「お水取り日記」 第2部(無料)
第2部目次
(まえがき)
●2020年●
3月16日/大吉方お水取り旅行で水戸へ
3月17日/二日目は日立駅の絶景
6月10日/大吉方旅行・1日目は大洗へ
6月11日/大吉方旅行2日目は佐原方面へ
12月22日/大吉方日帰りお水取りドライブ
【まえがき】
合作小説家「安達瑶」の片割れ、安達Oと申します。Oは血液型です。かつては「SMからSFまで」を標榜しておりましたが、現在はひたすら「楽しく読める」エンターテインメント小説を書き続けております。
そもそも僕は、スピリチュアル系に興味はありません。信仰心もありません。
しかし……今から15年ほど前、書き下ろし文庫本が売れなくて時代小説やジュブナイルなどいろんなジャンルに手を出しても低迷してどん詰まりに状態になったときに、ある人物から「ウソだと思ってやってごらん」と言われました。
「*時から*時まで、**の方位にいなさい」と教わるままにやってみたのが「吉方取り」でした。吉方に行ってその地に湧く自然水を戴いてくるのが「お水取り」で、奈良東大寺の「お水取り」とはまた別のモノです。
とにかく、言われるままにやっていたら、スポーツ新聞の連載が決まったり書き下ろし文庫「悪漢刑事」の増刷が決まったりして(第1作は19刷の大ヒットになり、第19作まで続きました)、ハッキリと目に見える「御利益」がありました。スピリチュアルが嫌いでも、効き目があるのだから続けてみようかな、と思うじゃありませんか。
「吉方取り」「お水取り」は、「方位学」に基づく「占い」です。「気学」とも呼ばれるようですが、細かいことは知らないまま、実践だけやっています。
小説の合作相手の相方・安達bは僕と対照的に、スピリチュアルなものに興味があるのですが、「吉方取り」「お水取り」には懐疑的です。ハッキリ言えば、信じていません。それでも吉方が同じで、行く先が奥日光だったり奥飛騨だったりすると、旅行という意味合いで同行してくれたりします。
「方位学」にはさまざまな流派がありますが、僕が「ある人物」から教わったのは、古代中国から続く方位学の理論「奇門遁甲」が元になっているものなのだそうです。かの諸葛孔明が使い続け、中国後漢末期から三国時代という長い時代に培われた、とされています。他には日本に於ける気学の祖と言われている園田真次郎が編み出したものもあるようですが、僕は知りません。
「奇門遁甲」は気学の方位学で使われている九宮の吉凶判断の他に、十干、八門、八神、九星と呼ばれる項目や、東洋占術の「命術」と「卜術」の基礎知識がないと理解を深めることが難しいようです。
とにかく、まずは自分の星を算出します。その方法はネットで検索すると出てきますので、それに従ってください。簡単に出ます。ちなみに僕の星は「六白金星」です。
星の廻りは毎年違うので、毎年新な年盤・月盤・日盤(これらもネットを検索すると出てきます)から吉方位とその時間を割り出し、その時間にその方位の場所に行き、可能ならその場所で湧く自然水を戴いてくるのです。流派によりますが、ネット上ですべてまとめて調べられるサイトが幾つかあります。検索してみてください。
この「お水取り日記」をまとめるのに際して、協力してくれた編集者のS氏から、以下のような質問がありました。
1 お水取りを知ったのはいつ?
2 お水取りってそもそも何(歴史も含めて)?
3 なぜお水取りを信ずるに至ったのか?
これらは既に書きました。
4 お水取りをするようになって、何かが変わった?
正直言って、始めた頃は御利益がある実感はありましたが、今現在はというと、情勢に流されているという感じになってきました。
今、出版状況は悪化する一方です。以前は吉方取りの御利益(と信じていました)で出す本すべて増刷がかかって順風満帆だったのですが……新型コロナ禍の影響も加わって、エンタメ文庫の主戦場たるエキナカ・駅近書店の閉店が相次いだことで、冬の時代です。増刷は滅多にかからず、初版部数も減り続けています。しかし……もうダメか、と頭を抱えていると、新しい仕事が舞い込んだり、不意の増刷が決まったりして、なんとか食いつないでいます。これが、御利益なのか、我々自身の努力の成果なのか、よく判りません。
5 お水取りの作法
6 お水取りに必要な容器
7 お水取りの方角・日時はどこで知る?
8 お水取りで取水した水をどう使っている?
僕は「方位学」に関して、ズブの素人です。教わったことをただただ実行しているだけで、何がどうなってそういう判断が出てくるのか、全く判りません。ただ、法則に従って割り出されることに従っているだけなので、方位学について僕がなにかを述べるのはおこがましいし、正確なことを述べる自信がないので、それについては僕が使っている参考書をご紹介します。
「九星開運手帳」
「九星開運歴」(カレンダー)
いずれも千葉の「泉妙易占学院」(https://www.senmyou.co.jp)が発行しているもので、割り出しに必要なデータはすべて載っています。
「お水取りの作法」に関しては、お水が取れる時間と方位を割り出してから、その地に「安全に飲める水」が湧いているかどうかを調べます。水道水ではなく湧き水です。「日本の名水」のような本やサイトに、飲んで安全な自然水が紹介されていますので、そこで調べます。さらにアクセスも調べます。とんでもなく山奥で人跡未踏の地には行きません。深夜の場合は特に安全な場所に限定します。宿泊施設(と、その付近)で井戸水が汲めるところや、温泉を直接飲めるところもありますから、そういう宿も検索の対象になります。
神社の境内に「御神水」が湧いている場合もあります。これが第一候補ですが、有名な場所だと物凄く混んでしまう可能性があります。休日のお昼時の有名な場所は、かなり混み合います。大きなタンクに大量の水を採る輩もいます。こういう場合、時間内にお水が戴けない可能性があるので、僕は避けます。
お水取りの理想的なパターンは、
「その時間までにその場所に着き」
「先に当地の神社にお参りして」(中国で生まれた方位学なのにどうして日本の神社なのかという疑問は湧きますが、「神社には『よい気』が集まっているし、その土地の氏神様に挨拶するのは自然なこと」と言われて、そんなものかと納得しました)
「その時間内にお水を戴き」
「その場で一口飲んでボトルに入れて」
「その翌日から8日間かけて飲む」
というものです。飲む量はコップ半分くらいでいいそうです。どうしてそうなのかは当然、知りません。日本の芸事一般のように「こうだからそうなのだ」というカタチで、理論は飛ばして納得しました。勉強すればその仕組みや原理は判るのでしょうが、僕は勉強していませんので。
お水を入れる容器は、洗ったペットボトルを使っています。特別な容器は不要です。夏場は保温水筒を使います。
煮沸しなければ危険で飲めないような水は健康に悪いので、戴きません。東京近郊の水は農薬が含まれている可能性があるので、用心しています。なるべく水質検査済みの「大丈夫なお水」を貰ってきます。
「お水取り」の時間が早朝の場合、交通機関を使うと辿り着けない時は先乗りして当地で泊まります。お昼とか夕方とか夜の場合は、お水を戴いた後、可能ならばその土地で一泊して、温泉に入ったりその土地の食べ物を食べます。時間もお金もない場合は、帰ってきますが。
という感じです。
いろんな星の巡り方によっては、お水が取れない場合があります。そういうときは、当然ですが、お水は取らずに、その地で2時間(最低でも40分。どうして2時間とか40分なのかは判りません)滞在して、帰ってきます。その地のファミレスやファストフード店で仕事をしたり本を読んだりするか、街をブラブラ歩いたりして時間を潰します。
以前はその地のお砂を少し貰ってきたり、その地に五百円玉や水晶球や願い事を書いた人形の紙や木片を埋めたりしたこともありましたが、今は止めました。理由は、その土地の砂を戴いてくるのも、何かを埋めてくるのも、氏神様に対して失礼だという話を神社の神主さんに伺ったからです。
9 お水取り情報のネタはネットで(無料で)調べられる?
その年の年盤・月盤・日盤は「気学」とか「方位学」「吉方」などのキーワードで検索すれば出てきます。これは基礎データなので、いろんな流派でも共通です。これに、「歳破」「本命殺」「本命的殺」五黄殺」「暗剣殺」という「五大凶方」や星の「相性」「相克」を加味して吉方位を出しますが、ここから先の「判断」は、流派によって違いが出ます。僕は前述した「泉妙易占学院」の会員になって毎年、データを貰っています。自分で調べる手間が省けるので便利です。
前置きはこれくらいにします。
では、僕が実際に「お水取り旅行」「吉方取り」をした「日記」をぜひお読みください。きっとツッコミ処が満載ですよ。撮った写真は、その日の本文の後につけてあります。
●2020年
3月16日/大吉方お水取り旅行で水戸へ
6時30分起床。久々に目覚ましで起きた。
晴れ。
本日は一泊で水戸に「大吉方御水取り旅行」に行く。去年は大吉方がなかったので、今年はチャンスはすべて行くことにしている。
手早く荷造りして、昨夜寝る前に書いた日記をアップして、愛猫くーたんにご飯を出しても、まだ7時。9時前の電車に乗る予定なので時間はたっぷりある。
アサメシはダブルソフトのトースト、ゆで卵、牛乳。
少し早めに出発。くーたんに留守を頼んだが、拗ねちゃったのか毛布に入ったまま。
お金を下ろしておにぎりとお茶を買って、常磐線下りプラットフォームの一番前へと進む。先頭車両にはクロスシートがある場合がほとんどなので。
待ち合わせ時間より早く相方も到着したので、予定より早い電車(土浦止まり)に乗る。車内はガラガラ。
土浦で乗り換える。番線が違うので連絡橋を渡ってプラットフォームを移る。
で、乗り換えたのは、本来乗る予定だった勝田行き。
順調に走って10時58分、水戸到着。
南口にある「ホテル・ザ・ガーデン」に荷物を預けて身軽になって、アイスクリームを食べたあと、北口のレンタサイクルで電動自転車を借りる。が、この北口のレンタサイクル、地下駐輪場にあって、結構距離があった。そして借りて地上に上がるのも結構大変だった。
で、地上に上がればペダルを踏み込んだらスイーと進むのでこりゃ楽チンだ、と思ったら、相方が電動自転車に慣れなくて難儀している。特に登り坂だとペダルが踏み込めないらしい。
駅から水戸の中心街を経由して偕楽園に行くには、丘を一つ超える形になる。
けっこう難渋しつつ、なんとか偕楽園の「東門」に到達。ここに自転車を置いて、まず常磐神社にお参りして、お水を戴く。(写真1)
が、常磐神社のすぐ近くに自転車置き場があった。しまった!
お参りして、お水を戴くが、御神水のすぐそばに「水神社」があってそこに水が湧き出している。こっちを戴くべきかと思って一度は戴いたのだが……浮遊物があったりするし、こちらは「水神社」。大変失礼で申し訳ないけれど、一度戴いたお水はその場にお返しして、改めて常磐神社の御神水を戴くことにした。お詫びとして水神社にお賽銭を入れて謝る。
お神籤を引いたら「小吉」だった。
そのあと、レストハウスに寄って、お昼を食べる。おれは「天丼」、相方は「天ぷらうどん」。天丼は控えめな味で美味しかった。
食べていると雷鳴と雨。豪雨ではなく、ポツポツと。しかし13時30分頃には過ぎ去ったので、レストハウスを出て、相方には待って貰って、自転車を取りに行く。
で、歩道橋を渡って千波湖。ここは相方もペダルを漕いで快調に走って一周する。千波湖は美しい。
湖畔の「好文茶屋」で休憩、白玉ぜんざいを食べる。
そのあと、「偕楽園公園拡張部分」にある「四季の原」へ。
この広大な場所は、「拡張部分」ということで近年整備されたそうなのだが、前はなんだったのか(千波湖は昭和期に埋め立てられてかなり狭くなって、水田になったらしい)調べてもよく判らない。今度行ったら公園事務所で聞いてみよう。
とにかく広くて、美しくて、素晴らしい。偕楽園の細かく手入れがされているのとは対照的に、広々としていて、気持ちがいい。風がキツくてちょっと寒かったのでアレだけど、夏なんかは芝生に転がったら気持ちいいだろうなあ。
さんざん走って、16時を回ったので、駅に向かう。しかしiPhoneのマップが違う指示を出したりしてマゴマゴして余計な体力を消耗し、JRの線路を越える長い長い橋を渡るのに相方が難渋し、北口にやっと出て、電動自転車を返し終えたらヘトヘト。いやおれはそうでもないのだが。
長い地下道を歩いて駅に出て、南口のホテルへ。
やっとこさ、部屋に入る。
広くてセンスのいい部屋。Googleの口コミには余りいいことが書いてなかったが、Googleの口コミはことさら悪口が多いからアテにならない。設備もいいぞ。Wi-Fiは繋がらなかったけど。
休憩して食事に出ようと思うが、相方はグロッキー。駅にあった吉野家でテイクアウトを買ってきて、もしくはホテルのロビーに隣接するイタリアン・レストランがルームサービスで出す弁当にして部屋で食べたいというけれど……せっかく水戸に来て、と思う。当初は、夜はヒマだから食事のあと、駅の近くにあるカラオケにでも行こうかと考えていたのだが。
おれだけ外出して「下見」。南口のビックカメラが入る「エクセル」ビルには、ラーメン店街やレストラン街がある。安い定食が食べられる店も入っている。向かい側のビルにもいろいろあるようだ。
情報を仕入れて部屋に戻る。
しばらく休憩したら相方の体力はなんとか少しは回復したようで、18時過ぎに南口「エクセル」ビルの6階に行く。
ここの「魚沼食堂」で、定食を食べる。おれはミックスフライ定食にグラスビール、相方はロースカツ定食。サイドで鶏の唐揚げを頼むが、一番美味しかったのは鶏の唐揚げだった。これは実に美味かった。しかし、ミックスフライは普通。
20時前にホテルに帰り、おれは「大浴場」へ。
大浴場と言っても、さほどでもない。けれど、ゆっくりお湯に浸かれる。サウナもあったけど使わず。
未だ余力があったはずのおれも、疲れが出た。やっぱり自転車で走り回ったら体力を使ってしまったのね。風もかなりキツかったし。
部屋に戻って、21時18分には寝てしまった。そのあと、相方は部屋のバスを使ったらしい。
3月17日/二日目は日立駅の絶景
6時起床。爆睡した。
昨夜ちょっと感じた寒気も風呂に入ったら飛んでしまったし、今日は快調。天気も大快晴 朝風呂を部屋のバスで入り、髭を剃って、7時過ぎにロビー脇のイタリアン・レストランで朝食。新型コロナ禍で朝食ブッフェではなく朝食セットの提供。これは仕方がない。和と洋を選べるが、こういう場合、洋だと玉子料理にハムかベーコン、トーストにフルーツというパターンだけど、和の方が手が込んでいる事が多いので、和にする。
ご飯と海苔をお代わり。オレンジジュースと牛乳とコーヒーを飲んで、ゆっくり食べながら、今日はどうしようか考える。
常磐線で北上して……仙台まで行くと帰りが大変なので、いわきまで行って引き返すか。海岸に駅舎が突き出た日立駅には寄ってみたい。
ということで、9時30分頃にチェックアウト。
10時5分発のいわき行きに乗車。
が、期待した海はさほど見えず。日立駅のあたりが一番海に迫った感じ〈本当は絶景ポイントがあったのかもしれないが)なので……高萩で下車。折り返す。ちょうどお腹も減ってきたし。
11時40分頃に日立駅着。
この駅は、太平洋に昇る朝日を一望できるとても美しい絶景ポイントだが、朝日がなくても美しい。(写真1)
この絶景を堪能できるカフェがある。そこでお昼を食べる。
おれはロコモコ。スープとコーヒーはお代わり自由。
絶景を眺めて、ゆっくりランチ。
帰路は、12時47分発の勝田・土浦乗り換えで、15時10分、北千住着。
その間に仕事の打ち合わせをするが、余り頭が働かず。今日は電車に乗っているだけなのに、なんだか疲れてしまった。特急のシートだと疲れなかったのかな?
しかし、そうも言っていられないので、北千住駅のクリスピー・クリーム・ドーナツに入って、祥伝社と実日第3話後半の打ち合わせを相方とする。なんだか、くーたんが心配で虫の知らせがあって、早く帰りたかったけど、話を詰めておかねば。
1時間ほど打ち合わせをして展開を決めて、解散。
急いで帰宅。
くーたんが出迎えてくれた。旅行から帰るとフレンドリーに出迎えてくれる時と、よそよそしい時があるが、今回は前者。
留守番のお礼を言って抱っこしてから、荷解。
と、なんだかグッタリしてしまった。こんな程度の旅行で、こんなにグッタリするのか? 特に今日は電車に乗っていただけなのに。
仕事をするか、日記を書いてしまうか、何かしなければと思いつつ、なにもせず。
腹もさほど減らず。
ソファに座って、寝てしまった。疲れてるのか……。体力が無くなったんだなあ。こんなことじゃ、遠くに行けないじゃん。
20時を過ぎて、あるもので夕食を済ませる。豆腐で味噌汁を作り、ご飯小、インゲンの胡麻あえ、さつま揚げ、のりたま。
再放送を続けて見て好きになったNHKのドラマ「これは経費で落ちません!」の第7回だけ、深夜の地震で放送が中断されてそのままになってしまったので、DVDをレンタルしたら届いていたので、見る。恋愛模様は抜きで、経理部の鋭い目線で謎解きをする話に徹底したら……と思ったけど、ヒロインの恋愛が絡むからいいのかなあ。きちんと見られなかった「第7回」は特に出来が良かった。
風呂に入り、ゴミ出しをして、ニュースを見る。 23時12分、就寝。
6月10日/大吉方旅行・1日目は大洗へ
目覚ましが鳴るより早く、6時47分起床。
明日は3ヵ月ぶりの「大吉方」。方位は「東北」。
外出自粛が続いていたら中止しようと思っていたが……。
今回は条件が厳しくて、お水が取れる時間は午前5時~7時。始発電車に乗っても間に合うかどうか。レンタカーは朝8時からだし、カーシェアリングってやったことないし……。
お水が取れる場所の近くで泊まれるところ、そしてなるべく安いところ、という条件で探したら、複数の場所の候補が出て来た。 最初は一人で行く予定だったので、一人泊可という条件もあった。以前同じような条件の時に宿泊した筑波山神社の「江戸屋」は、最近は一人客の宿泊はダメ。素泊まりならOKなのだが、筑波山神社周辺に夕方から夜に開いているメシ屋はないから弁当を買っていくしかない。しかし「大洗磯前神社」の近くには一泊2食の一人客OKの民宿「いそや」がある。
その後、相方が「旅行」として同行することになったが、その宿は料理自慢で安いので、2名に変更して予約。
茨城県は「東京圏からの観光客は来ないで」と言うことでマリンタワーや水族館などは入場制限がかかっているが……大洗磯前神社に参拝してお水を戴いたらおとなしく退散しますので。
というわけで、朝のモロモロを済ませて旅の支度を済ませても、まだ9時30分。向こうで少しでも仕事が出来るように、iPadに書きかけの原稿を仕込む。
10時20分に出発。11日は雨が降るかもしれないとの予報が出ているので、北千住駅まで自転車ではなく歩いて行く。
駅前のATMでお金を下ろし、東口の喫煙所で一服。
予定より早く相方と合流して、常磐線で水戸へ。車内は空いていた。
12時58分、水戸着。3月に来たときに入った南口の駅ビル6階にある「魚沼食堂」でランチ。トリカラ定食を食べる。美味い。前回はミックスフライを食べてイマイチだったが、サイドで取ったトリカラが凄く美味しかったのだ。
食後、14時30分のバスで大洗磯前神社前まで。鹿島臨海鉄道で大洗まで行って、大洗からコミュニティバスに乗ると言うことも考えたが、これなら乗り換えなしで行ける。
大洗は「ガルパンの街」(「ガールズ&パンツァー」というテレビアニメ)としても有名だけど、おれはその方面に興味がなくて知識もない。ガルパン・ファンには怒られるだろうけど……申し訳ない宿泊する「いそや」には「ガルパン資料館」が併設されていると、「アド街ック天国」でやっていたけれど。
15時過ぎに到着。料理民宿「いそや」は神社の真横にあった。(写真1)
チェックインして部屋に入る。風呂・トイレ・洗面所は共同だが、12畳はある部屋は無駄に広い。いや、狭いより広い方がいいけど。
おれは神社の「下見」というか、明日は早すぎて社務所が開いていないので、大洗磯前神社へ。今日のウチにきちんと参拝しておきたい。
長い階段を上る。マスクをしていると、最後の方で息が切れてしまった。
神社からは海が見渡せる。建物がなければ、磯に聳える鳥居も見えたろうに……。
手水処を確認。ネット情報では別にお水を戴ける場所があると。
参拝して、御守りを求め、お神籤も引く。「末吉」。その時に巫女さんに尋ねて、御神水を戴ける場所が判った。
境内ではウグイスがきれいな声で鳴いていた。
まだ15時30分。一番昼が長い季節。
相方とコミュニティバスに乗って町内を一周することにする。
ちょうどいい時間にバスが来た。この便はそのまま違うコースに入って、また元にルートに戻る無限大の記号∞のような感じで走るので、すごくオトク。とは言え100円でそんなに乗るのも申し訳ないので、途中でもう100円足した。運転手さんは「いいですよ」と言ってくれたのだが。
で、17時前に神社前の一つ手前の「観光案内所」に到着。ここで降りて、海岸線に沿って少し歩く。(写真2)
観光客はけっこう来ていた。今日は最高に天気がいいもんね。マスクをしている人の率は半分くらい。我々はメシを食う時以外はマスクをしていたが。
宿に戻って休憩していると、18時。夕食の時間。食事は1階の食堂で。ここはどっちかというと食堂がメインなようなのだが、今は食堂部は休業して宿泊だけ受け付けている。
じゃらんで予約するとき、夕食は豪勢だと知ったし、「少なめコース」もあったのだが、旅先の夕食がショボイと寂しいので、通常のコースにしたら……本当に食べきれないほどの料理がテーブルに並んだ。牛肉の陶板バター焼きに豚肉と魚介、野菜の蒸し焼き、刺身の舟盛りに鯛の塩焼きにローストビーフに天ぷら……。(写真3)(写真4)
どれも美味しくて、堪能。大満足。しかし、頑張って食べたのだが、鯛の塩焼きは全く箸を付けない状態で残した。そのまんまだから再利用できるんじゃないかと……。
それを宿のかたに言って謝る。
この食事が出て一泊1人8820円は申し訳ないほど安いので、ビールでも飲んで、と思っていたが、料理のあまりの多さに、注文するのを忘れてしまった。いや、ビールを飲んでしまうと料理をもっと残す羽目になっただろう。
部屋に引き上げて、21時のニュースを見てから、風呂。
今夜はもう1組だけで、そのお客さん(素泊まりらしい)は済ましたようなので、我々の独占状態。
風呂からあがって、BSの番組をしばし見る。古関裕而の「戦時歌謡・軍歌の音楽的責任」についての考察。番組としてはただ単純な戦意高揚ではなく、戦地に赴く兵士。前線での兵士の哀感をも描いているし、戦後も自らの責任を公言して、戦前の音楽活動を「意に染まぬもの」として責任回避をした人たちとは違う、とした。その判断は正しいと思う。
22時36分、就寝。
6月11日/大吉方旅行2日目は佐原方面へ
目覚ましが鳴る前に、4時45分起床。
手早く支度をして宿を出て、すぐお隣の大洗磯前神社へ。
起きて早々の階段上りは、へばった。
境内を見渡すと、誰もいない。
以前、千葉・上総一ノ宮の「玉前神社」に行ったときは、土曜の朝7時だったせいか、物凄い行列が出来ていて、しかもみんな複数の巨大タンクに水を入れているので列は全然進まない。せっかく始発に乗ってきたのに、ダメか、と諦めかけたときに、行列で待っていた一人のおばさんが敢然と立ち上がって「容器は一人1つ! その場で洗わない、飲まない! 後ろの人を気にして!」と声を上げた。と、驚くべき事に行列はどんどん進んで、おれもかろうじて時間内にお水が戴けた。そのあと、声を上げてその場を大整理した女性にお礼を言ったら「ダンナさんも声を上げなきゃ!」と言われてしまった。その通りなんだけど、そういう時に声を上げるのは相当な勇気が要る。「何の権利でそんな事を言うんだ!」と言われたら、それでオシマイだし。
その時の恐怖があるので、有名な場所でお水を採るときは用心を重ねている。まあ、今回は大洗という結構遠いところだし、朝も5時という時間だから、大行列が出来るとは思わなかったが……4時55分。誰もいないと拍子抜け。
閉じた門の前で参拝して、5時になるのを待つ。(写真1)
と、一人の男性が、手水処で御水を採り始めた。奥に龍の口の御神水の場所があるのに……。
しかしその男性は確固とした自信ある態度(に見えた)で、お水を採っている。まあ、いろんな教えとか信念があるし、そもそも「お水取り」だって、まったくなんの科学的根拠もないものだから、他人には何も言わないことにしている。流山の諏訪神社では、境内を掃除するための水道から水を採っていた人もいたけど。(写真2)
5時ジャストではなく、少し待って、5時5分頃にお水を戴き、ミッション・コンプリート。
磯に出て、磯に建つ鳥居を眺めるが……天気が悪くて朝日は拝めず。
宿に帰って、お湯に浸かり(「じゃらん」では「お風呂は24時まで」と書いてあったけど、24時間OK!、部屋に戻って荷造りをしてしまう。相方も起き出して、朝食までいろいろ喋る。
アンジャッシュ渡部の件。最初は「家庭内DV」説があって、渡部が佐々木希を殴ってるのか! と怒りの炎が上がったが、実際は、3年に及ぶ不倫。しかも多目的トイレでの性行為。相手の女性は「一人の女(「一人の人間」だっけ?)として扱って欲しかった」と言ったそうだが、それに対して「佐々木希に謝れ」とかツイートしたバカがいたと。その女性は結婚してくれとか迫ったわけじゃなくて、そういうことをするのでも、殺伐とした「行為だけ」じゃなくて、と言いたいのだし、それはもっともなことだと思う。もっときちんと扱っていればバレることもなかっただろうに。
まあ、渡部は、そういう「レイプ願望」があって、普通の場所で普通にやるんじゃなくて、そういうアブノーマルな行為が好きだったんだろう。ホントにレイプしたら完全にアウトだから、「安全なレイプ」がしたかったんじゃないの? ともあれ渡部は「佐々木希を妻にしておきながら、なんたる蛮行!」と、人類の敵になってしまったわけだけど。
で、7時30分。待ちに待った朝食。同宿の女性は完全素泊まりのようで、朝食にも来なかった。この宿で素泊まりなんて、もったいない!
朝から刺身。スクランブル・エッグにハム、カサゴの塩焼き、厚切りベーコンとほうれん草のソテー、ひじき煮にご飯と味噌汁。納豆も出て来たけど、おれは納豆が食えないので相方に。
カサゴの塩焼きが、物凄く美味しい。塩加減が絶妙で、昨夜の鯛より感動的に美味しかった。味噌汁も深い味わいで、絶品。出汁に秘密があるんだろうと思って訊いたら「普通の鰹出汁ですけど」って。じゃあお味噌かな?(写真3)
とにかく大満足。
チェックアウトの時に、東日本大震災の時に被害があったのか伺ったら、港の方は4メートルの津波が来て大きな損害が出たけど、神社周辺は高いところにあったので助かったと。しかし大洗の被害についてはほとんど報道されなかったらしい。しかし、ガルパンのファンが駆けつけて、ボランティアで大洗の復興を助けてくれたらしい。こういうファンがついている作品は、素晴らしいと思う。
9時前にチェックアウトして、バス停に行き、9時のバスで大洗駅へ。
30分の待ち合わせで、鹿島神宮行きに乗る。久々のディーゼルカー。結構やかましいし石油臭いのね。
臨海鉄道と言いながら、線路は山の中を走ってトンネルも多い。海より北浦とかの方がよく見えた。
10時50分、鹿島神宮着。向かい側に停車中のJR鹿島線に乗り換えて30分ほど待って、11時23分発の佐原行き。鉄橋で幾つもの川を渡って利根川も渡り、11時44分、終点・佐原着。高校生が山ほど降りた。
駅前の観光案内所に行ってコインロッカーに荷物を預け、レンタサイクルを借りて、出発。
佐原については、映画「月光の囁き」を夕張映画祭で見て、ロケ地だった佐原の街の佇まいに心惹かれて、一度ゆっくり散策したいと思っていた。なかなかその機会がなかったのだが、ようやく来る事が出来た!
街を流れる小野川(運河だと勘違いしていた!)の辺りは「小江戸」と言われるだけあって、風情があって、素晴らしい。閉まっている店も多かったけど……自転車で走り抜けるより、ゆっくり歩いたほうがいい感じだなあ。
舟巡りもあって、随時出発ということだったけど、今回は自転車で走って、街の全貌を掴んだ方がいいんじゃないかと思った。(写真4)
風はキツいけど幸い、天気は保った。
13時過ぎに、洋食の老舗「東洋軒」を探し当てて入る。
メニューに「ポークジクセル」という見慣れない料理があったので伺ったら「ポークピカタ」のことだというので、お願いする。相方は「チキンジクセル」。しかしこれはポークの勝ち。一口貰ったチキンも淡白で美味しかったが、ポークの方が美味かった。このお店は「アド街ック天国」でも紹介されたらしい。覚えていなかったけど。(写真5)
食後、また小野川方面に戻って伊能忠敬記念館の脇道を入ったりして駅に戻り、自転車を返す。
コインロッカーから荷物を出そうとしたら……おれが間違えて空のロッカーにお金を入れてロックして、肝心の荷物を入れた方はノーロックだった!なんというバカな事を!おれのバカバカバカ! しかし、幸い、荷物は無事だった。
ここでも30分ほど待って、14時52分発の成田線成田行きに乗る。
田ん圃の中を走る。緑一色の田ん圃が美しい! もう少し稲が育つと風に波打って、なかなか感動的な風景が広がるだろう。
15時25分、成田着。ここでも停車中の電車に乗って30分ほど待って、16時38分、我孫子行きが発車。
我孫子で降りたら、即、常磐線がやって来たが、高校生がどっと乗って車内は混んでいたので、止めて、1本後にするが……千代田線に入る各駅停車に乗ることにしてプラットフォームを移動。
次の常磐線快速と同じ時刻に発車するが、所要時間は7分しか違わない。
高校生がどっと乗ってきたが、新松戸でどっと降りた。
で、18時前に北千住着。
疲れていたし、雨も降っているので、タクシーに乗ろうと思ったが、ここは節約!
歩いて帰宅。
くーたんは出迎えてくれたが、素っ気ない。拗ねている。
荷解きして、メールチェックしたり。
夕食は、トーストを1枚焼いて食べたが、牛乳をやたらに飲んだ。
昨日今日の日記は明日書くことにして、20時頃に風呂に入り、ニュースを見ていると寝てしまったので、22時50分、就寝。
12月22日/大吉方日帰りお水取りドライブ
6時30分起床。
晴れ。
本日は、大吉方。本来は泊まりがけで仙台の南にある「金蛇水神社」やその周辺の神社を巡る旅行を予定して予約していたのだが、新型コロナ禍がいっそうひどくなってきたので中止した。しかし、年数回しかない大吉方とお水取りは是非したい。
ということで、日帰りで筑波山神社に行き、そこから足を延ばして常陸国の古代より信仰の聖地で近年はパワースポットとして有名な御岩神社に詣でる。この御岩神社は、スペースシャトルからこの御岩神社に光の柱が立っているのが目撃されたという話を聞いて、俄然、行きたくなった。
寝る前に書いておいた日記に加筆してアップし、くーたんのご飯を出し、ロールパン2個とホットミルクの朝食を摂り、7時45分、外出。
レンタカーは8時に借りているが、ニッポンレンタカー北千住営業所は8時から。どうなるんだろうと思いつつ行ってみると、やっぱり、8時前から営業していた。
前のお客さんの応対終了を待って、借り出し。ダイハツのブーンだった。前回の取材ドライブではトヨタのヤリスだったが、ブーンの方がいろいろ使いやすい。車載ナビはiPhoneとも簡単に繋がったし。
8時20分に相方をピックアップして、首都高から常磐道。
途中、守谷サービスエリアでトイレ休憩し、オニギリを買い、車中で食べる。
予定通り、1時間30分で、筑波山神社到着。神社に一番近い1時間無料の駐車場に駐めて参拝し、お水を戴く。お神籤を引くと「大吉」。有り難いお言葉が並んでいる。
作品を子供とみなして、安産のお守りを買う。
神社のそばにある旅館「江戸屋」で日帰り入浴とお昼を食べるつもりだったが、昨日確認したら年末まで休館。極めて残念だがこのご時世、仕方がない。
では、ということで、奥日立にある「御岩神社」を目指す。
御岩神社でもお水を戴けるのだが、初めて行くところだし、有名な神社なので物凄い数の人たちがお水を汲みに来ているかもしれないので、今回はこちらでのお水取りは断念した。
途中の友部サービスエリアで昼食。ここは意外に店が少なくてガッカリ。フードコートで豚の角煮ラーメンと半チャーハンを食べる。(しかし上りの店はお店が充実していた。どうして下りがショボいんだ?)
90分ほど爆走して、日立有料道路に入る。海がぱあっと見えて、絶景。高台から見る海は圧倒的に視界に迫ってくる。
山道をしばらく走って……「奥日立きららの里」を過ぎると、ほどなく「御岩神社」。14時頃到着。
山奥にある荘厳な雰囲気の神社だが、近年、爆発的に参拝者が増えているらしい。
参道を歩き、お水を戴ける場所(神社手前にある豆腐店・そば屋の敷地内でもお水を貰える)を確認して、参拝。
本殿の背後にある「御岩山」の山頂がパワースポットらしいが、60分の登山なので、今回は断念。
しかし、この神社は身が引き締まる空気に包まれている。(写真1)
参道を歩いていて右足が痙りそうになったが、これはずっとアクセルを踏んでいたからだろう。
参道の外側にある、登山道に続く古道を歩く。この雰囲気が本当に素晴らしい。(写真2)
しかし……さすがに寒い。
御岩神社ではお水、いただかず。
15時過ぎ東京に戻ることにする。到達予定時刻は17時50分。どこかで夕食を食べてガソリンを入れても20時の返却には余裕で間に合うはず。
しかし……夕陽がモロに目に入って眩しいし、前がよく見えない。ちょっと危険を感じたので、友部サービスエリアに退避。一服して夕陽が沈むのを待つ。
そして、守谷サービスエリアに17時40分頃入り、夕食。おれは、びっくりドンキーの「レギュラーバーグにトリカラ付き」にする。ここまで来てびっくりドンキーでもないだろうとは思ったが、普通のお店ではトリカラ付きはないので。
食べていると「フードコートは18時で閉店します」とのアナウンス。いや~、滑り込みだった!
その後、料金所手前や首都高合流での渋滞があったがたいしたことも無く、相方を送り届け、ガソリンを入れて、無事、19時10分頃に返却完了。
今回はビシビシと予定通りに事が運んで、実に気持ちがいいドライブだった。 帰宅して、さすがに疲れた。けっこう強行軍だったし。
ニュースを見て、ゴミ出しをして風呂に入り、録画した「町中華で飲ろうぜ」再放送を見て、0時18分、就寝。
「嘘をついてはいけない」という実に真っ当な修身の教科書のような夢を見た。知人が確定申告を誤魔化したり経歴詐称をしているのを見て「一度嘘をついてしまうとツジツマを合わせるために嘘をつき続けなければならなくなる。これは実に面倒なので、正直にやろう」と言う。どうしてまた改めてこんな夢を? たぶんこれは北関東2大パワースポット神社巡りをした霊験なのだろう。
「第3部」へ続く……
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