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ある大学生のNHK理解

202406300959 A.J.     ある大学生のNHK理解

 ずいぶん前のことですが,首都圏にある某国立大学の学生数人と(東京・渋谷の)NHK放送センターに行った時のことです。あるバラエティ番組の拍手係(?)のような要員として駆り出されました。確か交通費程度のお金をもらった記憶があります。番組はまぁ面白くもあり面白くないこともありでしたが,収録風景を現場で見られたことは興味深かったです。

 本題はこれから。一緒に行った大学四年生の男がNHKで働いている職員たちを見てこう言い放ちました。
「ここにいるNHKの人たちはみんな国家公務員なんですよね」
私はそれを聞いてから一分間,口があんぐり開いて言葉が出ませんでした…

 ええっとですね。その男はもうすぐ就職をする大学四年生だったんですよ。それがいくら何でもあんまりです。ものを知らないのもここまでくるか…大学の四年間で彼は一体なにを勉強してきたのか。彼の専門(専攻は忘れました)が何にせよ,一般教養というものが彼には無いのか,とガックリきました。

 日本放送協会(NHK)とは何か,というのは意外に分かりにくいです。それは認めましょう。受信料を払え払えってうるさいくらいに広告している。あれを(テレビがある場合は)支払う義務があるから受信料を『税金』だと勘違いするものわからないでもないです。もっと細かいことを言えばNHKの予算は国会の総務委員会で審議されるからなおのことNHKって国営放送? という気になっても不思議ではないかも知れません。
 『NHKは公共放送です』とうたっているから『国営放送でない』という理解は普通には難しいとは思います。でも大学生だったらその違いくらい分かれよ,というのが私の考えです。

 実は,NHKは『特別な法律(放送法)に基づいて作られた法人』です(これは確かにわかりにくい)。その予算(収入)のほとんどはテレビを持っている人が支払う受信料を集めたお金であって税金からではありません(一部の国際放送は除く)。職員も公務員ではありません。

https://www.nhk.or.jp/info/pr/broadcast-law/

 放送法の細かい条文まで知る必要はなく,また他の民間放送局(毎日放送とかフジテレビなど)と違う点がわからないのも仕方ない気はします。でも何だかわからないけれどNHKは少なくとも国営放送ではない,という認識は大学生くらいになれば欲しいです。

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