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世界の半分イスファハン 4月19日〜365日の香水

マカロン
ライチとフランボワーズ、バラのクリーム、あのピエール・エルメのマカロンは華やかなローズピンクで見た目も複雑さはないけれど芸術的に完成されている。
一つの夢の世界として存在している。
この定番のスイーツの名はイスパハン。
あらゆる自然やアートからインスパイアされてスイーツの世界でクリエイティブをしてきたピエール・エルメ氏らしい着眼で、イスパハンとはダマスクローズの園芸品種の一つ。この薔薇の花をイメージした”作品”がマカロン・イスパハン。

薔薇
マカロンのイメージのもとになったイスパハンという名で人気の薔薇は、十字軍に遠征により13世紀にヨーロッパにもたらされた。
ダマスクローズ種だけあって、園芸品種でも香りがかなり魅力的なようだ。マカロンで見事に再現されたピンクの花は、開花期が比較的長いことも特徴らしい。最も早く咲き、最も後でも咲くという言い方があるようだ。
ヨーロッパにもたらされて、人々を魅了し続けている花の一つのようなので、きっとこれもナポレオンの元妻ジョゼフィーヌのマルメゾン宮殿の庭園で栽培されていたのではないだろうか。

中世都市
園芸品種の薔薇イスパハンは13世紀ころ、十字軍の遠征によってイスラム世界からヨーロッパにもたらされた。
花の名のイスパハンは中世都市の名からきている。日本語読みでは「エスファファーン」「イスファハン」とされていて、今のイランのエスファファン州にあたる。16世紀に建立されたモスクなど世界遺産もある都市。
古い時代から政治・文化・交通の拠点であったという。
いつか、中世イスラム社会の豊かな文化の一端に触れるために訪れたい場所の一つだ。
16世紀には大いに隆盛し「ここ(イスファハン)は世界の半分」と言われたほどだったという。東西世界のあらゆるものが集積したであろうから、そう呼ばれるのも納得できる。

ROSE ISPAHAN/YVES ROCHER/1996
香水が先かマカロンが先か。おそらくは香りが先なのだけれど、両者にはシンパシーがある。
ローズの香りもそうだけれど、フルーティー、バニラノートの甘さは高貴なスイーツに通じる。さらにイスラム世界の豊穣さを現すようなコクのあるアンバー。
とても官能的なローズ。
芳醇な文化に思い馳せながら芸術的なスイーツと共に、味わいたい。
それだけで、世界の半分がそこにあるかのような気分を味わえそう。
一緒にいただく泡もロゼで。

香り、思い、呼吸。
4月19日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。

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