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生きるとは芝居のようなもの
貴方の心の中の世捨て人
サラブレッドとして生まれ育ち、スキルもパーソナリティも備わり
もちろんモテる。なのに、ちょっとした運命の悪戯で、世捨て人になる。
これは一つのヒーローのパターン。
さて、本当に世捨てになるかは別にして、どこか心の中に”世捨て人を住まわせておきたい”思いを持つ人も少なくないのではないかな。
社会でのポジションや人の評価ではなく、むしろそういうことを厭わしいと感じて、自分の心の中に解放区をつくる。
ある意味コミュニティも
今は、それがサードプレイスと言われて、そのサードプレイスにもたくさんの選択肢があるし、その分、”現世との両立”もたやすくなっている。
サードプレイスとしてのコミュニティの機能を考える時に、”心に住む世捨て人の受け皿”としての機能があるように、時々思う。
スポーツや読書の場合もあるし、問うことが大事な場合も、子育てで繋がる場合もあるけれど、その人が定義する社会や世間とは別の居場所。
戯劇人生
源氏物語宇治十帖のキーパーソンと言える八宮は、ちょっとした運命のめぐり合わせて高貴な生まれながら都から離れた宇治を居場所にした。
宇治は都に対する隠れ里、竹林、もっと言えば異世界とも言えるから、彼は源氏物語における隠者とさえ思う。自身は十分現状に満足し、仏道に学ぶ。
美しい娘たちのことだけが、気がかりではある。
そんな八宮を表現した香りには、『戯劇人生』という副題をつけた。
人生は芝居のようなもの、実体があるようでなく、喜びも悲しみも、芝居の一幕に過ぎない。
大人の余裕と思えたこの俯瞰した視点。
今思えば、大人だから味わう諦め、の側面もある。
どっちにしても、見苦しさがない。その一点で八宮に好感を持つ。
香りは東洋的なウッディノートを複数使って、さらにメンズフレグランスに重用されるベチバー、タバック(葉巻たばこの香り)をアクセントにした。その人の容姿を想像しながらローズ、フランキンセンスも忘れなかった。
それは20代の私が捉えたイケオジのイメージ。
今ならもっと、ローズの比率を上げて、スズランなんかも少し足したい。