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「公務員は安定している」の大嘘

 「仕事は何?」と聞かれたとき、「公務員(市役所職員)です」と答えると、「いいじゃん!安定だね!」とよく言われます。

 ですが、実際に公務員(市役所職員)をやっている身からすると、「全然そんなことないけどね」って思います。そこで今回は、現役公務員(市役所職員)が思う、公務員の安定していないところをご紹介します。

 大嘘シリーズ第2弾です。





1.たしかに雇用は安定してますわ

 たしかに雇用は安定しています

 国家公務員法や地方公務員法で身分が保障されているため、よほどのことをせん限りクビにはなりません。それに、雇用主(国や地方自治体)が倒産することは基本ないので、失職のリスクも低いです。

 待遇面をみると、給料は同世代の平均くらいを支給されるようになっているので、多くはないが少なくもないって感じです。ただ、各種手当や休暇が整っていますので、額面以外に受ける恩恵はありますね。

 この人たちは…。今後の制度改善に期待しましょう!

 これらを指して「公務員は安定」と言っているのであれば、たしかにそうだと言えますが…。それ以外の部分には、不安定なところが散見されます。



2.ここが不安定だよ公務員

(1)職務が不安定

 公務員は異動が多い、これは皆さんもご存じのことでしょう。これはホントにそのとおりで、私も勤務6年目にして部署は3つめです(私の場合、休職が関係している気がしますけど…)。

 しかも、問答無用で色んな部署へ飛ばされますから、仕事は転職レベルで1から覚え直しです。部署によっては、学生時代に学んだ知識や実務経験がほとんど活かせない場合もあり、前の部署では人間国宝ばりに重宝されていた人が、異動したとたん粗大ごみになることも。

 それに、こうも頻繁に異動させられては手に職がつきづらいので再就職にも苦戦しそうです。もちろん、民間企業でも総合職とかはこうした動きになるのでしょうけど、ほぼ全員が総合職みたいに動くのは公務員(とくに事務職)ならではと思います。


(2)人間関係が不安定

 異動をすると、人間関係もほぼ1から作り直しです。年次を重ねたベテランなら、知り合いも増えていて構築しやすいのでしょうけど、新入りや出先機関から帰った人などからすると結構な苦行かと。

 それに、自分が異動しなくても、周りが異動して環境が変わることがよくあります。「私は異動じゃなかった、よかった」では済まされません

 同じ職場の人間国宝が出ていき、後任で粗大ごみが輸入された結果、仕事が回らなくなった。イカれた上司がいなくなって、かわりに神上司が来たから劇的に働きやすくなったなど。異動関係のエピソードは死ぬほど聞きます。


(3)てか、仕事がきつい

 そもそも公務員って、民間企業にやらせたら高い費用がかかることとかみんながやりたくないことを税金で安価かつ確実にやるために作られた仕事だと思うんですよね。

 例えば、こんな仕事を依頼されたら、あなたはいくらで受けたいですか?そもそも、受けたいですか?

・凶器を持って暴れている人を取り押さえる仕事(警察官)

・燃え盛る家に飛び込んで人を助ける仕事(消防士)

・訪問した家を開けたら住人が死んでいる仕事(ケースワーカー)

・人に罰則を与える仕事(裁判官)

・外国の侵略に対抗して戦闘する仕事(自衛官)

・自分や家族の人生より国家の成長を優先する仕事(官僚)

・他人の子どもを育て、人生観に多大な影響を与える仕事(教師)

・キレまくってる住民をなだめて手続きさせる仕事(市役所窓口など)

 どれも責任が重く、ハードな仕事だと思いませんか?これを、平均くらいの給料+福利厚生でやらされているのが公務員です。きついねー。

 不安定な職務・人間関係でこんなきつい仕事をやっていると、情緒も不安定になる職員が少なからずいます。私もその1人です。



3.何を安定させるか考えるべし

 という感じで、公務員には安定しているところもあれば不安定なところもあります。少なくとも、現役の立場からすれば、世間で言われているほどの完全安定ではないと思います。

 そもそも完全安定だったら、こんなに離職者が増えるわけがありません。

https://www.soumu.go.jp/main_content/000947258.pdf

 なので、世間(とくに親世代)の言葉を鵜吞みにして、脳死で公務員を選ぶと痛い目を見る可能性があります。就活中の諸君は気を付けるように。

 就職先に何を求めるのか、何を安定させれば満足できるのかを考えるようにしましょう。人によって求める「安定」は違う。

 要は価値観ってやつですわ。ありがとうございました。



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