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洗練、機転、宮廷で輝く愛人たち 12月29日~365日の香水
昨年の同じ日のNOTEがこちら
モンテスパン夫人
いただいたコレクションにあった”モンテスパン夫人”の文字。
書きながらモンテスパン夫人について、近いうちに調べよう、それなりのナレッジを得ようと思ったのに、実際には今日の今日まで、あの時から1ミリもナレッジは増えていない。というか忘れていた。
いい加減なものだなと思う。
唯一無二の危うさ
モンテスパン夫人はルイ14世の公式な愛人の立場を得ていた人。
当時、正妻のほかに側室として一人は公に認められていた。この座にあるかどうかは、振るえる権力、誇れる権勢、すべてにおいて破格に違っていたらしい。
トップに立つというのは、(自分がそうであったように)今度は誰かに取って代わられるという脅威とともにあるということで、愛人にしても、戦国武将にしても、スポーツの世界にしても、「安泰」とは程遠い「緊張」の日々の始まりなのかもしれない。
唯一無二という存在の危うさ、儚さ。まさに諸行無常の世界。
王の愛人の条件
古今東西、王の寵愛を受ける女性というのは、美貌だけではなく「豊かな教養」「それに基づく機知にとんだ会話」「芸術的センス」そして「気さくな一面」を持ち合わせた人が圧倒的に多い。
自身も一国の主ではあったけれど、カエサルの心をとらえたクレオパトラは戦略家であり才媛であった。
ルイ15世の愛人、ポンパドール夫人も政治に関しては国王の良き壁打ち相手でもあった。
教養については、深い知識や造詣を実にエレガントに少し洒落を利かせて話す必要もあったのではないか。
いわゆる「ひけらかす」ような話し方では興ざめだと思うからだ。
何を話すかと同時にどう話すかが洗練されている必要があったのだと思う。
モンテスパン夫人、ポンパドール夫人、そのような奥義を一度彼女たちから学んでみたかった。
EAU DE NICE/VITA CITRAL/1958
VITA CITRALは現在はAPESTAという企業に吸収されているけれどブランドラインとして存続していて、その中に「1958年のオードニースの再解釈」として香水が紹介されている。
そのことから、私の古いパッケージのコレクションは1958年版と考えている。
ニースとモンテスパン夫人の繋がりは不明だけれど、ニースの香料植物の良質なエッセンスが夫人のために献上されたのかもしれない。
香りはミュゲやローズなどの淡いグリーンフローラルにソープ様の香気が漂う。
現代とはまるで異なる価値観の中で、生きた宮廷の女性たちへと想像がひろがる。
香り、思い、呼吸
12月29日がお誕生日の方、記念日の方、おめでとうございます。