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2024年音楽振り返り
今年ずっと諸々のてんてこ舞いで音楽方面が結構割を食いがちだったようなところが大きかったですがそれでも毎日の生活から音楽は完全には切り離せなく、時間や余裕がなくても何らかの形で関わり楽しみ続けられて年末までたどりつきました。特にBBC Proms聞き始め遅れ~一時帰国~そこからさらぬNew Soundsの聴き遅れが数ヶ月にわたって影響があったのが(趣味の範囲ではありますが)大変でした。来年はもっと余裕を持って音楽を楽しみたいです。
Best of 今年出会ったオーストラリアの音楽
私が好んで弾く音楽の傾向をかなり把握している友人から今後弾くといいかもしれないオーストラリアのピアノ作品としてHelen Giffordの「Siva」をオススメされました。メシアンに通じるものあるよ、ということでしたが確かにそういうところはあるかも。踊り=リズムと縁が深いシヴァ神、そして踊りで世界を破壊させるというヒンドゥー教の神話はちょっと聞きかじって好きなのでいずれこの曲にも挑戦すると思います。
Best of 今年購入したアルバム
基本的にピアノ音楽をあまり聴かないピアノ弾き(相変わらずギターが多い)ですがGrandbrothersの特殊奏法含めたピアノとエレクトロニクスを組み合わせた音楽はピアノそのものとはまたちょっと別の枠で心の需要があるようです。今年購入したアルバム「Dilation」も頻繁には聞かないながらもまたピンポイントで聞きたくなる、これじゃないといけない時があって「買ってよかったなあ」と思っています。特にアルバム通して聴くのに向いてて旅路とかにもいいんですよね。他のアルバムもちょっと増やそうかな。
Best of 今年行ったコンサート
今年は友人が弾くので8月に行ったAstra Chamber Music Societyの「Julius Eastman: Gay Guerrilla」がぶっちぎりでしたね。Eastmanの音楽には以前にもちょっとエンカウントしてたのですがこのコンサートで聞いて強烈な印象を受けました。彼の音楽自体が好きになったということだけでなくその演奏で生身の人間と楽器を消耗品のように使うこと(そして苦労しながらも生身の人間と楽器が演奏できること)もこのコンサートの体験の一部でした。コンサートに限らず2024年一番の音楽の出会いといっていいかも。
Best of 今年聴いた「New Sounds」のお気に入り回
まずは↑のコンサートに続いてJulius Eastmanの作品をさらに知ることが出来た「Works by Julius Eastman and Works for Multiple Cellos」の回。コンサートからものすごくスムーズにフォローしてくれてほんとありがたい。
そして私の性質としてどうしても新しい音楽なんだけど古い音楽要素もかなりある、という音楽が好きなので「New Sounds from the Renaissance」、「Folk/Baroque/Contemporary String Music」、そして「Different Kind of Classical Guitar」も相変わらず好きです。
あとは自然題材で変わった生物の回、深海の回、上原ひろみver.も登場するビートルズの「Blackbird」のバリエーションの回、ビオラ目当てに聴きたい「Strings…plus」の回、声とその表現について考えさせられる「Transitions and Transformations」の回、それからart songとポピュラーソングの間くらいの歌が連なるプレイリストのような「Some Songs」、「Excerpts from Song Cycles」なども。
時間がない、余裕がないみたいな状況が多い今年でしたがそれでもNew Soundsでたくさんの新しい音楽と出会いました。ただ余裕がないのは実際そうだったので本当はもっとゆっくり聴いてフォローアップしたいです。
Best of 今年弾いた曲
まだ最終楽章までたどり着いてませんがボフスラフ・マルティヌーのピアノソナタが今年弾いた曲で一番印象に残る曲でした。マルティヌーは大学時代からちょこちょこ自分の選択でない形で弾くはめになった作曲家ですがピアノ独奏のための音楽も書いているのでたまには自分の意思で弾いてみよう、という経緯でこのソナタにたどり着きました。以前に弾いたマルティニーの作品ともちろん音楽的に通じるものはありますし、その音楽言語の捉えづらさもまた他の作品と共通しますが意外とちゃんとソナタ形式してたり、曲自体はトリッキーながらも割と聴き良いですし、なんだかんだでちゃんと良い曲で好みの曲です。最初に書いたように最終楽章を弾いてないので今後気が変わる可能性もあるかも・・・?
番外編
現地じゃなくて配信で観たものですが(各公演配信が観れるのめっちゃありがたいです)オーストラリアバレエ団の「Oscar」素晴らしかったですね。歴史題材・時代もの良いところや現代ならではの表現(踊りだけでなく)の幅の自由さ、人間模様や内面の感情の表現、そして文学という言葉がどうしても絡んでくる題材を言葉がないバレエ作品にする挑戦、そして何よりバレエ作品としてかなり感情的に濃くてすごかった。衣装や音楽も良かったです。あと普段バレエレッスンで先生が「バレエダンサーは足で話す」といったのがすごくわかる。
題材・テイスト的に「ニジンスキー」に似てるよね、と思ったら来年の公演一発目は「ニジンスキー」になるそうです。行かないと。
別の記事に書いた通り来年はどこかの時点でショスタコーヴィチ5番が入る予定で、またバレエの発表会でのピアノ弾き(そして踊り)もある予定です。既に曲探しは始まってますがまだちょっと先のことなのでゆっくりと。
2025年は主に音楽を聴く面で切羽詰まらずのんびり聴けるといいなと思っています。新しい音楽に出会う、追っかけるだけでなくじっくり触れあえる年になりますように。