![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/139532949/rectangle_large_type_2_81287b50ef7c0c37f299331e3b3305a6.jpeg?width=1200)
ジョジョ×ガリレオ=SPEC
SPECってドラマを覚えていますか?
加瀬亮と戸田恵梨香のダブル主演で2010年に放送されていた刑事モノです。
僕は放送当時は観ていなかったんですけど、この二人が出るってだけでなんか面白そうで以前から気になってたんですよね。
で、GWにふと思い立って観てみたんですが、まぁーこれが面白い。
まさにこういうドラマを求めていたというか。
かなり衝撃を受けちゃって、そのまま全話イッキ見しました。
見終わった後の余韻も凄くて、「SPECから感じるこの強烈な魅力の正体は何なんだろう」って気になり始めてしまいました。
何度も見直しながら、考えに考えて私が達した結論はこうです。
「SPECってジョジョとガリレオの悪魔合体だ」
どういうこと?って思う人もいるかも知れませんが、自分なりに考えをまとめたのでぜひ最後まで読んでいただきたいです。
あらすじや設定もふまえながら詳しく書いていきたいと思います。
あらすじ
世の中には、通常の人間の能力や常識では計り知れない特殊能力(スペック)を持った人間が潜んでいる。
例えば、異常に感覚が進化した人間、異常な運動能力を隠し持っている人間、異常に優れた頭脳を持っている人間。
もし、そのうちの何パーセントかの特殊能力者が、その能力を悪用しているとしたら…。
特殊な能力で、他人の命や財産、果ては社会的地位、もしくは、政権を狙いだしたとしたら…。
そして、そのことに、すでに各国の政府は気づいていて、水面下ではすでに、暗闘が繰り広げられているとしたら…。
このドラマは、凡人にはない特殊能力、「SPEC」を持っている犯罪者に立ち向かう、若き刑事たちの物語である。
結局超能力とかみんな好き
この作品何が凄いって、ミステリーのとある禁忌を堂々と犯している所だと思うんですよね。
通常のミステリーでは、作中に超能力が登場するなんてことは許されないわけですよ。
「超能力で殺したのです!」
「超能力で犯人が分かりました!」
こんなことがまかり通ってしまえば、何でもありになってしまいますからね。
なんですがあらすじにもあるように、SPECでは超能力を持った登場人物がバンバン出てきます。
未来を予言する者、人の心を読み取る者、人の体を乗っ取る者が現れたりします。
「そんなのめちゃくちゃじゃん」て最初は思ってたんですけど、いざ観てみたらちゃんとにお話になってるし、ちゃんと面白い。
ストーリーが破綻しかねないような設定を敢えて持ち込んだうえで、ギリギリのバランスでミステリーを成立させてるんですよね。
「ミステリーとはこういうものだ」という既存のルールに中指を立ててくような姿勢が、めちゃくちゃかっこいいと思うわけですよ。
ジョジョと共通する魅力は、超能力によって生まれる駆け引きです。
相手の能力をどうやって攻略するか?弱点はないか?っていう楽しませ方は、ミステリーでは珍しいんじゃないでしょうか。
実際、随所にジョジョのオマージュが散りばめられていました。
神木隆之介演じるニノマエが「時を止める能力」を持っていたり、
彼の耳の後ろに「星型のアザ」があったり。
作品全体を通して凄く漫画チックな雰囲気を感じていたんですが、こういう所が原因かもしれません。
![](https://assets.st-note.com/img/1714976484276-Bj7M2zzmq1.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1714976484305-FkUp4Ag4iB.jpg)
結局勝利フラグとかみんな好き
本作は基本的に一話完結型で、毎回違った事件を推理していきます。
トウマ(戸田恵梨香)は様々なヒントをもとに謎解きを行うんですけど、この推理シーンの演出がまぁ衝撃。
推理というか、儀式のようなものになっています。手順はこう。
①トウマは事件のキーワードを一つ一つ半紙に書いていきます
![](https://assets.st-note.com/img/1714941632969-MKsCH3HZlb.png)
②何枚か書いたらビリビリに破って、空中に投げて浴びる!!
![](https://assets.st-note.com/img/1714941820941-nY4ifKVyKL.jpg?width=1200)
③紙吹雪が落ち着いたタイミングで目を開く。トウマは全てを悟った表情で「いただきました」と呟く。
推理する時は毎回この儀式をしてるので、お決まりみたいになってます。
で、ここまで読んだら分かると思うんですけど、これ完全にガリレオです。
福山雅治が数式を書きまくった後に「実に面白い」っていうのと構造は全く同じです。
多分意識してると思います。
こういう「勝利が確定する演出」みたいなのを設定しておくと、視聴者の盛り上がりが作りやすいんでしょうね。
撮影監督の斑目重友さんによると、このシーンはヒーローものの変身シーンをイメージしてるそうです。
そう言われれば確かに!
2010年とは思えないハイセンスなドラマ
キャラクターの作り込みも凄いし、ワードセンスもいちいち絶妙。
「そこでそれぶっこんでくるのかよ!」っていうニッチなパロディネタも笑えます。
この作品の魅力を伝えきるのは難しいんですが、とにかく最初から最後までスタイリッシュでした。
「堤幸彦って14年も前にこんな前衛的なことをやってたの……?」と、ちょっと恐ろしささえ感じちゃいましたね。
気になった方は観てみて下さい。
1話だけでも充分楽しめると思います。
僕は餃子が食べたくなりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1714977819151-Z1rosf4XKp.jpg?width=1200)