飲まない夏
気温が高い、晴れて青空、気分はハイ。
怒りや苛立ちも飲む口実のスパイスになりそうで、危うくコンビニまで軽快に走って行きそうな気持ちを押さえ込む。
無駄に饒舌、早口。空腹なのに元気。
月経の直前なのに、落ち込まない、肌も荒れない。これが数日前のヨガと風呂のせいだとも思えない。連日カレーを食べ、心と体は整えたつもりだがこの気分の盛り上がりはやばいサインだ。
エネルギーと時間の使い方を間違えている。
落ちる気持ちを平静に保つより、わけもなく舞い上がる気持ちを鎮める方が厄介だ。
かつてのこんな日は、エスニック料理にタイガービール、二軒目はウイスキーでキメて、クラブへ繰り出しテキーラを浴びて、虚しくなるまで飲み続け朝日を恨みながら眠りにつくのがお決まりだった。
ハイなときほど、普段の鬱憤、抑え込んだ怒り、洗い流さなかった悲しみ、言えなかった言葉が歪んだ形で飲酒欲求として表出する。
ドス黒い冷えたマグマのような負の感情。
今年はしらふで処理する方法を考えるか、忘れるか、突き離すか手放すか選択しなければならない。
深夜だがこれから湯船につかる。
いつもの夜と変わらないが、あすの午前中が少しでも充実したものになることを願っている。