人事業務を理解する-戦略策定編(求める人物像の明確化)
人事戦略の成功には、組織に適した人材を確保し、育成することが不可欠です。求める人物像を明確化することは、目標達成や組織変革に向けて必要な人材を特定し、採用・育成・評価の基準を明確にするための重要なステップです。
今回は、求める人物像の明確化における手法とその重要性について解説していきます。
目標達成・組織変革に向け必要な人物像を定義・言語化する
まず、目標達成や組織変革に向けて必要な人物像を明確に定義し、具体的な言葉で表現することが重要です。これは、組織のビジョンや戦略に沿った能力や資質、行動特性などを具体的に明示することにより、組織全体が共通の理解を持つことができます。明確な人物像の定義は、採用や育成の基準を明確化し、人材の選定と育成において統一された視点を持つことに繋がります。
手順としては以下
組織の目標や戦略に基づき、求める人物像の要件を特定する。
必要な能力や資質、行動特性などを具体的に記述し、言語化する。(かなり具体的に書くことが望ましいです。)
経営陣や関係者とのコンセンサスを得て、定義を確定する。
必要スキル/職務経験の定義・言語化をする
求める人物像を明確化するだけでなく、具体的なスキルや職務経験の定義も重要です。目標達成や組織変革に向けて必要な業務上のスキルや経験を明確に定義することで、求める人材をより具体的に特定しやすくなります。スキルや職務経験の明確化は、採用時の選定基準や人材の育成計画の策定において重要な情報源となります。
手順としては以下
目標や組織変革に関連する具体的な業務領域を特定する。
必要なスキルや職務経験を明確にし、具体的なレベルや要件を定義する。
採用基準や評価基準として、スキルと職務経験を言語化する。
判断方法の決定/採用基準への反映
求める人物像や必要スキル・職務経験を具体化したら、それらを評価するための判断方法を決定します。判断方法は、採用面接や評価面談において、候補者や従業員の適性や成果を客観的に評価するための基準となります。適切な判断方法の決定により、組織に最適な人材を選び出すことが可能となります。
手順としては以下
判断方法の選択肢を検討し、採用・評価に適した方法を選定する。
求める人物像や必要スキル・職務経験に応じた評価基準を明確に定義する。
判断方法を採用基準や評価基準に反映させる。
育成方針の決定/人事制度への反映
求める人物像を明確化したら、育成方針を決定し、人事制度に反映させることも重要です。組織内の人材を育成するために、教育・研修プログラムやキャリアパスの設計などを行います。求める人物像や必要スキル・職務経験に基づいた育成方針は、組織の持続的な成長と従業員の成長を促進するために欠かせない要素です。
手順としては以下
求める人物像に基づいた育成方針を策定する。
教育・研修プログラムの設計やキャリアパスの整備を行う。
育成方針を人事制度に組み込み、従業員の成長を支援する。
これらが重要な理由は下記です。
組織のビジョンと人材の一体化: 求める人物像を明確化することで、組織のビジョンや戦略と人材の選定・育成が一体化します。ビジョンに適した人材を確保し、必要なスキルや職務経験を育成することで、組織の目標達成に向けた力強い支援となります。
採用の効率化と適性判断の向上: 求める人物像を定義し、必要スキルや職務経験を明確にすることで、採用プロセスが効率化されます。適性のある人材を選択するための判断方法を決定し、採用基準に反映させることで、採用の成功率が向上します。
従業員の成長とモチベーションの向上: 求める人物像に基づいた育成方針を策定し、人事制度に反映させることで、従業員の成長を支援し、モチベーションの向上につながります。従業員が自身の成長を実感し、キャリアを築くことで、組織全体のパフォーマンスが向上します。
今回解説した求める人物像の明確化は、人事戦略の成功において重要な要素です。
改めてにはなりますが、目標達成や組織変革に向けて必要な人材を定義・言語化することで、採用や育成、評価などの人事施策において明確な基準を持つことができます。
また、組織のビジョンと一致した人材の確保と育成は、組織の持続的な成長と競争力強化に繋がります。
組織固有の要件を踏まえつつ、適切な人物像を明確化し、組織の目標達成に向けた人事戦略の展開を行いましょう。
Actors,Inc
代表 井田
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