ベチバーベチバー 6月4日~365日の香水
学名はヴェチヴェリア~
香料としても、アロマセラピーの精油としても重用されるベチバー(vetiver)の学名はVetiveria zizanioides、という。ここから捩ったのか今日の香水は「vetyverio」というネーミング。
Vetiver、Very、いろいろな語感のミックスという感じかもしれない。
メンズフレグランスの王道
「Vetiver~」、~にブランド名が入る形でのベチバーをメインにした香水は歴史的にもたくさんある。
ゲランやカルダンなど老舗のベチバーをすぐに思い起こす。
セルジュ・ルタンスやフレデリック・ マレなどの独立系ブランドでも手掛けられている。
ビターで少しスモーキーな香調はメンズフレグランスの王道であった。
フゼアタイプがある時期からかなり明確にラベンダーを利かせるようになって、「バスルームで身だしなみを整える男性」を彷彿させるイメージになったのに対して、ベチバー系のメンズフレグランスは、「一日の終わりに書斎で静かに時を過ごす」ような場面が浮かぶ。
葉巻まで燻らせるとタバック、オリエンタルになっていくので、それはせずに、瞳を閉じて一日を振り返っている感じ。
アロマセラピーでは「静寂の精油」と言われているので、香りの効能面でも、書斎のイメージはベチバーにフィットしている。
アーシング
イネ科の植物は生息分布も広くて種類も多様。シトロネラやレモングラスなどもその代表。スッキリしていて、その名からも少し柑橘様の香りがするこれらと違い、ベチバーはスモーキーで土っぽいのも面白い。
イネ科植物の根を水蒸気蒸留することで得られるベチバーの香りは、そのものが大地とのつながりを感じさせ、感じることで心に静めるのかもしれない。
グラウンディングやアーシングのイメージともつながっていくから、このあたりは21世紀的ベチバーの可能性かもしれない。
vetyverio/diptyque/2010
最初に感じるのは爽やかで優しいグレープフルーツ。ミドルノートからはローズやゼラニウムなどのフローラルが幾分控え目に香りだす。
ブランドリリースによれば、ハイチ産、ジャワ産のベチバーを処方しているとのことだけれど、ベチバーは他を圧倒するような出方をしていない。
それゆえ、沈思黙考の書斎から出て、人との語らいを楽しむようなイメージの香りになっている。
ネーミングはベチバー推しだけれど、”いかにも”な感じを出さずに、シトラス、フローラル、ムスクなどと調和させていて、ユニークなベチバー系になっている。
21世紀のベチバーは、大地とつながり陽光のもとで気持ちをほぐしてくれる、のかもしれない。
香り、思い、呼吸
6月4日がお誕生日の方、記念日の方おめでとうございます。