3日目 念願の広島
「やりたいことをやり尽くす旅」3日目。
原爆ドームには行かなければならないと漠然と思っていた。日本に住む限り、日本人として名乗っている限り知っておかなければならないと思っていた。
この旅のもう一つの目的は広島へ行くことだった。
1日目、2日目の記録はこちらから
私は出身が海なし県であるため、いまだに海を見るとテンションが上がる。
愛媛から広島へフェリーで移動することにワクワクして眠れず、予定より少し遅くホテルを出発した。
駅へ向かう途中、パン屋さんのキッチンカーを見つけ、地元の人と立ち話をした。密かに決めていた、「地元の人と話す」という目標は達成できた。
初めてのフェリー。迫力があり、座席が意外と新幹線のようになっていて驚いた。
日本海や太平洋とは違ってポコポコと浮かぶ島が見える瀬戸内海。「Nのために」で希が見ていた海はこんな感じだったのか。新鮮な景色だった。
広島へ着き、まずは広島城へ向かった。この旅の中で幾つかのお城を見たが、他とは違う印象だった。
個人的に白塗りされていない木造の壁がかっこよく見えた。
夕方、最大の目的地である原爆ドームへ。記念館は外国の方々がいっぱいいて、その場にいる全員の重く、悲しい雰囲気が全身で感じ取れた。
中高生の時に社会の授業中に他人事だと感じていた戦争の話が展示品や写真から「実際にあったことなんだ」と、当たり前だが真実味を感じた。
残された服やお弁当箱、溶けた自転車、歪んだパイプ。残酷な現実を突きつけられ、視野が狭くなり、肩が重くなるような感覚に襲われた。
今のうちに知っておいて良かった。消えてはならない事実だと感じた。