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伝説の女 ー若き日、私はIT企業の営業でしたー

その日私は客先にPCを納入するのに立ち会っていました。
よせばいいのに。
「私も手伝いまーす」
と、一番デカいモニタを持ち上げて……見事に落としました。
フロアに響き渡るガラスの割れる音。凍りつく一同。

先方担当者は
「ワッハッハッハッハッハ」
と大声で笑いました。場を救ってくれたのです。超感謝です。が、一大事は一大事です。上司に電話。
「すぐ保守担当部署に連絡して対応して貰え」←上司も慌てている
しかし、実は大きな落とし穴が。
さて、納入時に営業が手を貸して取引先のモニタを壊した。
さぁ、これって責任はどこが取るのかな?

思い出したくもない、果てしない責任のなすり合い。
保守部署から一生分のイヤミを言われる私。

さて、結局どこから修理費用を出させたんだっけな……。当座しのぎにうちの会社のモニタを無償で貸した記憶はあるんだが……。

かくして私は一躍伝説の人になりました。
私のいた会社は当時創立約50年、社員約6,000人。
でも、いくら先例を探してもそんなバカは一人もいやしませんでした。

しばらく
「あ~あんたが客先でモニタ壊したあのじゅりさんね」
と誰からも言われました。
これが先例となり、全社に「取引先と契約するときは、保守契約についてあらゆる事態を想定、きっちりチェックすること」という通達が回りました。
そして顧客先へのPC納入の場では毎回、
「いいからお前はどっか行ってなさい。PCにだけは触るんじゃねぇ」
とSE様にキッチリ釘を刺されたのでした。

P.S.「伝説の女 Part2」編もございます。さらにスケールの大きい事をやらかしております。ぜひお越し下さい。

新しいパソコンが欲しいです…。今のパソコンはもう13年使っております…。何卒よろしくお願い申し上げます…。