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苦悩とどう向き合うか:苦しみを受け入れて生きる#3

こんにちは!
今回は、「苦悩」というテーマについてお話しします。苦悩は、私たちの人生の中で避けられないものですが、それをどのように受け入れ、前進していくかが大切です。私たちは皆、苦しみを抱えて生きていますが、それにどう向き合うかで人生の質が変わるのです。

他の人は幸せそうに見えるけど…

こんな経験、ありませんか?

仕事やプライベートで嫌なことがあった帰り道。周りを見渡すと、みんながなんだか幸せそうに見えて、「どうして自分だけこんななんだろう?」と思ったこと。みんなが順調に進んでいるように見えると、ますます自分が苦しんでいるように感じてしまいますよね。

でも、実際にはどうでしょう?周りの人たちも、表には出さないだけで、心の中に何かしらの苦しみを抱えていることが多いのです。誰もが、愛する人を失ったり、身体的な痛みや感情的なストレスを感じたりしながら、それでもなんとか前に進んでいます。

苦悩と苦痛の違い

まず、ここで「苦悩」と「苦痛」の違いについて考えてみましょう。
苦痛は、感情的な辛さや身体的な痛みのことを指します。失恋の悲しみ、仕事のストレス、体調不良など、具体的な不快感です。

一方で、苦悩は、その苦痛に対してどう反応するか、どう向き合うかによって生じるものです。例えば、過去の失敗や恥ずかしい出来事を突然思い出し、それに囚われてしまうと、頭の中でその苦しみがどんどん膨らんでいきます。苦悩とは、このように、過去や未来のことを思い煩い、自分の思考の中で苦しみを増幅させてしまうことです。

もがくことで苦悩が増す

多くの人が、苦痛や苦悩から逃げ出そうともがきます。しかし、そのもがく行為がかえって苦しみを増してしまうことがよくあります。たとえば、パニック障害や強い不安を抱える人が、恐怖を避けようとして、徐々に生活の幅を狭めていくことがあります。人混みを避ける、社交の場を避ける、そうやって逃げていくと、ますます不安が増し、最終的には何もできなくなってしまうのです。

これは、まるで底なし沼に足を取られているようなものです。もがけばもがくほど、どんどん深く沈んでしまい、身動きが取れなくなります。だからこそ、もがくのをやめて、一度立ち止まることが重要です。

苦悩と共存する道

では、どうすればいいのでしょうか?ACT(アクセプタンス&コミットメント・セラピー)では、苦痛や苦悩を完全に消し去ることはできないという現実を受け入れることが大切だと考えています。苦しみは私たちの一部であり、無理にそれを排除しようとするのではなく、それと共存する方法を見つけるのです。

例えば、「不安があってもいい。でも、私は自分が大切にしていることに向かって進む」という姿勢です。不安や恐れが完全になくなるのを待つのではなく、それを抱えながらも、自分にとって大切なものに向かって行動を起こすことができるのです。

価値に基づいた人生を生きる

ACTのアプローチでは、私たちが「どう感じるか」ではなく、「何を大切にしているか」が重要です。たとえば、人とのつながりを大切にしているなら、対人不安があっても、その不安に向き合いながら少しずつ他人との関係を築いていく行動を取ることが大切です。

「不安があるから動けない」ではなく、「不安があっても動く」

「不安がありつつ動く」このような姿勢が、人生に新しい選択肢を生み出します。苦痛を避けるのではなく、自分の価値に基づいた行動を重視することで、充実した人生を送ることができるのです。

あなたが今、自転車に乗っていると想像してみてください。
自転車って立ち止まったままバランスを取るのはとても難しいですよね。でも、ペダルを漕ぎ続けて前に進んでいると、バランスを保ちながらスムーズに進むことができます。
これはACTの考え方ととてもよく似ています。

苦痛を抱えながらでも「漕ぎ続ける」

人生の中で、私たちは必ず何らかの苦痛不安を抱えます。それが原因で「立ち止まってしまう」ことがあるかもしれません。恐れや不安に囚われて、行動できなくなると、その状態でバランスを取るのがとても難しくなり、かえってその苦痛や不安がさらに大きく感じられることもあります。

ACTでは、苦痛があっても前に進むことが大切だと考えます。まるで自転車のペダルを漕ぎ続けるように、私たちも苦しみを感じながらでも、自分にとって大切なことに向かって少しずつ前に進んでいくことが重要です。

たとえば、不安があっても、あなたが大切にしていること、例えば「家族との時間」や「仕事での自己成長」に向かって動き続けることで、その不安は必ずしも消えるわけではありませんが、それに囚われることなく、自分の人生を進めることができるようになります。

バランスは「動くことで」保たれる

自転車は、止まってしまうとバランスを失いますが、進んでいるときには自然とバランスが保たれます。同じように、苦痛や不安があっても、それに飲み込まれずに動き続けることで、人生のバランスも保たれていきます。

「立ち止まって苦しむ」よりも、「苦痛を抱えながらも前に進む」ことが、ACTの考え方であり、私たちが選ぶべき道です。

まとめ

だから、どんなに辛い時でも、「少しでも進む」ことを意識してみてください。動き続けることで、きっとあなたの人生にも新しいバランスが生まれてくるはずです。まとめ:価値に基づく一歩を踏み出す

誰にでも苦悩はあります。それはなくすことができないかもしれません。でも、その苦悩と上手に付き合っていくことはできます。そして、自分が大切にしていることに向かって、少しずつでも進んでいくことができれば、より柔軟で充実した人生を歩むことができるはずです。

次回は、具体的に「価値に基づいた行動」についてお話しし、どのように日常生活に取り入れていけるかを考えていきます。自分が本当に大切にしていることを見つめ直し、それに向かって一歩を踏み出してみましょう。

焦らず、自分のペースで進んでいけば大丈夫。少しずつ、あなたの価値ある人生を一緒に歩んでいきましょう。

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