妊婦と仕事
来年度の仕事がまだ決まっていない
私の仕事は1年任期で来年度も継続はできるが、妊娠中である私は来年度も雇ってもらえるかはわからない
仕事における妊婦への扱いは厳しいということを大学院生の時にアルバイトの面接に行った時に感じた。
大学院生だった私は今後のことも考えると、少しでもお金を貯めておきたいと思い、アルバイトをしようと思ったが、妊婦であることを告げるとどこにも採用して貰えなかった。
理由は、何かあったら責任が取れないから
と言われた。
雇う前の段階で妊娠をしていた場合、会社側からすると、わざわざリスクを背負ってまで身重の人を雇う義理はない、ということなのだろう。
妊婦であることを隠して面接を受けると、一発で通った。妊婦であることが社会的に不利に働くことを痛感した。
働き始める前に妊娠してしまった場合は、仕事を見つけること自体が困難になるだろうし、入社すぐに妊娠がわかった場合、居づらくなったり、産休育休が取れない場合がある。派遣の場合は契約を打ち切られたり、長年働いている場合であっても物理的に妊婦が働き続けることが難しい場合や、部署を移動させられ、暗に退職を迫られたりする場合がある。
結局妊婦は社会の中でお荷物だとして取り扱われる。
確かに悪阻がひどかったり、眠気がひどい、身体が思うように動かなくなる、などこれまで通りの仕事を続けることは難しい。
現在妊娠初期だが、ずっと立っていたり、パソコンを見ていると気持ち悪くなったり、これまでと同じことをしているだけなのにすごく疲れやすくなった。
妊婦になると、脆弱性を抱えるのは事実である。
社会の中ではその脆弱性を受け入れてもらえない。
健康で長く働き続けることのできる人間が求められているのである。
結局就職においては妊婦だけでなく、障害のある人、高齢者などの脆弱性を抱えた人は働くことが難しい。
私の脳性麻痺のある知り合いは、障害があることを理由に様々な偏見にさらされ、100件くらい一般枠での面接を受けたが雇ってもらえなかったと言っていた。
ただ、障害のある人の場合、仕方ない、という同情的な視線(優しい視線とは言えないが厳しい視線を受けることは無い)が、妊婦の場合はそんなタイミングで妊娠した方が悪い、妊娠しても働き続けることのできないような会社を選んだのが悪い、と厳しい視線、批判にさらされる。
妊娠はあくまで自己責任なのだ。
でも、本当にそうなのだろうか?
私たちは実は見えていないだけで、みんな脆弱性を持っている。
今は妊娠していない人でも妊娠するかもしれないし、突然体調を崩すかもしれない
そんな時に私たちが安心安全に働ける場所をつくっていくことは私たちの責任なのではないだろうか。
今の職場で上司に妊娠の報告をすると、人事の人に来年度も一緒に働けるように私からも声をかけとくね。無理しないでね。と声をかけてもらえた。
このような暖かく、受容的な組織作りが大切なのだと思う。