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鍼治療による鎮痛の生理的作用機序

鍼治療は古くから痛みの緩和や様々な疾患の治療に用いられてきましたが、その効果の生理学的なメカニズムは最近の研究により徐々に軽減されています。作用に関する最新の研究成果と、その生理学的な作用機序について紹介します。

鍼鎮痛の基本的な作用機序

鍼治療による鎮痛効果は、主に中枢神経系の機能に影響を与えられることで実現します。

  1. 下行性疼痛抑制系の活性化
    脳幹部から脊髄内を下降し、痛み信号を抑制する下行性疼痛抑制系が活性化されることにより、痛みの感覚が減少します。が放出されることで、痛みの信号が適度に抑制され、脳に伝わる痛みが緩和されるのです。

  2. ゲート理論コントロール
    痛みの信号が脊髄を通る際、他の感覚信号がそのゲートを「閉じる」ことにより、痛みが痛くなるという理論です。 鍼治療はこのゲートコントロール機構を活性化させることで、の抑制に思います。

  3. 内因性オピオイドの分泌促進
    鍼治療は、内因性オピオイド(β-エンドルフィンやエンケファリンなど)の分泌を促進し、これらの物質が痛みの感覚を中心に役割を果たします。これにより、鎮痛効果が得られるのです。

  4. γ-アミノ酪酸(GABA)の作用
    GABAは中枢系において抑制性の神経伝達物質として機能し、痛みを感じにくい作用があります。 鍼治療はこのGABAの分泌も促進し、鎮痛効果を高めます。 。

鍼治療とオレキシン、オキシトシンの関与

鍼治療が中枢神経系に影響を考える考察として、最近注目されているがオレキシンとオキシトシンです。これらは視床下部から分泌される神経ペプチドであり、痛みの制御に深く取り組んでいます。

1. オレキシンの役割

オレキシンは、視床下部外側野に存在するオレキシン作動性ニューロンから分泌される神経ペプチドで、覚醒レベルの維持や摂食行動、痛み制御などの生理機能を調節します。され、痛み緩和が実現されることが研究によって定められています。

動物実験では、急性炎症性疼痛モデルのラットにおいて、鍼通電(足三里や三陰交穴に対する刺激)がオレキシンの分泌を高め、痛みを抑制する効果が報告されています。研究でも、鍼刺激後にオレキシンの分泌が促進され、痛みが軽減されたことが確認されています。

2. オキシトシンの役割

オキシトシンは、主に子宮や鎮射乳をホルモンとして知られていますが、テレビでは脳内での鎮痛作用にも注目されています。視床下部の室脇核から分泌されたオキシトシンが中枢神経系で作用し、鎮痛効果をもたらします。

動物実験では、足三里穴への鍼通電によってオキシトシンの分泌が促進され、その結果として痛みが軽減されたことが報告されています。オキシトシンは、脳内の特定の領域で作用され、痛みを感じる役割を果たします。

経穴における生理学的変化

鍼治療が行われる際、経穴(ツボ)でどのような変化が起こったかについての研究も進んでいます。経穴には、肥満細胞という免疫細胞が集まっていることが確認されており、これらの細胞が鍼刺激によって活性化され、鎮痛効果を発揮することが明らかになっています。

肥満細胞は、ヒスタミンやロイコトリエン、セロトニンなどのケミカルメディエーターを放出することで、痛みを緩和する役割を果たします。鍼治療がこれらの肥満細胞を刺激し、鎮痛効果を引き出すのです。

さらに、肥満細胞上に存在するTRPV2やTRPV4といったチャネルが鍼刺激に反応し、アデノシンやATPといった生理活性物質を分泌します。これにより、中枢神経系での鎮痛効果が強化されます。経穴、局所および中枢神経系で複合的な鎮痛作用を発揮することがあり、この研究によって示されています。

鍼治療の新たな可能性

鍼治療の研究は、かつては主に鎮痛効果に焦点を当てられていましたが、最近では抗炎症作用他の生理作用にも注目が集まっています。 、鍼治療が迷走神経を介して副腎髄質からのカテコールアミン分泌を促進し、炎症を軽減する効果があることが指摘されています。

このように、鍼治療の効果は痛みの緩和だけでなく、抑制や炎症調整といった多岐にわたる効果があることがわかってきています。疾患や症状に対する治療法としての応用が期待されます。

結論

鍼治療による鎮痛効果は、下行性疼痛抑制系の賦活化や内因性オピオイドの分泌促進といった中枢神経系の作用だけでなく、経穴における局所的な生理変化も興味深い。といった神経ペプチドの分泌促進が、鍼治療の効果をさらに高めていることが明らかになっています。

これからの研究によって鍼治療の考え方がさらに検討されることで、痛みや炎症に苦しむ多くの患者に対して、より効果的な治療法として広がることが期待されます。


参考文献

  • 砂川正隆、長田知恭、玉岡容、金井貴宏: 鍼鎮痛の生理学的効果機序。 神経治療 41(3): 368-372, 2024.

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Yazawa@鍼灸師/よもぎ栽培
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