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自分の人生を生きるということ:35歳で会社を辞め8ヶ月経過した今を語る

今年4月に会社員を辞めてから、気づけばもう8ヶ月が経とうとしている。

35歳未経験でアパレル起業した話はこの記事で書いたが、今回は「会社辞めて8ヶ月経過した今、実際どう?」ということを語ってみる。

独立して何かを始めたい、新しいスタートを切りたいと考えている人の参考になれば嬉しい。

プロフィールと略歴

2012年、新卒で大手不動産会社に入社。ITベンチャーを経て2017年リクルートに入社。新規事業開発やサービスの0→1立ち上げ、様々なプロジェクトのPMを務める。コロナ禍で自分を見つめ直す中で、アパレルブランドを作ることを決意。社会人向けの服飾専門学校に入学しデザイン、ブランド運営について学ぶ。
2022年1月、副業でアパレルブランドADDIXY(アディクシー)を立ち上げ、2023年11月にADDIXY株式会社を設立。2024年6月末、リクルートを退職し、独立。
現在はADDIXYの運営、他社の新規事業開発や事業開発(Bizdev)、ブランディングの支援を行っている。

好きなことはL'Arc〜en〜Ciel(ファン歴20年超)、ライブ参戦、ロックミュージック全般、ファッション、読書、本屋、カフェ、インテリア、空間・建築デザインを見ること、愛犬と散歩すること。

▼私が運営しているアパレルブランドADDIXY

退職した次の日から全ての仕事を白紙に

退職後、ADDIXYを本格的に育てることに向き合う前に、私にはやるべきことがあった。

大学卒業後、ハードに働き続け、ダブルスクールや副業も抱える忙しい日々を過ごした13年間。

日々目の前にこなすタスクがあるということは、余計なことを考えなくて良いという安心感をもたらす。人生において重要なことを考える余白を奪ってしまうものだ。

だからこそ、タスクや納期に縛られない環境に身を置き、余白の時間を作りたかった。

普通、独立したら仕事を増やす方向に動くものだと思うが、私は逆に個人で受けていた仕事を全てお断りをし、未来を白紙にすることにした。

退職と同時に引っ越し。新生活がスタート。


自由と孤独の中で見えたもの

今まで手帳でまめに管理していたTO DO LISTは意味をなさなくなり、「やりたいこと」を書くようになった。

行きたかった場所に足を運び、読めていなかった本を読み、ただ思考を巡らせる時間を持った。

会社という箱を手放した今、これから何でもできるという限りない可能性を感じた。

その自由は一方で、不安と隣り合わせでもあった。スケジュールも目標も、何をするかしないかも、すべて自分次第。

急に時間の流れが変わった毎日の中で、自分に向き合う時間は思っていたよりもはるかに強いメンタルが必要だった。

13年間会社の枠の中で働き続けてきた人間が、突然「自由」という広大な海原に放り出される。それで社会から取り残されているような感覚が沸くのは、当然のことかもしれない。

それでも、徹底的にその空白な毎日に浸ることがこのタイミングで絶対に必要だと思った。

むやみに人と会うことは避け、毎日自分をニュートラルな状態に保ちながら、これからのことを静かに考え続けた。

その中で、自分が本当に描きたい未来へ少しずつ意識を向けていった。

タスク思考からビジョン思考へ

タスクをこなす日々から離れ、十分な時間をとって長期的なことを考える余裕が生まれたとき、自由ゆえの心地よさは束の間。

次に表れたのは不安という感情だった。

目の前のタスクを終わらせることで得られる短期的な達成感がない生活は、どこか空虚に感じたのだ。

しかし、盲目的にタスクをこなすだけの思考から抜け出し、自分のビジョンに基づいて動くことが、今後とても重要になる。そう感じた。

作業的に何かをこなすのではなく、「どんな未来を描きたいのか」「そのために今何ができるのか」を徹底的に考えた。その結果、このnoteもその一環で始めることにした。

アパレルブランド=「ビジュアルで伝える」が基本ではある。しかし、中の人である私の思考を言葉で伝える場所があってもいい。

決して文章が上手いわけではないが、自分の思考を言語化するスキルがあるのは強みでもある。だからこそ、この強みを活かし、noteを通じて新しい形でブランドを伝えていくことも取り組もうと決めた。

タスク思考から抜け出し、しっかりとビジョンを見据えて今に行動を落とし込むことで、自分の中で勝手に設けていた制約を取っ払い、「できることは全てやってみよう」と思えるようになったことは空白の期間を経て得たもののうちの一つである。

※2024年11月時点、まだ言えないが来年以降の動きで他にも行動に落とし込んだ結果進捗したことがたくさん。

ひたすら服屋巡りをしたパリ旅行

副業から自分の会社へ

会社員時代は、納期付きのタスクをこなし、役割として求められることに適切に対応し、相手の期待以上を打ち返すことが仕事の中心だった。

しかし、今後自分の会社を経営する身として歩んでいくには、ビジョンを問い続ける必要があることを痛感した。

副業としてやりたいことを小さく始めるのは意義がある。ただし、「好きなことを形にしている」という事実だけで満足してしまう側面があるのも事実だ。

一方で、独立して自分の会社として運営するとなると、自己満足だけでは成り立たない。ブランドの存続や成長は、すべて自分の決断と行動にかかっているのだ。

「やっているだけで自分を肯定できる」副業時代とは根本的に異なる世界。

私は、この厳しさを受け入れてでも、本気で生きる人生を求めていた。

自分のブランドを通じて届けたいもの

自分の人生がようやく始まった、そんな実感がある。
そして、自由と孤独、喜びと苦しさが背中合わせであることもこの8ヶ月で学んだ。

ADDIXYというブランドを通じて伝えたいのは、「自分が本当に好きな選択をする」というシンプルだけれど力強い価値観だ。これを実現するためには、私自身がその覚悟を持ち続ける必要がある。そしてその挑戦を続ける過程そのものが、ブランドの力になると信じている。

会社員として働いていた頃は、どこか他人が決めたルールの上を走っているような感覚があった。しかし、独立した今、自分の意思で道を切り開き、自分の人生を生きている実感がある。

この感覚こそが、私が独立を決めた理由だ。

もしこの記事を読んでいる方の中に、副業から独立を考えている方がいれば、ぜひ「覚悟」を持つことを恐れずに挑戦してみるのも良いかもしれない。

自分の決断と行動がすべてを動かす世界は厳しくも、新しい世界が広がっている。

ADDIXY 24SS season look




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