ショートエッセイ:グンマ―の生活 (7)我が家のお雑煮
ニュース・バラエティ番組で「グンマ―のお雑煮には豆腐が入っている」と言ったので、びっくりして画面をガン見してしまった。うちのお雑煮には入ってないぞ。
私が聞いた限りでは、グンマ―のお雑煮には大抵根菜がたっぷり入っている。
うちの場合は人参、大根、里芋、椎茸、時には贅沢して下仁田ねぎ。鶏肉が入る。だし汁で具材を煮て、醤油で味をつける。角餅は焼き網で焼いて入れる。
割とグンマ―のお雑煮としてはオーソドックスな…と閉めたいところだが、うちのお雑煮にはその先がある。
何と、器に盛ったお雑煮に、トッピングをするのだ。
三つ葉、桜えび、青のり、かつお節。それに…イクラ!!
各自、トッピングを好きなだけ乗せて食する。
このお雑煮のルーツは謎である。
第一トッピングお雑煮というのがあり得ないらしい。確かに、山深きグンマ―で、お正月にイクラはそう簡単に手に入るまい。
母に聞いたら、
「おばあちゃんのお雑煮を少しアレンジしたものよ」
と澄まして言った。え~、お雑煮は伝統の作り方が良いのに。
でも祖母のお雑煮だと言えば解らんこともない。新潟に住んでいた時期があるのだ。そして新潟のお雑煮にはイクラが入ることが多い。
しかし叔母に聞いてみたら
「それが、よく解んないんだよ。おばあちゃんの創作料理かもしれないね」
は!?
結局うちのお雑煮のルーツは謎で終わった。
まぁいいか。うちのお雑煮は、田舎のご馳走という感じだが、美味しい。
お正月を自宅で迎えるときは、私はいつもこのお雑煮を作る。
グンマ―名物空っ風の冷たさと、乾いた空気を感じるのである。
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