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ザ・ピーナッツバター・ファルコンと新社会人
こんにちは。
「映画にまつわる思い出」というテーマで募集中のコンテストがありましたので、参加してみようと思い、この文章を書きます。
noteのお題に参加するのは初めてですが、頑張って書きたいと思います。
学生時代、私は東京に住んでいました。
地元への就職が決まり、東京を離れるまで残り1週間となった2月の平日昼間。
新社会人としての不安で押し潰されそうになっていた私は、部屋に籠っていても考え事をしてしまうので、あても無くアパートを飛び出しました。
気を紛らわす何かがあるかもしれない。
そう思いながら渋谷の街を歩いていると、ふと1つのポスターが目に留まりました。
「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」
湖に浮かぶイカダと青い空が印象的なポスター。
ポスターに吸い込まれるように、映画館へ入ったことを今でも鮮明に覚えています。
渋谷のビルの7階にある「ヒューマントラストシネマ渋谷」という映画館です。目の前を何度も歩いていたのに、この場所に映画館があるとは気づいていませんでした。
現代風のオシャレな内装の受付とはうって変わり、座席は、どこか懐かしいふかふかとした座り心地でした。
平日の昼間ともあって、人は片手で数えるほどしかいません。
ミニシアターといった広さでしたが、それでも寂しいほどでした。
映画が始まりました。
イカダのポスターと「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」というタイトルしか知りません。どんな映画か全く想像できない中、始まりました。
アメリカの田舎。
ダウン症の少年が憧れのプロレスラーを目指すために施設を脱走するところから始まります。
ひょんなことから少しイカツイ見た目の若い漁師と出会い、ともに旅をする物語です。
少年とイカツイ漁師というデコボココンビが紡ぎ出す会話が、ハートフルな雰囲気を醸し出します。
ゆったりとした美しい風景、デコボコの友情、少年心をくすぐる旅…。
Z世代の言葉にするとエモいがぴったりでしょうか。
映画を見終わった感想は「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」は最高にカッコイイでした。
夢を追いかけて、ひたすら真っすぐ進む姿に自分も新社会人として頑張るぞという勇気を与えてくれた作品でした。
仕事をする中で挫けそうになった際は、この映画を思い出し、心の中で「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」と叫びます。
すると、なぜか心のモヤモヤが晴れるのです。
私の座右の銘は「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」なのかもしれません。
営業先から帰ってきた時に事務所内で、「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」と口に出してしまい、上司に「ピーナッツバター?えっ?」って顔をされた話は内緒。
当時、この映画は宣伝もあまりされておらず、上映する映画館も少なかったことから、スクリーンで見た人は少ないのではないでしょうか。
予告編がYouTubeにあがっていたので、よかったらどうぞ。
U-NEXTで本編を見ることができるようです。
ハリウッドのようなドデカスケールの話も良いですが、たまにはゆったりとしたロードムービーはいかがでしょうか。
WOWOWでも放送されていたようですが、現時点での放送予定は無さそうです。(WOWOWユーザーなので毎月部屋に番組表の載った冊子が届くのですが、見たところ無さそうです。)
WOWOWでも再上映してくれないかなぁ…
WOWOWの偉い人よ。何卒、お願いします。(図々しさだけは一人前な私です)
▼東京神保町で本屋さんやってます。来てね。