「フィジカルな体験」をしたことがある人にしかわからない感覚を言語化する凄さ
昨日、青春18きっぷに関するnoteを書いたので、今日もその余韻で関連するネタを。
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僕も学生時代から青春18きっぷには大変お世話になってきたのですが、このきっぷでの旅が好きなのと同じくらい……いや、もしかしたら超えてしまうくらい好きなのが「ポスター」です。
駅舎や鉄路を含む美しい、日本らしい景色で撮影された写真に、なんとも旅情を誘うひと言のキャッチコピー。
このクリエイティブに魅せられた僕は、メルカリやヤフオクで宣伝用のチラシを集め(上の写真です)、一時期はこの真似事のようなInstagramアカウントを運用するなどしていました。
コピーライティング的なことでいうと間違いなくこれが原体験なので、今の仕事にもつながる"人生を変えてくれた作品"とも言えるかもしれません。
当然、好きな作品は山のようにあるのですが、中でも気に入っている一つがこちら。
この感覚、わかりますかね…?
自分の住むまちにずっといてはわからず、飛行機で都市間をひとっ飛びしてもわからない。徐々に、本当に少しずつ季節が変わっていく感じ。
僕はこれを高校2年生の夏休み、札幌から東京に普通列車乗り継ぎで向かっていた時に初めて感じました。
札幌駅を22時に出発し、朝5時半頃青森駅に着く急行はまなすを降りると、海にほど近い駅のホームはまだひんやりと冷たい空気に包まれている。
ただ、そこから列車を乗り継ぎ、南へ、南へと進んで行くと、徐々に車窓の向こうに見える景色が"夏"を帯びてきて、駅に停車するたびにセミの鳴き声もよく聞こえてくるようになり、列車を乗り降りする人々の服装も薄着になっていく。
まさに「ゆっくり行くから、見えてくるもの。」なのですが、こういう旅を自ら体験した人でないとわからない感覚を、青春18きっぷのポスターのコピーとして言語化したこの作品はめちゃくちゃ凄いな…!と思ってしまいます。
人の心に刺さる、こんな作品を生み出せるようになりたいものです。