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オーストラリアの作曲家ならなんでもござい、AMCで楽譜の買い物をしてみた

以前からオーストラリアの作曲家の音楽をことあるごとにおすすめしてきて自分でも弾きたいけれどどこから手を付ければいいのかわからない、とも言いましたが今年に入ってやっと!そのための一歩を踏み出すことができました。
まずはどこを探せばいいかなど指南してくれたその道に明るい友人に感謝。

助言をいただく前からその存在は知っていましたが初めて実際に使うことになったのがAustralian Music Centre(AMC)というウェブサイト。
ここにはオーストラリア人の作曲家の作品に関する情報などのデータベースがあって、作曲家の名前や年代、楽器などでも検索ができます。
そして情報を見るだけでなく楽譜や録音を購入したり、試し読み・試し聴きまでできる総合的なウェブサイトです。

楽譜や録音が購入可能かどうかは作曲家や作品によりますが、楽譜がある場合紙の本とpdfダウンロード、それから「お問い合わせください」のフォーマットのどれかで入手できるようです。ただ楽譜も録音もない曲はなくて情報だけデータベースに入ってます。
実は「お問い合わせください」で一曲好きな曲があったのですが初めてなので(そして人見知り的なあれで)今回は一旦断念しました。どういうプロセスになるんだろう。
紙の楽譜は複数注文すると別々に発送されるらしくちょっと送料がかさみがち、でも速達でかなり速く着いてびっくりしました。デジタル楽譜は購入即DL可(DL期間は7日間だそうです)で送料もかからないですが対応してない作曲家は対応してないのでしかたがない。ただ紙の楽譜もそれ自体のお値段がそこまでしないのでまとめ買いじゃなく必要な時に絞って、が賢いかも。

あとAMCは購入とは別に年間メンバーシップもあります。購入時の割引だったりデジタル楽譜の試し読みが出来たりするのが主な特典ですかね。今回は試し読みが必要なことはなかったですが現代音楽という性質上もしかしたら今後あって嬉しいこともあるかも・・・?

そんなこんなで購入した楽譜3曲分(紙2デジタル1)が無事届きました。
ヘッダー写真が紙の楽譜の2曲です。デジタル楽譜はダウンロードしてしまえばいつでも印刷できるのでいずれ。

まずはオーストラリアの音楽を履修する上で欠かせないと思ったのがPeter Sculthorpe。数年前に亡くなった作曲家ですがこの国の音楽的なアイデンティティを早い時代から探り英国以外に求めた作曲家です。なので作品もいわば「ちょっと古め」が多くなる中でなるべく最近の音楽を(もちろんデータベースは作曲年でソート可です)、と思って選んだのが「Nocturnal」。元々はピアノ協奏曲の一部だそうですが(そっちも聴かなきゃ)小品として入りやすい、そしてアジアやアボリジニの音楽ともつながる雰囲気がある作品です。なにより8分の10拍子ですよ。5拍子は正義。
ちなみにこの楽譜は手書きのまま印刷してあります。幸いそれなりに読みやすい手書きですが楽譜をAMCで探す時はプレビュー機能で1ページくらいは見れるので読みやすさ、はたまた作曲家の手書きの筆跡の好み(私だけ?)なんかもチェックするのが吉ですね。

プロだったことはなくても音楽に関わる中で色んな作曲家にもお世話になったりしたこともあるのでその恩返しもしていきたい、と思ってその一歩としてStuart Greenbaumの作品も一つ選びました。大学在学中の話になりますがGreenbaumさんはメルボルン大学の作曲科のトップの先生でオケの課題曲にチェレスタを入れるよう生徒に推奨してくれてたらしく、そうやって書かれた作品でチェレスタの使い方とかイメージとかが膨らんだという経緯があり。彼自身の作品は主にミニマルミュージック的な要素が結構あって(そして多くがデジタルDL可で)どの曲を選んでもそれなりに愛着がわく自信はありましたが過去弾いた曲との繋がりを縁として「Evocation」を弾くことにし。

そして最後はメルボルンに関連する曲はないものか、とデータベースを漁りに漁って見つけたLinda Kouvarasの「Three St. Kilda Sketches」。St. Kildaそのものには住んだことないのですが割と近い周辺地域に住んだりSt. Kildaに遊びに行ったりも何度もあるので土地勘と地元愛を活かしてチャレンジしようかな、と決めました。St. Kildaは海沿いの街なのでこれまでレパートリーに加えてきた「海」関連の曲と組み合わせる可能性も出てくることに期待。

ただ前にも書いたと思うんですけどオーストラリアの音楽全体(特に存命の作曲家の作品)におけるピアノ音楽の割合ってそんなに多くなかったりしてコンサートとかで聴いて好きになった作曲家でも思うようなピアノ作品の選択肢がなかったりすることも。ただそれでもまだまだ恩返しや弾きたい景色や飛び込みたいジャンルがあるのでめげずにオーストラリアのクラシック音楽をちまちま開拓してきたいと思います。