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文系のための超基礎医薬講座4「なんで腫れるの?」

こんにちは、くらです。
文系出身でMR(医薬情報担当者)を始め医療関連業務を目指す人のために、医薬の超基礎をお話していきます。

私は、ある外資系製薬企業で、MR教育を約25年担当してきました。その中には、文系出身者も多くいました。
そこでの経験を、これから医療関連の仕事を目指す方々のためにお伝えしたいと思います。

といっても、目指している人はかなり勉強されていると思いますので、私が新人MR教育で、これは基礎中の基礎だけど、なかなか知る機会がないことだなと思ったことを紹介していきたいと思います。

今回は前回の続き、「なんで腫れるか」について、です。

炎症が起こると、その部位が腫れます。

腫れると痛みが出ます。

なぜ腫れるか

炎症が起こると、その部位の血管が拡張(Vasodilation)します。

血管拡張

この血管は毛細血管のことで、毛細血管は内皮細胞とその周囲を覆う基底膜からできてます。

細菌、ウイルス、その他の様々な原因によって細胞に傷害が起こると、そこを防御、修復する反応が起こります。

これが炎症です。

炎症部位には、細菌やウイルスなどの外敵を排除する働きのある白血球が集まります。

その中の肥満細胞はヒスタミン(histamine)、内皮細胞からは一酸化窒素(NO2)などの血管を拡張する物質が産生されます。

透過性の亢進

そして、拡張した血管の内皮細胞は間隙が広がりやすく、さらに炎症を起こすヒスタミンやブラジキニン(Bradykinin)などの物質によって細胞間の隙間があきやすく、水分や物質が出入りするようになります。これを血管透過性(Vascular permeability)の亢進といいます。

そして、血漿や白血球などの細胞が血管の外へ出ていきやすくなる。

結果として、その部位が腫れることになります。

Journal of Japanese Biochemical Society 89(3): 368-376 (2017) doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.89036


(参考)

Journal of Japanese Biochemical Society 89(3): 368-376 (2017)
doi:10.14952/SEIKAGAKU.2017.89036

看護学生のための病理学 


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