、君の荒い息遣い、
どうしようもなく愛おしくなるけれど、僕の気持ちは天気予報より気まぐれだった。
ついさっきまでは、とても大切で宝物のようだったのに、
途端にどうでも良いように思えて、煩わしくなる。
僕らの秘密基地は、この春解体されてしまうらしい。
煩わしいと思った事すら、懐かしくなる程だ。
君がいたら、罰当たりだなんだと言って叱ってくれたのかな。
そんな事すら、想像が出来ない。
これが、大人になったという事なのだろうか。
別の人に抱かれながら、僕らの夢を見た。
相変わらず、セブンスターの香りは苦手だった。

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