現代の子育てに必要なのは「足し算」ではなく『引き算』
忙しい親のための要約シリーズ!
今回は【子育ての引き算】という本の内容を、10分で読めるようにまとめました!
僕は東大ママ経営の学童で約3年半くらい働いたり、400組以上が参加する子育てコミュニティの運営をしたり、ママチャリで日本一周(全国で子ども達と遊ぶ旅)をしたり、子ども達が本気で遊べる居場所を作る活動の代表をしたり、今までにたくさんの親子と、色んな関わり方をしてきたのですが…
「世の中の親御さんは忙しい。子育てや教育の知識を学ぶ時間がない。」という現実を目の当たりにしました。
そこで!
教育知識オタクであり現場での実践者でもある僕が、
☑︎子育てで絶対に知るべき大切なポイント
☑︎子育ての不安が消えて楽になる知識
☑︎子育てのよくある勘違い間違い
これらを「忙しい親御さんのために、分かりやすくシンプルにまとめよう!」と思って、この要約シリーズを始めました!!
今回は【子育ての引き算】という本を要約!
結論から言うと…
引き算しないと「子育ては無理ゲー」になる。
"情報過多"で"変化が激動"と言われる今の時代において、子育ては難しくなっている。
そんな現代の子育てで最も大切なのは、あれもこれもと「足し算」することではなく、親が自分自身に向き合うこと、自分の大切なこと、ありたい姿を明確にして、不要なものを『引き算』すること。
この記事を読めば、
『自信を持って子育てする』、『ウェルビーイングな子育てを実現する』ための"本質"が詰まっています!
最後まで読んだ後には、『親子共に楽しい日々を過ごしながら、子どもが"じりつ"していく』ヒントがたくさん得られていると思います!
それでは、要約スタート↓
「情報に惑わされる親」は自信がない
子どもの育ちを助ける上で大切なことは、実はそれほど多くない。
ハウツーはケースバイケースだけど、「本質」は共通している。
子育の本質は、『子どもの”今”のニーズに合った助け方をしていく』ということ。
つまり、子育ては、育っていく当事者である"子ども自身"の「らしさ」と「ペース」を保証しながら、『“その子”に”今”必要な助け』をすることが大切。
「ちゃんと育てないと」「後悔しないように子育てしないと」と思うと、「あれもしなきゃ!」「これもさせた方がいいのかな…」などと、色んなことを「足し算」したくなってしまうことはありませんか?
現代は情報も多く、多様な価値観が共存する時代。情報の多さに圧倒され、どれを取り入れ、何を取り入れないかを選択する必要がある。
しかし、SNSによって比較も容易にできる。変化が激動の時代と言われている。そのような中での子育てにおいて、「何が正解かわからない…」と感じることはありませんか?
モンテッソーリ教師あきえ先生が「自信を持って子育てする助けになりたい」という想いで書いたのが、今回に要約してる本です。
詰め込みすぎ原因は「不安」と「プレッシャー」
子どもの習い事をさせすぎたり、色んな体験に連れ回わしたりと、ついつい詰め込み過ぎてしまうのは…
そんな「不安」や「プレッシャー」が原因で、それは親の子育てに対する自信のなさからきています。
子育ては「初めての登山」に似ている。
初めて山登りに行く時には、「登頂にはどのくらい時間がかかる?どんなルートがある?荷物は何が必要?適した季節は?服装は?」などと考えますよね。
「これも必要かも!」「あれも持っておいた方が安心かも!」と、考えているうちに、リュックがパンパンになる、詰め込みすぎる…
子育ても同じで、子どもにとって「”今”必要か」よりも、親自身が不安を打ち消し、失敗しないため、後悔しないために、あれもこれも詰め込んでしまう……
しかし、登山も子育ても、詰め込みすぎると疲弊して、進むのがどんどんしんどくなっていくものです。
子育てで「焦り」や「不安」を抱えることは自然なこと。全くもってダメなことではありません。
しかし、登山のように「何が必要で、何が必要ないのか」をきちんと考えることが大切なのです。
「足し算」の子育てから『引き算』の子育てへ
より心地よく、そして楽しく子育てするために、何を減らし、何を残すべきか。
その答えが『子育ての引き算』
『子育ての引き算』とは、不安からあれやこれやと「足し算」するのをやめて、子育てにおいて本当に大切にするべきことを見極め、必要なものだけを選び取ること。そして、必要ないものは手放していくこと。
「ムリ」「ムダ」「ムラ」は子育てをする中で、誰しもが、つい背負ってしまいがち…
これらを認識し、『引き算』して取り除くことで、子どもと大人、双方にとってより豊かな経験が得られるようになる。
親子共に楽しい日々を過ごすことができ、ウェルビーイングな子育てになっていきます。
子育ての引き算で起こる「親」の変化
そんな状態から…
という状態に変わっていく!
子育ての引き算で起こる「子ども」の変化
①内発的に行動できる
子どもの内側から湧き上がる興味や関心、意欲、欲求をきっかけに行動できるようになる。能動的に考えて行動する力、自分の欲求に気づく力や、それを表現する力、さらには自己選択して自己決定する力に繋がっていく。
②主体性が育まれる
大人が決めたことや、大人の期待に応えるのではなく、あくまでも自分の人生を歩んでいける。自分の人生を、他人任せな「他人軸」で生きるのではなく、『自分軸』できていく上で欠かせない主体性が育まれる。
③子どもの幸福度が向上する
主体性が育まれ、自己決定できるようになることで、子どもの幸福度や満足感、充実感が高まっていく。「幸せな人生を歩んでほしい」というのは、私たち大人が子どもに本来は一番に願っていることではないでしょうか。
子育ての「ゴール」は何?
子育ての最終目的、それは『じりつ』です。
モンテッソーリでは人間が『じりつ』を成し遂げるのは、「24歳」と言われている。なぜなら、脳の「前頭前野(=自制心や論理的に考える時に使う部分)」はゆっくりと発達し、25歳頃まで成熟していくものだから。
つまり、子どもの「将来のため」、「長期的な成長」というのは、「24年間」のことを指す。その長い道のりをサポートしていくことこそが「子育て」。
だからこそ、心地よく子育てをしていくためには『引き算』することが大切になる。あれもこれも詰め込んだり、背負い過ぎたりすると、親子ともに疲弊してゴールするまでに倒れてしまうのです。
そもそも、子どもが本来、大人に対して"本能的"に願っていることは、「自分でできるように手伝って」ということ。
「大人にやってもらいたい」ということではない。
子どものために「大人がやってあげる」のではなく、『子どもが自分でできるように、大人が手伝いサポートしていく』ことが、子育ての大切な姿勢です。
引き算の「土台」になる4つの考え方
以下の4つは、子育てを「引き算」する全てに共通する原則。子育ての本質でとても大切なこと、とも言い換えられるかもしれません。
❶子どもの「自ら育つ力」を信じる
モンテッソーリ教育は「子どもは環境から学び、自分を"じりつ"させる方向に発達させる力」を持っているという考え方。一言で言うと、子どもは「自ら育つ力を持ってる」ということ。世界中の子供が(個人差はあれど)だいたい同じ時期に同じ発達を遂げていくのが、まさにこの力の効果。その子どもの「自己教育力」を信じて、より子どもの発達をサポートしていくというスタンスが子育てで最も重要になる。
❷下に見るのではなく、対等に捉える
子どもを下に見てはいけない。たしかに大人と子供には、できることや知ってることには差がある。お世話、保護、面倒を見てるのも大人。だけど、「存在」に優劣はない。一人のこの世界に存在する人間として、あくまでも対等。みんな上から目線で命令口調の友人、マウンティングおじさんが嫌いなのと同じで、それが親子だろうが、いつか信頼関係が崩壊する。対等をいつでも完璧にやるのは難しいかもだけど、日々の中で「尊重する」ことを"意識"するのがとても大切。
❸子どもの視点で「今」を考える
子育ては「将来」を考えがちだけど、成長は積み重ねでしかない。発達は連続的なのもの。だから、「”今”この子が向き合っていること」に、私たち大人も一緒に向き合うことが大切。「子どもが"今"何を求め、何が必要なのか、何に困っているのか」、それを見極めた上でサポートしていくことが、子育てには欠かせない。
❹「点」での結果ではなく、『長期目線』を大切に
子育ては24年間の長期プロジェクトであり、短期的な「点」は「成長過程」にすぎない。「点」が集まって将来の「結果」となる。短期的な目の前の「点」ばかりを気にすると、つい不安になり、子どもをコントロールしたくなる。だから『長期的な視点』で、子どもの成長を見守ることが子育てでとても大切。
この4つの考え方が、大人自身の心や時間の余裕をもたらしてくれて、ウェルビーイングな子育てを実践することに繋がっていきます。
さて、ここからが本題です。
実際に「子育てで何を『引き算』すればいいのか」という具体的な話です。
子育ての7の引き算
子育てで引き算するのは、以下の7つ。
それぞれの"引き算する重要性"や、"引き算する時のポイント"を以下にまとめました。
1.「決めつけ」の引き算
「決めつけ」とは、子どもに対しての先入観や固定観念を持ち、その子の可能性や成長を限定的に捉えてしまうこと。
具体的には、「どうせ〇〇だから、〇歳だから〜できるはず」といった"先入観"や、「この子は内向的。〇〇ができない子。」といった"勝手な評価"のこと。
「決めつけ」を引き算することで、子どものありのままを受け入れることができる。子どもの"自己肯定感"や"自尊感情"を育める。
私たち大人は「決めつけや勝手な判断をしたい」なんて思っていないのに、無意識に判断して、評価してしまう…しかし、子育てで重要なのは、子どもをどう評価するかよりも、子どもが何を求めているかを理解すること。だからこそ、「決めつけ」を引き算する必要がある。
意識したいポイント3つ:
①子どもを観察する
先入観を外して、できるだけ客観的に!
②子どもの”今”のニーズを掴む
「この子が楽しんでることは?」「何を求めているか?」「困っていることはあるかな?」を洞察する。
③「子どもがどう感じているか」を大切にする
「その子が何が好きで、楽しくて、困っていて、心地悪いと感じてるのか」に視点を向けて、よく観察し、認識する。そして子どもの好き、楽しいなどの感情を大切にする。子どもの『じりつ』に大切なのは「周りの評価」ではなく「自己認識力」だから。
2.「手出し口出し」の引き算
「手出し口出し」とは、子どもが自分で取り組もうとしていることに対して、大人が過剰に介入したり、指示したりすること。
具体的には、子どもの失敗しそうな姿を見た時に、「違うよ」「間違ってるよ」と言ったり、正解を教えようとしたり、手を出したりしてしまうこと。
「手出し口出し」を引き算することで、大人の不必要な介入を減らすことができる。すると、子どもは自分のペースで物事に取り組めて、自分で間違いに気づいて「訂正する力(=自己訂正力)」を育める。
親がすぐに正解を教えたり、先回りして注意したりすることを我慢することは、『子どもに気づくチャンス』を作るということ。すなわち、『真の学び』を実現するために「手出し口出し」を引き算することが重要になる。
意識したいポイント3つ:
①子どもの様子を『見守る』姿勢を持つ
子どもが「自分でやって→気づいて→時に失敗して→やってみて→自分でできた!」のプロセスを、大人は基本的に『見守る』だけ良い。必要な時だけ助ける。不要な手出し口出しは、子どもの"やる気"や”自信”、"チャレンジ精神"を奪ってしまう。
②学プロセスを保証する
ただ暗記するのではなく、自分の身体を使って、自分で体験して、失敗も含めて探索すること、そして「自己訂正」を通して自分で発見すること。これこそが学びの本質。大人が見守る姿勢をできれば、子どもは「学ぶ」ことの本質を経験し、理解することができる。
③"必要最低限"のサポートを心がける
「子どもがそのサポートを求めているのか、"今"このサポートが必要か」という視点が重要。大人はつい、結果だけを見て評価しがち…だから、「できてない=学べてない」と思い、つい指摘して、最短で「できた!」状態に、大人の力でワープさせたくなる。しかし、それでは子どもが"自ら学ぶ機会"を奪ってしまっている。
※「手出し口出し」を我慢することは、最初はウズウズするかもしれませんが、そういう時は物理的に離れて、少しずつ慣れていきましょう。
3.「期待の押し付け」の引き算
「期待の押し付け」とは、大人の価値観や願望を子どもにムリに当てはめようとすること。
「これができるようになってほしい、こういう子であってほしい、できるようになってほしい」といった、「期待の押し付け」を引き算することで、子どもの内側から湧き出る興味や関心、その子らしさの個性を尊重できる。子どもの「やりたい!」という気持ちや「好き!楽しい!」という感情を重視できるようになる。
すると、子どもは内発的に行動し、"自己決定力"を育めたり。幸福度や充実感を感じられるようになる。
意識したいポイント2つ:
①子どもが自分で決定できるように導く
子育てにおいて最も大切にしたいことは「子どもが自分で決定する」経験を積み重ねること。これは自分の人生を生きていくためには欠かせないし、幸福度にも大きな影響を与えることが研究で明らかになっている。自分のやりたいことに没頭する経験が「自己決定力」に繋がる。そして、外発的動機づけではなく、内発的な自己決定によって、"達成感"や"満足感"を味わったり、"自己コントロール力"が育まれたりしてく。
②結果ではなく「プロセス」を大切にする
結果への期待をすると、子どもの「できないところ」ばかりが目につきやすくなる。「プロセス」を認めることで、幸せに生きる上で重要な「内発的動機づけ」が高まることが研究で明らかになっている。期待することは悪いことではないが、「押し付け」は良くない。
「期待の押し付け」を手放せれば、親自身が焦りや、もどかしさから解放され、より肩の力を抜いて子育てできるようになる。
4.「べき思考」の引き算
「べき思考」とは、「〜すべき」「〜でなければならない」という固定的な考え方で子ども判断すること。
例えば、「女の子だからピアノを選ぶべき」「来年は小学生だから今のうちにこれができるようになっているべき」「もう4歳なんだからこれくらいは自分でやるべき」などといった考え方。
「べき思考」を引き算することで、子どもが自分の人生を大切に生きていくために最も大切にしたい、「自己選択を重ねて、自分で考えて選び取る力」を育める。
意識したいポイント2つ:
①目の前の子どもが求めていることを優先する
ついつい大人の「こうあるべき」「こうしないといけない」という思いを優先したくなるが、それよりも『”今"の子どもに必要なことは何か』の方が遥かに大切。常に「その”べき”は、今のこの子に本当に必要?」と自問してみましょう。どうしても「べき思考」が手放せないのであれば、子どもの意見や要求を否定するのではなく、理由や想いをきちんと丁寧に伝えて、別の案を提案してみましょう。
②子どもの選ぶものをジャッジしない
失敗を含めて「子どもが選ぶ自由」を保障しよう。人生は選択の連続。自己選択力は、ゴールである「じりつ」の基礎。自己選択力は、自分で選ぶ経験を繰り返していく中で育まれていく。自己選択する中で「これでよかった」という成功体験や自信を子どもは積んでいける。「この選択は間違えた」という経験もまた必要。だからこそ、失敗の経験も含めて「自分で選ぶこと」を重ねていくことが大切。そのために「こうあるべき、〜するべき」という「べき思考」を引き算する。危険がなく、誰かに大きな迷惑をかけていないのであれば、まずは子どもの意志を受け入れてみるのがおすすめ!
※「べき思考」は誰しもが無意識にやっているから改善しづらいけれど、自分の感情に向き合い、深掘りすることで、自分の「べき思考」に気づけて変えていくことができます。「べき思考」を手放すことで親自身も楽になれる!
5.「競争&比較」の引き算
「競争&比較」とは、子どもを他の子と競わせたり、比べたりすることで評価しようとする考え方。
例えば、「誰が一番早くできるかな?」と競争させたり、「我が子にはこんなにできない」と比較したりすること。
子どもは「自分=自己」を創っている最中で、人間としての土台を創っている大切な時。その時には誰かと比較されたり、本人が望まない競争を求められたりすることには慎重になりたいものです…
実は日本は「国連子どもの権利委員会」から、「過度に競争主義的な環境を見直すように」と勧告されている。20年ほど前から、競争的な社会や教育制度が子ども時代を喪失させていると"何度も"指摘されている。
「自己の発達」は、競争では成り立たない。競争すると人は、つい比較してしまう。比較は弊害でしかない。だからこそ、意識的に「競争&比較」を引き算する。
「競争&比較」を引き算することで、その子を個人として尊重できる。その子のペース、らしさ、個性を大切にできる。そうすることで、安心して子どもは「自分=自己」を成長させていき、自己肯定感を育むことにも繋がる。
意識したいポイント2つ:
①内発的動機づけで取り組んでいるか見極める
競争が効果的に機能する条件は、「本人が望んで取り組んでいること」。本人が望まない競争は、子どもの自発的な探究や、学習への関心を低下させる。子どもが内発的に行動できなくなるという悪影響を及ぼすことが研究で明らかになっている。
②「あなたはあなたでいい」と無条件に承認する
その子のありのままを受け入れる。子どもが人として精神的な自立を築き上げるには、「あなたはあなたでいい」と無条件に承認してもらう経験が欠かせない。何も知らない、分からない状態から、たくさんの経験を通して、この世界を信じ、他者を信じ、自分を信じること。これを人生の初期に成し遂げることが子どもにとってのとても大切。その時に必要なのは、「競争&比較」ではなく子ども自身が『自分と向き合う』こと。自分の身体を使って、経験して、色んな感情を味わって、助けてもらいながら日々自立へと向かっていくことに、子どもは全力なのです。
「競争&比較」を手放せば、子どもを一人の人間として尊重できる。子どもを短期的な「点」で捉えるのではなく、中長期の視点で見られるようになる。すると、競争や比較から来ていた余計なイライラ、モヤモヤも手放せる。
そして、子どもは色んな経験を通じて、自分に向き合いながら、きちんと「自己」を成長させていける。自己肯定感の育みにも繋がる。
6.「不一致な言動」の引き算
「不一致な言動」とは、大人の言ってること(=言葉)と、やってること(=行動)が一致していない状態のこと。
例えば、子どもに「片付けよう」と言ってるけど自分の部屋が整理整頓できてない。「学ぼう!挑戦しよう!」と言っているだけで親はしていないなど。
「不一致な言動」を引き算することで、子どもは今よりも色んなことを知り、本質を理解できるようになる。自立に向かっていく。親子の良好な信頼関係にも繋がり、絆がより深まっていく。
意識したいポイント3つ:
①大人は子どもの「モデル」となる
子どもは周りをよく観察し、大人の立ち振る舞いや言葉を真似て吸収する。どんどん自分のものにしていく。子どもが自立するためにはロールモデルが必要。親が一貫したモデルになろう!
②言葉と行動を一致させる
とにかく日々の中で言葉と行動が一貫しているかを"意識"することが大切。ただ、言葉と行動の不一致は誰にでもあるし、できない時があっても大丈夫。一致していないと思ったら、「お母さんもできていなかったね!私もやるね!」と伝えられればOK!
③伝えたいことは行動でも示す
10歳くらいまでの子どもは「抽象的なこと(言葉)」よりも、「具体的なこと(行動)」の方が吸収しやすい。もちろん言葉も真似するが、日々の立ち振る舞い、感情的になった時の行動、学んだり挑戦したりする姿勢など、子どもは親の「生き様」を吸収すると考えた方がいい。だからこそ、「不一致な言動」を引き算することが大切。これを意識することは、大人も子供と一緒に成長するチャンスです!
7.「賞罰」の引き算
「賞罰」とは、子どもの行動を褒美や罰で制御しようとする方法。
例えば、「すごい!」「天才!」と過度に褒めたり、「鬼が来るよ!」「お菓子抜きね!」「ゲーム没収!」などと脅したり、罰を与えたりすること。
「賞罰」を引き算することで、子どもは行動の本質を理解できる。自分で考えて行動する力が育まれる。圧倒的に「じりつ(=自立・自律)」していく。そして、親子の信頼関係にも繋がる。
意識したいポイント2つ:
①罰ではなく「"理由"を伝える」
叱る、褒めるの裏には「こうあって欲しい」「こういう行動をしてほしい」などの子どもをコントロールしたい気持ちが無意識のうちに湧いている。罰をやめることで、「叱られた」という印象だけではなく、「何がいけないのか、どうしたら良いのか」という行動の本質を学び、自分で考える力が育まれ、自律に向かえる。叱ることの代償は思っている以上に大きい。一言で言うと、子どもが「じりつ(=自律・自立)」から遠のいていく。いつも叱ったり、怒鳴ったり、罰を与えたりして子どもをしつけるのではなく、「いけないこと・できないことの理由」をしっかり丁寧に伝える。
②褒めずに「認める」
子育てで「褒めて伸ばす」ことの最大の注意点は、「褒められることや、ご褒美をもらうこと」が一番の目的になるのは避けたいということ。本来は「自分の発達(=自律・自立)」のためなのに、ご褒美がないならやらなくなるのは本末転倒。ご褒美の有無ではなく、「なぜ自分がこの行動をするのか、しないといけないのか、そもそもしたいのか?」など、自分を基準に行動を選択していくことが大切。"賞"を与えるのではなく、あくまで子どもの気持ちや行動、プロセスや努力などをシンプルに「認める」という姿勢が大切。
これらの「伝える」「認める」という関わりは、とても根気のいること。すぐに結果も見えにくい。やるせない気持ちになることもあるかもしれない…
しかし、完全に"チリツモ"で、日常的に小さな頑張りも認めてもらったり、丁寧に伝えてもらったりすることを、日々積み重ねた子どもは圧倒的に「じりつ(=自立・自律)」していく。
私たち大人も叱られたり褒められたりした思い出があり、自分が経験してきたからこそ、当たり前に「叱ること、褒めることは必要だ」と感じやすいが、モンテッソーリでは子どもの育ちに「賞罰」は必要ないと考えられてる。
子育てのゴールは「自律・自立」。そのために必要なのは、「子どもが行動の本質を理解して、自分で考えて行動」できるようになること。そのため、大人の言動に依存させるのではなく、子どもが自分で理由や善悪を考えられるかが重要になる。そのために「賞罰」を引き算することが大切。
※賞罰が必要ないというのは、「なんでも子どもの言いなりになりましょう」ということではない。できないことは「できない!」と、はっきり伝えることが大切だが、伝え方がポイント!「真剣かつ端的に」伝えることです。感情のまま怒鳴ったり、苛立ちながら叱ったりするのではなく「伝える」をぜひ意識してましょう。しかし、わかっていてもできないから悩むんですよね…その時は子どもから物理的に離れたり、深呼吸したりしてみましょう!!
ここまでを整理すると…
【引き算の土台となる考え方】は4つ
❶子どもの「自ら育つ力」を信じる
❷下に見るのではなく、対等に捉える
❸子供の視点で「今」を考える
❹点での結果ではなく、長期目線を大切に
【引き算する7つ→引き算の変化→子どもの変化】は、
1.「決めつけ」を引き算→『客観的な観察』→子どもの自尊感情、自己認識力UP
2.「手出し口出し」を引き算→『見守る』→子どもの自己訂正力UP
3.「期待の押し付け」を引き算→『自己決定の尊重』→子どもの自己決定力、内発的動機UP
4.「べき思考」を引き算→『選択をジャッジしない』→子どもの自己選択力UP
5.「競争&比較」を引き算→『内発的かの見極め』→子どもの自己肯定感UP
6.「不一致な言動」を引き算→『一貫したモデルになる』→子どもの知識とできること&良好な親子関係UP
7.「賞罰」を引き算→『伝える&見守る』→子どもの自分で考えて行動する力UP
これらの「引き算するもの」は、大人が子どもを大切に想っているからこそ抱く考え方や、感情です。
があるからこそ、7つの呪縛に取り憑かれてしまう…
ただ、我が子を大切に思うがゆえにこだわってきた考え方や感情の中には、実は「子どもの育ち」を考えると、引き算して手放しても良いものがたくさんあるのです。
子育てを「引き算」することで、不安やプレッシャーからくるイライラ・モヤモヤを手放すことで、心にゆとりが生まれる。その結果、余計な言動やそれに関わる時間が、物が徐々に減っていく。つまり、楽に楽しく子育てできるようになっていきます!
モンテッソーリ教育の本質ってなに?
モンテッソーリの本質は「子どもを一人の人間として尊重すること」
大人がどうしたいかではなく、この子がどうしたいか。この子に"今"何が必要かを常に考えていくこと。
そうすることで、その子の「個性」「ペース」「らしさ」を尊重できる。
このスタンスで大人に育ちを助けてもらうことで、子どもは自尊感情、自己肯定感、自己認識力、自己訂正力、内発的動機づけ、自己選択力、自分で考えて行動する力など、生きていく上でとても重要な生きる力を育んでくことができる。
大人自身が変わるためには、とにかく”意識すること”が大切。
最初は上手くいかなかったり、ついやってしまったりもあるけど、長い時間をかけて、できる限り意識する数を増やす。自分に向き合って、大人自身が自己認識を高める。この積み重ねによって、「親」としてだけでなく、『一人の人間』としてもより良い方向へと成長していける。子育てはそんなチャンスなのです。
子育ては上手くいくこともあれば、上手くいかないこともある。
でも、そのトライ&エラーこそが重要。子ども失敗を通して学ぶように、私たちも失敗していいのです。「子育てで失敗しちゃいけない」「ちゃんと子育てしないと」というプレッシャーはもう手放しましょう。
子育ては一人でキャパオーバオになることもある…
そんな時は、大人がまず自分を満たすことを優先していい。周りに頼って、一人の時間を作って、自分をケアする。まずは自分自身の心と身体を尊重してあげる。そのエネルギーが子どもに巡っていきます。
子育ては完璧を目指す必要はない。
しかし、「大切にしたいこと」「ありたい姿」を明確にしていくことが大切。親である自分が「大切にしていきたいことはなんだろう?」という問いを繰り返しながら、必要のないものは子どものためにも自分のためにも「引き算」する。そして親子共に楽しい日々を過ごしていくこと。
その先に、きっとウェルビーイングな子育てが待っています。
まとめ
現代は情報過多で、SNSで比較しやすくて、激動の時代と言われている。だからこそ、子育てに自信を持つことが大切。
そのためにはまず、親自身の「大切なこと」や「ありたい姿」を明確にして、それ以外の必要のないものは引き算し、手放していく!
そうすることで、親の余計なイライラやモヤモヤが減り、時間と心に余裕が生まれて、子どもと楽しい日々を過ごせるようになる。ウェルビーイングな子育てができるようになる!!
(ここから僕の感想になりますが…)めっちゃくちゃ良い本でした!
子どもの"今"を大切にすること。子どもが「"今"何を求めているか?」をよく観察しながら、必要最低限なサポートを心がけること。そのためにまずは自分の「人生」(=自分の「べき思考」や「大切なこと」)に向き合うことなど…
この本の内容は僕自身、これまで子ども達と関わる中でとても大切にし、実践し続けてきたことだったので、学んだことよりも「感動」が上回ってきた本でした!
こんなにも子育ての本質を、わかりやすく丁寧に言語化されいてることに感激&感謝です!そして、モンテッソーリ教師あきえ先生、超リスペクトです!!
※この記事では「本質的な部分」だけを抜粋して要約しましたが、本には具体的な関わり方や声かけなどもたくさん書かれています。「子育ての引き算」についてもっと詳しく知りたい方は手に取ってみてくださいね〜
以上、忙しい親御さんのための【子育ての引き算】という本の要約でした〜
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