〜リードビジネス〜自社にとって貴方にとっての見込み顧客を創るコト
■はじめに
広告運用者ではなく、Webマーケッターを目指すのであれば広告以外の領域の理解は必須です。
BtoBや個人事業主相手のビジネスでは、リードビジネスが幅広く用いられます。
端的に言いますと、オプトインを取得して最終的にマネタイズさせる仕組みです。
私はFacebook広告などの運用で直近、リードビジネスを主体とした様々なビジネスに関わっておりこのビジネスへの理解が急務だと感じました。
運用者は基本、広告を使ってリード=見込み顧客を集めるのが目的です。
しかし、良くある話で…
「引き上げがうまくいかない」
「フロントの質が悪い」
などと広告停止してしまう場面が殆どです。
いわゆるマネタイズができておらず、赤字が続く状態です。
広告運用者はフロントのCPAを守るのが当然として、やはり自身もビジネスを続ける為にはクライアントのマネタイズ状況も改善着手できなければ意味がありません。
今回はそんなリードビジネスの理解を深めるべくして、下記書籍を選定しました。
『リードビジネス"打ち手"大全』こちらの本は長年BtoBのリードビジネスに携わってきた著者がまとめた86もの打ち手をまとめた書籍になります。
半数はクライアント様が行って頂く内部の仕組みの話でしたが、運用者として、Webマーケッターとして最低限且つ改善する為に必要な要素を抜粋してまとめました。
■リードビジネスは恋愛に似ている
書籍を読んでいて、最も印象に残っているのは、「リードビジネスは婚活に似ている」という概念です。
婚活はアプリ→SNS→デート→お付き合い→同棲→両家へのご挨拶→結婚
上記が主な流れです。
一方で、一般的なリードビジネスも下記の流れが一般的です。広告・書籍などの媒体→LP/HP→オプトイン→教育→セミナー&個別面談→成約
確かに、見込み客=恋愛における脈アリと考えると自分が普段異性にどういったアプローチをしているか?に置き換えて考える事ができました。
アプリでのやり取りが良好であればSNS(LINE)でのやり取りに発展する、これは初めはメールアドレスの情報のみの取得だったリードが更に自社へ興味を持ち別の情報を入力するのに近いと考えられます。
異性を相手にしていると考えると、一斉送信型のメルマガや個別のやり取りもしっかりデートに誘えるか?などと考えられるので、正しくないアプローチをしていないかの見極めや見直しができます。
また、生活に置き換えると
「電話を挟むのはどうか?」
「接触の機会としてSNSを用いるのはどうか?」などと新たなアイデアも創出できます。
柔軟な発想を生むには、是非とも知っておきたい大前提だと思いました。
■リードマグネットで見込み客を呼び込む
リードマグネットとは…
リードマグネットとは 将来の見込み客(リード)がメールアドレスや連絡先情報と交換する賄賂(わいろ)です。 ホワイトペーパーや資料、Ebook、チェックリスト等、いずれも見込み客と関連性が有り、価値が高いことが条件。 リードジェネレーション成功の要です。
https://suzumoritakumi.com/how-to-make-lead-magnet/
つまり、オプトイン後に登録者が貰える特典やオファーを指します。
直近色々な企業・個人事業主のLPを見ていると、ただ特典があれば良いという内容が多くあります。
個人的にはリードマグネットを用意するメリットとして、ユーザーの目的をメルマガ登録ではなく、登録後に貰える特典が欲しいという解釈に変えられる事がメリットと考えます。
つまり、登録前に提示する内容が価値のある内容か否かを即座に判断させる必要があります。
なのにも関わらず、特典のPDFがじっくり読み込まないとわかりにくいタイトルであったりとするケースが散見されます。
または端的に「メルマガに登録して〇〇STEPを読む」というケースもあります。
ここは、見込み客が普段どういった内容に興味関心があるのかを探り作っていく必要があります。
ユーザーが何かを知りたい・買いたい・行きたいと考えている際に検索するその瞬間をGoogleではマイクロモーメントと提唱しています。
リード獲得にあたってのコンテンツ提供は、マイクロモーメントを意識したコンテンツ提供が必要になります。
検索行動は様々ですが、本書では下記の視点で作成する事を提示しています。
・使う人
・検討する人
・お金を出す人
これを「3つの眼」として、最適な内容でコンテンツを準備します。
例えば弊社、リスティングプラスの場合です。
弊社でも多くのホワイトペーパーや電子書籍を用意していますが、問い合わせをする方の傾向も様々です。
・企業のWeb担当者
→決裁権はないので、概要資料や料金体系を提示する
・個人事業主
→概要資料や直接アポ
・中小企業の経営者
→概要資料や具体的な事例、セミナー開催の実績など
問い合わせを行う層によっても刺さるコンテンツは異なります。
端的に考えれば、リードの問い合わせの際にもっている悩みを答えにする事が重要です。
■運用者はクライアントの内部情勢を知る
企業のWeb担当者は、当たり前ですが自社サービスの全てを熟知している訳ではありません。
その為、自分のやり取りしている相手がどの領域まで絡んでいるのかを追う必要があります。
クライアントが個人事業主ではなく、企業の場合はプロモーションの流れとして、
マーケッター→セールス(営業)という体制になっています。
マーケッターはフロントで集めたリストを元によりナーチャリングをかけて営業部門またはチームへ渡します。
直近私のクライアントもその様な体制で動いている所がありました。
一見、しっかり体制が整えられているなと感じたのですが、セミナーへの引き上げ率やセミナー参加者への施策など満足度向上や着席率の部分での連携が取れていないとの事でした。
これでは、運用者→クライアントのマーケッター→クライアントのセールスに情報が届くのに時間がかかってしまいボトルネックである引き上げ率の改善などの着手が遅れる恐れがあります。
どこまでの領域を知れるかもありますが、基本的に運用者もクライアントの担当者の接点ポイントを知り、提案をしていく必要があります。
これには下記の考えも持つ必要があります。
リードとは言え、大きく分けて3つの段階があります。
・潜在リード(広告)
・顕在リード(無料セミナー参加者)
・見込みリード(商談・面談者)
先の話に挙げたクライアントの場合は潜在リードの広告部分の担当でした。
仮に担当が忙しい様であれば、差支えのない領域で顕在リード、見込みリードの領域の担当も巻き込んでビジネス理解をする必要性があります。
■商流=チャネルを設計する、知る
商流=チャネルとは、ビジネスをマネタイズするまでの一般的な流れを指します。
インターネットでは主に、広告経由またはオーガニック(自然検索)経由のチャネルがあります。
広告は手段に過ぎないというのはいわゆる、チャネルの顔出しの部分がメインになるからです。
リードを取得するのが目的であれば、オウンドメディアや展示会・セミナー、プレスリリースなど様々な手法があります。
結局は数ある手法の1つを運用者は担っているだけです。
上記のチャネルはいち早く運用者は知っておくべきポイントです。
どの部分でクライアントがマネタイズするのか?という視点です。
冒頭の話でもあったように、リードの獲得(フロントCPA)が上手くいったとしてもその後の引き上げが悪ければ赤字になります。
クライアントに注力して貰わないといけない部分を確認しテコ入れを提案する事が重要です。
例えば1ヶ月後に売上を1500万円目指しており、商材の単価が300万円だとします。
その場合、受注件数は50件必要になります。
手前のナーチャリングではどれ程の数のリードが必要でしょうか?
それは企業事の引き上げ率にもよりますが、
手前で重視する指標もあります。
それは案件化率です。
リードの引き渡しが100件(獲得数)とした場合に案件化率は20%そして引き上げ率が25%の場合は期待件数が5件になります。
5件がそのまま単価通りの受注になれば1500万円の営利に繋がるので、各指標は必達です。
この様に目標から追っていくと、運用者に与えられた時間や真に改善すべきボトルネックが見えてきます。
実際にはリード引き渡し件数の前には広告時点でのリード獲得数が含まれるので考える肯定は多くなりますがそこから予算の提案や媒体提案に繋げる事で実のある提案になると思います。
日頃どうしても媒体事の管理画面数値に目がいきがちですが、お互いのビジネスのスケールの為にも真には上記の数値そしてチャネルの理解をしておく必要があります。
■クライアントのナーチャリングの動きを探る
リードナーチャリング=育成の場面で用いられる手法はメルマガです。
良く現場では
「メルマガの開封率が…」
「ステップの数は?」
といった声があがります。
メルマガに関しては、実は大別して4つの型に分類することができます。
壱の型
一斉型メール
→リード全員に一斉に同じタイミングで送るメールです。
頻度を調整しないとネタ切れやオプトアウトに繋がります。
弐の型
ターゲティング型メール
→獲得したリードを業種なとで絞込み、アプローチをします。管理が煩雑なのとオフラインでの対応も必要になります。
例えば、過去にセミナーには参加しているが個別面談には至っていない…などです。
参の型
ステップ型メール
→リードの行動を起点に3日後…5日後…と決まった内容のメールを決まったタイミングで送る流れです。
肆の型
シナリオ型メール
→初回のメールの送信後にリードの反応に応じて、個々のリードに異なるアプローチを行います。
初回メール送信
→Webサイトへアクセス→シナリオA
→無反応→シナリオB
簡潔に言えば上記の流れです。
本書では理想なリードに仕上がるのは、1%と言われています。
成約率を高めるあまり、煩雑なシナリオにしない事も重要です。
近年では、LINEを活用した上記の様なナーチャリングも重要視されており、サポートする為のCRMのツールも多く存在します。
弊社リスティングプラスでも『Liny』とと呼ばれるLINE社とのパートナー提携、東京都も導入をしたツールの導入サポートなども行っています。
運用者としても、殆どのクライアントはLINEを使ったリストマーケティングをやらない手はないと思うので、ツール理解やクライアントのビジネスでLINEは活用できないのか?といった考えを持ち双方がwin-winになる提案をする事が求められます。
■まとめ
リスティングプラスではWebマーケティングを支援するお話を良くしていますが、結局は広告の部分でしか貢献ができていない事が殆どです。
広告だけでなく、Webマーケティングやマーケティングの部分での貢献をする事で単なる外注からビジネスパートナーとして重視される様になると思います。
私も停止してしまった案件に、現状のセールスフローから改善したセールスフローを提案した所で再度広告開始に至った体験もあります。
リードビジネスは正解はないと書籍でも書かれているので臆せずクライアントの懐に入り、ビジネス理解をする事が特に今求められていると感じます。
またセールスフローを知る事により、
「え、なぜこの媒体に展開をしていないのか?」といった疑問や具体的な提案に繋げる事も可能になります。
クライアントサクセス(以後CS)では客単価アップが求められる領域なので、様々なパターンのセールスフローや成功体験・ノウハウを蓄積し、運用後の関係性構築に乗り出せるように努力を続けます。
最後になりますが、リードビジネス自体はBtoBの高額商品だけの領域ではなく街の店舗や物販でも必要になり得る要素です。
Webマーケッターとして、本要素の圧倒的な理解を心掛けます。
■具体的なTO DO
・CS案件でスケールでききれていない案件のセールスフローを理解する
・既存案件でスケールし切れていない案件には、各タッチポイントでは率を伺う
・最終的な売上部分を伺い、運用者もデッドラインを理解する
・LINEを行っていないクライアントへは、積極的に提案を進めていく