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ショートエッセイ:グンマ―の生活 (6)焼きまんじゅうの戦い

グンマ―の名産の一つ。だが、グンマ―県人に焼きまんじゅうの話題を持ち込むのには注意がいる。何故なら返答一つで殺し合いになるからだ。
殆どのグンマ―県民は「ご贔屓の焼きまんじゅう屋」をしっかり持っており、グンマ―県民が三人集まって「私のお勧めの焼きまんじゅう」なんて話題になると、三分もあれば、その場は戦場と化す。
私にしてからに、沼田市の焼きまんじゅう屋「大丸屋」以外の焼きまんじゅうは焼きまんじゅうなんかでは決してないないと思い込んでいる。大丸屋のためなら特技のビームライフルを持ち出して戦う覚悟がある。

だが、厄介なことにグンマ―県民共には、焼きまんじゅうを巡ってもう一つ、永遠に止むことのない有名な争いの種がある。アレですよアレ。

餡入りまんじゅうvs餡なしまんじゅう!!

焼きまんじゅうは、小麦粉に麹を混ぜて発酵させたフワフワしたおまんじゅうに、串を刺して、甘じょっぱい味噌を塗って炭で焼くのである。あぶられた味噌の濃い舌ざわり(ところどころ焦げてる)と、おまんじゅうの軽い舌ざわりとのハーモニーがたまらなく美味い。
しかし、ここに、おまんじゅうの中に餡が入るという要素がもう一つ加わる。すると一気にあざとく矛盾した複雑さが加わるのである。餡がこしあんなのが、また背徳すら感じる要素である。

古来、焼きまんじゅうは餡なし派と餡入り派との間で激しい争いが繰り広げられていた。餡なし派は餡入り派を「邪道」と決めつける。古いグンマ―にはこういう人が多い。
かくしてグンマ―県民は果てしなき争いの末に絶滅した…とかそういうことはない。残念ながら。

20年ほど前から、お祭りに行くと、焼きまんじゅうの屋台を見かけるようになった。
また、東京などで群馬県物産展をやっているときに、焼きながら売っていることもある。いずれも焼きまんじゅう入門には最適であるが、やっぱり焼きまんじゅうは店内で焼き立てのをほうじ茶と一緒にふうふう頂くのが一番良いように思う。
甘味噌が口の周りに着くので、必ずティッシュを用意しよう。

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じゅり@新しいパソコンを買いました。データ移行に苦労しています。
新しいパソコンが欲しいです…。今のパソコンはもう13年使っております…。何卒よろしくお願い申し上げます…。