やさしくなりたい。あったかい人になりたい。
人のやさしさと、あったかさ。今、これを身に沁みて実感している。
ここまでそう思えたのは人生で初めてだ。人間歴はこんなに長いのに、今頃ようやく気づけた。恥ずかしい。
前のnoteにも書いたように、僕は4月からの2ヶ月間、なかなかの地獄を味わった。
食欲はゼロ。お腹はすくけど、一口食べ始めたら「もう無理⋯」となって食べられない。すぐに気持ち悪くなる。そうして最初の3日間はほぼ何も食べられず、それだけでいきなり4キロ痩せた。
その後も明らかに胃は細くなり、みるみるうちに痩せていった。以前、古着屋で試着もせずにサイズ感を間違って購入し、前まではお腹にボタンが引っかかって止められず着られなかったシャツを、今ではいとも簡単に着られるようになってしまった。現時点で、結局6.5㎏痩せた。
別にダイエット自慢をしているわけではない。それほど、勝手に苦しんでいた2ヶ月だったということだ。
上の記事にもあるように、自分のミスで招いた事態を自分自身が許容できず、受け止めきれず、対応できるリミッターは振り切れ、心と体はいとも簡単にパンクしてしまった。
自分がこんなに弱く脆い人間だと、生まれて初めて知った。そのこと自体も、余計に自分を追い込んだ。
毎日のように来るLINE。真夜中にも、何度も。その度に吐き気が襲い急に発熱、その繰り返し。
心はとっくに死んでいた。地獄ってこういうことかと、あっさり心が折れた。自分で自分が情けなくなるほどに、自分の脆さを初めて知った。
しかしその一方で、いや、実は一方どころかそれを遥かに上回る数の、励ましのメッセージを頂いた。本当に、たくさんの方から。
こちらの身になって本当に心配してくれて「大丈夫ですよ、味方ですよ、自分は応援していますから」という、有り難く、そしてあったかいメッセージを何人もの方から頂いた。
この人、練習場でも試合の場でも今まで一度も話したことないのに⋯という数名の方からも、あったかいメッセージが何通も届いた。
あるお父さんは、わざわざ電話してきてくれた。昔から付き合いの長いお父さんなのだが、やさしい口調で、こちらのことを本当に心配してくれた。
また別のお父さんは、家に呼んでくれて話を聞いてくれたりもした。
こうしていろんな方から励ましのメッセージをもらうたびに僕の心は救われ、少しホッとできて、安らげる時間を与えてくれた。
もう少し頑張れる、そんな勇気をもらえた。
前にもどこかに書いたけれど、人はきっと、自分の居場所がなくなり、自分は誰からも必要とされていないんだと悟った時に孤独になり、絶望を知る。
その果てに、耐えきれず、もしくは自由になりたくて、楽になりたくて、次の人生ではもっと居場所や仲間がいるはずだという希望を胸に、自ら死を選ぶ人だっている。
大丈夫。あなたは一人じゃない、味方でいるよ
これらの言葉は、人を助ける 希望と魔法の言葉 だ。僕はこの言葉をくれたたくさんの人に、命を救われたと思っている。
やさしいなぁ、あったかいなぁ。
そう思いながら、心から感謝した。そして時には、有り難すぎて泣いていた。
そして
この問題が終わって少し楽になったら、これからは必ず、そして絶対に、自分も人にやさしくしようと心に決めた。
いったい生まれて何年経ってるんだ。気づくの遅すぎるよね。人にやさしくしなきゃなんて、親や幼稚園の先生に一番最初に教わることかもしれないのに。
やさしくなりたい。あったかい人になりたい。
これに気づけただけでも、今回のことは自分にプラスになったのだと信じることにする。
僕を助けてくれた皆さん、本当にありがとうございました。
次は、自分が人に返す番だ。
次は僕が、弱っている誰かの味方になり、苦しんでいる誰かを助けなければいけない。
誰かが困っていたら助けたい。
誰かが泣いていたら寄り添いたい。
泣いている理由を聞いてあげて、大丈夫だよと言ってあげたい。
時には涙のワケを聞かない方がいい時もあるから、ただただ寄り添うだけでもいい。
弱っている人がいたら、味方でいるよと伝えてあげたい。
苦しんでいる人がいたら、大丈夫だよと言いに会いに行きたい。そして一緒に戦いたい。
それが、当たり前のように出来る人になりたい。
「大丈夫だよ」という希望と魔法の言葉を、たくさんの人にかけてあげられる人に、僕はなる。
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