ふぐの卵巣の糠漬けはミラクル発酵食品!
ふぐをさばくには免許がいる。
内臓に毒が含まれるからなんですが、それを、先人はなぜ食べようと思ったのでしょうか。
それはそれは、大変おいしい食材だったからに違いありません。
わたしは、ふぐなんて年に1回食べるか食べないか。
というか、前回いつ口にしたかも記憶にないくらい遠い彼方で雲の上…
記憶の中に、うっすらと残るあの特徴のある弾力とさっぱりとした淡泊な味。
かめば噛むほど、うまみが染み出してきて…
ああ、何年前の記憶かもわからないのに舌に残る記憶。
このうまさだからキケンを冒してまでも、食べたい味だったんですね。
さて、そんなふぐには何の毒が含まれるかというと、テトロドトキシンという猛毒。
厚生労働省からもリスクのある自然毒として、紹介されています。
そんな猛毒を含むふぐなのですが、食べられる身にはもちろん毒は含まれません。
内臓に含まれるんです。
だから、うまく内臓を取って毒を残さないさばき方には免許がいる、ということなんですね。
なのですが、先人たちは考えました。
こんなにおいしいふぐ、内臓も捨てるのもったいないなあ。と。
そう、毒のある内臓をも食べようとしたのです。
その、発酵食品は日本海に面する、石川県にあります。
しかも、その製造は石川県をはじめ、数県しか製造を許可されていないんです!
きっちりと発酵させないと、毒が残ってキケンだから。
この、ふぐの卵巣糠漬けは漬けている間に、なんと毒が消失してしまうというファンタジーというかミラクル発酵。
塩蔵を1年ほど、糠漬けを2年ほどするそう。
この長期間のうちに、卵巣に含まれる毒がなくなっていくとか。
その、メカニズムの詳細についてはあまりよくわかっていないそうで、、だからミラクルなんです!
昔の人のおいしいものを逃すことなく食べたい!
その執念から、この発酵食品はできたのかもしれません。
そして、わたしもついにふぐの卵巣糠漬けをゲットして食べてみました!
ちなみに、これで1200円…
懐が痛む高さです。
でも、この製造背景を知れば納得。
3年もかけて、ミラクル発酵の恩恵をいただけるのなら!と思いきれます。
さて、わたしはごはんにかけていただきました。
ほんのちょっと添えるだけで、ごはんの湯気と共に魚介の強い発酵の香りが漂います。
口に含むと、鼻から抜けるアロマがもんのすごい強い!!!
香りの波にやられそうになりながら、咀嚼してゆくと、長期熟成されたチーズのような香りとコク、そして魚介のうまみが口の中を占領していきます。
ああ、日本酒や樽の香りが強い白ワインといただきたい…
そう、思わせるかなりナイスで貴重な発酵体験でした。
気になる方は、前回ご紹介したこちら↓の展示会のショップで販売しています。
ぜひ、展示会で全国発酵ジャーニーをしたのち、このミラクル発酵を楽しんでくださいね。